○北海道教育大学遺伝子組換え実験等安全管理規則
(制　定　平成21年3月26日平成20年規則第45号)
改正
平成23年8月24日平成23年規則第13号
平成27年3月26日平成26年規則第91号
平成27年6月2日平成27年規則第14号
平成30年3月27日平成29年規則第62号
令和2年4月20日令和2年規則第41号
令和3年3月31日令和2年規則第140号
令和5年3月31日令和4年規則第95号
第1章　総則
(目的)
第1条　この規則は，遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「法」という。)，遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(平成15年財務省，文部科学省，厚生労働省，農林水産省，経済産業省，環境省令第1号。以下「施行規則」という。)，研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号。)その他関係政省令等(以下「法令等」という。)に基づき，北海道教育大学(以下「本学」という。)における遺伝子組換え生物等の使用等に当たって執るべき必要な事項を定め，もって遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに資することを目的とする。
(定義)
第2条　この規則において，次に掲げる用語の意義は，それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)　実験　遺伝子組換え生物等の第一種使用等又は第二種使用等による実験をいう。
(2)　部局　各校，教員養成イノベーション機構，各全学教育研究支援機関及び保健管理センターをいう。
2　前項に規定するもののほか，この規則において使用する用語の意義は，法令等に定めるところによる。
第2章　安全体制
(学長の責務)
第3条　学長は，本学における遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて総括管理する。
(部局の長の責務)
第4条　部局の長は，当該部局の実験従事者が行う遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて直接責任を負うものとし，遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関して必要な措置を講じなければならない。
(安全主任者)
第5条　実験を実施する部局に，安全主任者を置く。
2　安全主任者は，当該部局の長の推薦に基づき，学長が任命する。
3　安全主任者は，学長及び部局の長を補佐するとともに，次に掲げる職務を行う。
(1)　次条に規定する実験責任者に対し，実験の立案に際して指導助言を行うこと。
(2)　遺伝子組換え生物等の保管，運搬等の状況，施設・設備の管理状況及び実験の進捗状況を把握し，遺伝子組換え生物等の安全な取扱いが，法令等及びこの規則に従って適正に遂行されことを確認するとともに，次条に規定する実験責任者及び実験に従事する者(以下「実験従事者」という。)に指導助言を行うこと。
(3)　その他遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関して必要な事項の処理に当たること。
4　安全主任者は，その職務を遂行するに当たり，第8条に規定する遺伝子組換え実験安全委員会と十分連絡を取り，必要な事項について当該委員会に報告するものとする。
[第8条]
5　安全主任者の任期は，2年とし，再任されることができる。
6　安全主任者が出張，事故その他の理由によりその職務を遂行できない場合には，学長は当該部局の長の推薦に基づき代理者を置き，その職務を代理させるものとする。
(実験責任者)
第6条　実験ごとに，実験責任者を置く。
2　実験責任者は，当該実験従事者のうちから，部局の長が任命する。
3　実験責任者は，法令等及びこの規則を熟知した者であるとともに，遺伝子組換え生物等の取扱いに関する知識及び技術に習熟した者でなければならない。
4　実験責任者は，当該実験計画の遂行及び実験の安全確保並びに遺伝子組換え生物等の保管及び運搬について責任を負うものとし，次に掲げる業務を行う。
(1)　実験の立案及び実施に際して，実験全体の適切な管理運営に当たること。
(2)　実験従事者に対して，法令等及びこの規則を熟知させるとともに，遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関する教育訓練を行うこと。
(3)　遺伝子組換え生物等の保管，運搬等を含めた実験全体についての記録を取ること。
(4)　その他遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関する必要な事項を実施すること。
5　実験責任者は，その職務を遂行するに当たり，安全主任者と十分連絡を取り，必要な事項について安全主任者に報告するものとする。
6　実験責任者が出張，事故その他の理由によりその職務を遂行できない場合には，代理者を置き，その職務を代理させるものとする。
(実験従事者)
第7条　実験従事者は，遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについての重要性を十分に自覚し，法令等及びこの規則を遵守するとともに，安全主任者及び実験責任者の指示に従わなければならない。
2　実験従事者は，遺伝子組換え生物等の安全な取扱い並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し，習熟した者でなければならない。
(安全委員会)
第8条　本学に，国立大学法人北海道教育大学運営規則(平成26年規則第25号)第26条第2項に基づき，北海道教育大学遺伝子組換え実験安全委員会(以下「委員会」という。)を置く。
[国立大学法人北海道教育大学運営規則(平成26年規則第25号)第26条第2項]
2　委員会は，次に掲げる委員で組織する。
(1)　学長が指名する理事又は副学長　1人
(2)　実験に関する専門的知識を有する者　若干人
(3)　教育研究支援部長
3　委員会は，学長の諮問に応じ，又は自らの発議のもとに次に掲げる事項について調査審議し，及びこれらの事項に関して学長に対し意見を述べることができる。
(1)　実験に係る規則等の制定及び改廃に関すること。
(2)　法令等及びこの規則に対する実験計画の適合性に関すること。
(3)　実験に係る教育訓練及び健康管理に関すること。
(4)　遺伝子組換え生物等の譲渡等に係る情報の提供に関すること。
(5)　事故及び災害発生の際の必要な措置及び改善策に関すること。
(6)　その他遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関すること。
4　第2項第2号の委員は，学長が委嘱する。
5　第2項第2号の委員の任期は2年とし，再任されることができる。ただし，補欠の委員の任期は，前任者の残任期間とする。
6　委員会に委員長を置き，第2項第1号の委員をもって充てる。
7　委員長は，委員会を招集し，議長となる。
8　委員長に事故があるときは，委員長の指名した委員がその職務を代理する。
9　委員会は，委員の3分の2以上の出席がなければ，会議を開くことができない。
10　委員会の議事は，出席した委員の過半数をもって決定し，可否同数のときは，議長の決するところによる。
11　委員長が必要と認めたときは，委員以外の者を委員会に出席させ，意見を聴くことができる。
12　委員会の庶務は，教育研究支援部連携推進課が行う。
13　この規則に定めるもののほか，委員会の運営に関し必要な事項は，委員会が別に定める。
第3章　第二種使用等において講ずる措置
(実験施設並びに実験設備の管理及び保全)
第9条　部局の長は，実験の安全確保のため，法令等に定める拡散防止措置に従って，実験施設及び実験設備を設置し，その管理及び保全に努めなければならない。
2　実験責任者は，実験施設及び実験設備について定期又は必要に応じて随時に点検を行い，法令等に定める基準に適合するように維持しなければならない。
(実験区域及び実験施設への立入り)
第10条　実験責任者は，実験区域及び実験施設への関係者の立入りについて，法令等に定める拡散防止措置の区分に応じて，制限又は禁止の措置を講じなければならない。
(実験施設等への表示)
第11条　実験責任者は，実験区域，実験室の入口及び実験の過程において遺伝子組換え生物等を保管する設備に，法令等の定める拡散防止措置の区分に応じて，必要な表示をしなければならない。
(遺伝子組換え生物等の取扱い)
第12条　実験責任者は，実験の開始前及び当該実験中において，常に，実験に用いられる遺伝子組換え生物等が，文部科学大臣の確認又は学長の承認を受けた拡散防止措置の条件を満たすものであることを十分に認識するとともに，実験従事者に対しても，十分に認識させなければならない。
(遺伝子組換え生物等の保管)
第13条　実験責任者は，遺伝子組換え生物等の保管について，次に掲げる拡散防止措置を講じなければならない。
(1)　遺伝子組換え生物等が漏出，逃亡その他拡散しない構造の容器に入れ，かつ，当該容器の見やすい箇所に，遺伝子組換え生物等である旨を表示すること。
(2)　前号の遺伝子組換え生物等を入れた容器は，所定の場所に保管するものとし，保管場所が冷蔵庫その他の保管のための設備である場合には，当該施設の見やすい箇所に，遺伝子組換え生物等を保管している旨を表示すること。
(遺伝子組換え生物等の運搬)
第14条　実験責任者は，遺伝子組換え生物等の運搬について，次に掲げる拡散防止措置を講じなければならない。
(1)　遺伝子組換え生物等が漏出，逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。
(2)　当該遺伝子組換え生物等の実験又は細胞融合実験に当たって講ずるべき拡散防止措置が，P1レベル，P2レベル，LSCレベル，LS1レベル，P1Aレベル，P2Aレベル，特定飼育区画，P1Pレベル，P2Pレベル及び特定網室以外のものである場合にあっては，前号に規定する措置に加え，前号に規定する容器を，通常の運搬において事故等により当該容器が破損したとしても当該容器内の遺伝子組換え生物等が漏出，逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。
(3)　最も外側の容器(容器を包装する場合にあっては，当該包装)の見やすい箇所に，取扱いに注意を要する旨を表示すること。
第4章　教育訓練及び健康管理
(教育訓練)
第15条　実験責任者は，実験の開始前に実験従事者に対し，法令等及びこの規則を熟知させるとともに，次に掲げる教育訓練の措置を講じなければならない。
(1)　遺伝子組換え生物等の安全取扱技術に関すること。
(2)　拡散防止措置に係る知識及び技術に関すること。
(3)　実施しようとする実験の危険度に係る知識に関すること。
(4)　事故発生の場合の措置(大量培養実験においては，遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置に対する配慮を含む。)に係る知識に関すること。
(5)　その他実験に係る必要な知識及び技術に関すること。
2　実験責任者は，前項の教育訓練の計画及び実施に関して，安全主任者の協力を求めることができる。
(健康管理)
第16条　部局の長は，実験従事者に対して，次に掲げる健康管理のための措置を講じ，その結果を保健管理センター長へ報告しなければならない。
(1)　実験の開始前及び開始後1年を超えない期間(次号に規定する実験については，6月を超えない期間)ごとに健康診断を実施し，その結果を記録し保存すること。
(2)　実験において，病原微生物を取り扱う場合は，実験の開始前に予防治療の方策について，あらかじめ検討するとともに，必要に応じ，抗生物質，ワクチン，血清等の準備を行うこと。
(3)　拡散防止措置区分P3レベルの実験区域で実験が行われる場合には，実験の開始前に実験従事者の血清を採取し，実験の終了後2年間はこれを保存すること。
2　部局の長は，実験従事者が次の各号のいずれかに該当し被害を受けたときは，直ちに学長に報告し，その指示を受けるとともに，調査し必要な措置を講じなければならない。
(1)　遺伝子組換え生物等を誤って飲み込み，又は吸い込んだとき。
(2)　遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染されたとき。
(3)　遺伝子組換え生物等により実施施設が汚染された場合に，その場に居合わせたとき。
(4)　健康に変調を来した場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかったとき。
第5章　緊急事態発生時における措置
(緊急事態発生時の措置)
第17条　実験責任者及び実験従事者は，次に掲げる事態が発生したときは，直ちにその旨を当該部局の長及び安全主任者に報告するとともに，実験区域及び実験施設の立入禁止その他の措置を講じなければならない。
(1)　第一種使用等において，事故の発生により第一種使用規程に従うことができない場合において，生物多様性影響が生じるおそれがあるとき。
(2)　第二種使用等において，施設等において破損その他の事故が発生し，法令等で定める拡散防止措置又は大臣確認を受けた拡散防止措置を講ずることができないとき。
(3)　地震，火災等の災害により，遺伝子組換え生物等によって実験施設が著しく汚染され，又は遺伝子組換え生物等が実験施設から漏出し，若しくは漏出するおそれのあるとき。
(4)　遺伝子組換え生物等によって人体が汚染され，又は汚染されたおそれのあるとき。
2　前項の報告を受けた部局の長及び安全主任者は，直ちに必要な措置を講ずるとともに，部局の長は，学長に報告しなければならない。
3　学長は，第1項第1号又は第2号の報告があったときは，速やかに文部科学大臣に報告しなければならない。
第6章　譲渡等に係る情報の提供
(譲渡等に係る情報の提供)
第18条　遺伝子組換え生物等を譲渡，提供又は委託(以下「譲渡等」という。)して使用等をさせようとする実験責任者(この条において「譲渡者」という。)は，譲渡等を受けてその使用等をしようとする実験従事者(この条において「譲受者等」という。)に対し，次の各号のいずれかに該当する場合を除き，提供すべき情報を譲渡等の都度，提供しなければならない。
(1)　第一種使用規程が定められている遺伝子組換え生物等を譲渡等して使用等をさせようとする場合であって，適正使用情報が定められていない場合
(2)　遺伝子組換え生物等を委託して運搬をさせようとする場合
(3)　譲渡者の遺伝子組換え生物等の第二種使用等が，虚偽の情報の提供を受けていたために，第二種使用等に当たって講ずるべき拡散防止措置を講ずることなく行われている場合
(4)　特定遺伝子組換え生物等の譲渡等をする場合
2　前項の規定にかかわらず，同一の情報を提供すべき遺伝子組換え生物等の譲受者等に対し，2回以上に渡って譲渡等をする場合において，当該譲受者等が承知しているときは，その最初の譲渡等に際してのみ情報の提供を行うものとする。
3　適正使用情報その他の事項は，次に掲げる場合の区分に応じ，当該各号に定める事項とする。
(1)　第一種使用等をしている遺伝子組換え生物等を譲渡等して使用等をさせようとする場合次のイからホまでに掲げる事項
イ　遺伝子組換え生物等の種類の名称(名称がないとき又は不明であるときはその旨)
ロ　当該遺伝子組換え生物等の第一種使用等に係る第一種使用規程が承認を受けている旨又は施行規則第5条第1号，第2号若しくは第6号に基づく使用をしている旨
ハ　適正使用情報(適正使用情報が定められている場合に限る。)
ニ　本学の名称並びに実験責任者の住所及び連絡先
ホ　その他必要な事項
(2)　第二種使用等をしている遺伝子組換え生物等を譲渡等して使用等をさせようとする場合　次のイからホまでに掲げる事項
イ　遺伝子組換え生物等の第二種使用等をしている旨
ロ　遺伝子組換え生物等の宿主又は親生物の名称及び法第2条第2項第1号に規定する技術の利用により得られた核酸又はその複製物の名称(名称がないとき又は不明であるときは，その旨)
ハ　施行規則第16条第1号，第2号又は第4号に基づく使用等をしている場合にはその旨
ニ　本学の名称並びに実験責任者の住所及び連絡先
ホ　その他必要な事項
4　情報提供の方法は，次に掲げるいずれかによるものとする。
(1)　文書の交付
(2)　遺伝子組換え生物等又はその包装若しくは容器等への表示
(3)　ファクシミリ装置を利用する送信
(4)　電子メール
第7章　記録の保管
(記録の保管)
第19条　実験責任者は，委員会における助言及び指導，遺伝子組換え生物等の使用等の態様並びに譲渡等に際して提供した，又は提供を受けた情報及び廃棄物(廃液を含む。)の処分方法等を記録し，実験が終了した日の属する年度の翌年度から起算して5年間，保管しなければならない。
2　廃棄物(廃液を含む。)の処分方法の記録の様式は，遺伝子組換え生物等処分記録簿(別記様式)によるものとする。
第8章　実験の申請，審査及び承認，届出及び報告並びに輸入及び輸出
(申請等)
第20条　実験の申請，審査及び承認，届出及び報告並びに輸入及び輸出の取扱いについては，別に定める。
第9章　雑則
(雑則)
第21条　この規則に定めるもののほか，遺伝子組換え生物等の安全な取扱いに関し必要な事項は，委員会の審議を経て，学長が定める。
附　則
この規則は，平成21年4月1日から施行する。
附　則(平成23年8月24日平成23年規則第13号)
この規則は，平成23年8月27日から施行する。
附　則(平成27年3月26日平成26年規則第91号)
この規則は，平成27年4月1日から施行する。
附　則(平成27年6月2日平成27年規則第14号)
この規則は，平成27年6月2日から施行する。
附　則(平成30年3月27日平成29年規則第62号)
この規則は，平成30年4月1日から施行する。
附　則(令和2年4月20日令和2年規則第41号)
この規則は，令和2年10月1日から施行する。
附　則(令和3年3月31日令和2年規則第140号)
この規則は，令和3年4月1日から施行する。
附　則(令和5年3月31日令和4年規則第95号)
この規則は，令和5年4月1日から施行する。
別記様式(第19条関係)
遺伝子組換え生物等処分記録簿