○奈良教育大学ストレスチェック制度実施規則
(平成28年2月26日規則第10号)
改正
令和2年6月24日規則第18号
令和4年4月1日教育大規則第2号
第1章 総則
(規則の目的・変更手続・周知)
第1条 この規則は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)第66条の10及び奈良国立大学機構安全衛生管理規程(令和4年度機構規程第68号。以下「安全衛生管理規程」という。)第45条の規定に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査等(以下「ストレスチェック制度」という。)を奈良教育大学(以下「本学」という。)において実施するに当たり、その実施方法等を定めるものである。
2 ストレスチェック制度の実施方法等については、この規則に定めるほか、安衛法その他の法令の定めによる。
3 この規則の改正にあたっては、安全衛生管理規程第18条に定める安全衛生委員会(以下「安全衛生委員会」という。)における調査審議を経るものとする。
4 この規則の周知にあたっては、規則を配布又は本学ホームページに掲載することにより、適用対象となる全ての職員に周知する。
(適用範囲)
第2条 この規則は、次に掲げる本学に勤務する職員(以下「職員」という。)に適用する。
(1) 常時勤務する職員
(2) 1週あたりの勤務時間が30時間以上の職員
(制度の趣旨等の周知)
第3条 ストレスチェック制度の趣旨等は、次の各号に定める事項を本学ホームページに掲載するほか、この規則を配布又は本学ホームページに掲載することにより、職員に周知する。
(1) ストレスチェック制度は、職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。
(2) 職員がストレスチェックを受ける義務まではないが、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、全ての職員が受けることが望ましいこと。
(3) ストレスチェック制度では、ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく奈良国立大学機構(以下「機構」という。)が結果を入手するようなことはないこと。したがって、ストレスチェックを受けるときは、正直に回答することが重要であること。
(4) 本人が面接指導を申し出た場合、又はストレスチェックの結果を機構へ提供することに同意した場合において、機構が入手したストレスチェックの結果は、本人の健康管理の目的のために使用し、それ以外の目的に利用することはないこと。
第2章 ストレスチェック制度の実施体制
(ストレスチェック制度担当者)
第4条 ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等の実務を担当するストレスチェック制度担当者(以下「制度担当者」という。)は、安全衛生管理規程第9条に定める衛生管理者とする。
2 制度担当者の氏名は、別途、本学ホームページに掲載する等の方法により、職員に周知する。また、人事異動等により制度担当者に変更があった場合には、その都度、同様の方法により職員に周知する。第5条に規定するストレスチェックの実施者、第6条に規定するストレスチェックの実施事務従事者及び第7条に規定する面接指導の実施者についても、同様の扱いとする。
(ストレスチェックの実施者)
第5条 ストレスチェックの実施者(以下「実施者」という。)は、安全衛生管理規程第11条に定める産業医とする。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第6条 実施者の指示のもと、ストレスチェックの実施事務従事者(以下「実施事務従事者」という。)として、総務課職員及び保健センター看護師に、ストレスチェックの実施日程の調整・連絡、調査票の配布、回収、データ入力等の各種事務処理を担当させる。
2 総務課職員又は保健センター看護師であっても、職員の人事又は評価に関して権限を有する者は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。
(面接指導の実施者)
第7条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、本学の産業医が実施する。
第3章 ストレスチェック制度の実施方法
第1節 ストレスチェック
(ストレスチェックの実施時期)
第8条 ストレスチェックは、毎年6月から8月の間に一定の期間を定め実施する。
(ストレスチェックの対象者)
第9条 ストレスチェックは、第2条に定める職員を対象に実施する。
2 ストレスチェックの実施期間中に、出張等の業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった職員に対しては、別途期間を設定して、ストレスチェックを実施するものとする。
3 ストレスチェック実施期間に休職等で勤務していない期間が1ヶ月以上の職員は、ストレスチェックの対象外とする。
(受検の方法等)
第10条 職員は、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、本学が設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは、職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから、ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況をありのままに回答するよう努めなければならない。
3 制度担当者は、なるべく全ての職員がストレスチェックを受けるよう、実施期間の開始日後に職員の受検の状況を把握し、受けていない者に対して、実施事務従事者又は各職場の管理者を通じて受検の勧奨を行うものとする。
(調査票及び方法)
第11条 ストレスチェックは、職業性ストレス簡易調査票(平成27年5月1日付け基発0501第7号厚生労働省労働基準局長通知)を用いて行う。
2 ストレスチェックは、奈良国立大学機構情報セキュリティポリシー(令和4年度機構規程第23号)及び個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)を遵守し、原則としてICTを用いて行う。ただし、ICTが利用できない場合は、紙媒体で行う。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「実施マニュアル」という。)に示されている素点換算表を用いて換算し、その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。
2 高ストレス者の選定は、実施マニュアルに示されている「評価基準の例(その1)」に準拠し、次の各号のいずれかを満たす者を高ストレス者とする。
(1) 「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が77点以上である者
(2) 「仕事のストレス要因」(17項目)及び「周囲のサポート」(9項目)を合算した合計点数が76点以上であって、かつ「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が63点以上の者
(ストレスチェック結果の通知方法)
第13条 ストレスチェックの結果は、ストレスチェックの受検後、実施者より速やかに通知する。結果通知にあたっては、その内容が第三者に知られることがないよう配慮しなければならない。
2 前項に定める結果の通知は、実施者の指示により、実施事務従事者が行うことができる。
(セルフケア)
第14条 職員は、ストレスチェックの結果及びその結果に記載された実施者による助言・指導に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。
(機構への結果提供に関する同意の取得方法)
第15条 ストレスチェックの結果を職員に通知する際に、その結果を機構に提供することについて同意するかどうかの意思確認を行う。機構への結果提供に同意する場合は、所定の同意書を実施者へ提出しなければならない。
2 前項に定める同意書を機構へ提出した職員に通知されたストレスチェックの結果は、実施者の指示により、実施事務従事者が、その写しを総務課長へ提供する。
(ストレスチェックの外部委託)
第16条 安全衛生委員会が必要と認めた場合、ストレスチェックの実施事務の一部を外部事業者へ委託することができる。
2 ストレスチェックの実施事務の一部を外部事業者へ委託する場合、次の各号に定める事項を当該委託契約の中で明示させるものとする。
(1) 外部事業者は、委託された業務に従事する者(以下「外部事務従事者」という。)に対して、制度の仕組み及び個人情報保護の重要性を理解させ、安衛法第104条に基づく守秘義務を遵守させること。
(2) 委託された業務の管理責任者が示され、当該業務を管理するための体制が整備されていること。
(3) ストレスチェックの実施に当たり、職員からの問い合わせに対応できる体制が整備されていること。
(4) 委託された業務を適切に実施できる外部事務従事者が確保されていること。
(5) 調査票の記入・入力・提出にあたって、実施者、その他の実施事務従事者及び職員本人以外の第三者に知られることがないよう取り扱うこと。
(6) 実施者が受検者全員のストレスチェック結果を確認し、面接指導の要否を判断できること。
(7) 職員の受検状況を把握し、機構の求めに応じて、受検状況に関する情報を提供できること。
(8) ストレスチェックの結果が、第12条に定める方法で示され、第三者に知られることのないよう、直接、職員本人に通知されること。
(9) ストレスチェックの結果を通知する際、結果を機構へ提供することについて、職員の同意の意思確認ができること。
(10) ストレスチェックの結果、緊急に対応が必要な職員がいる場合、産業医との連絡調整を含め、適切に対応できる体制が整備されていること。
(11) 本学が定める10名以上の集団ごとの集計及び分析を行い、それらの結果を示すことができること。
(12) ストレスチェックの結果の記録を5年間保存するために必要な施設及び設備等が整備されており、保存の具体的な方法が明示されていること。
3 第1項の規定により、外部委託した場合は第4条第2項に準じて、当該外部事業者名を職員に周知する。
(ストレスチェックを受けるのに要する時間の取扱い)
第17条 ストレスチェックを受けるのに要する時間は、奈良国立大学機構職員就業規則(令和4年度機構規則第1号。以下「職員就業規則」という。)第28条第六号に定める、学長が承認した期間として取り扱う。なお、非常勤職員においても同様に取り扱うものとする。
2 職員は、労働時間中にストレスチェックを受けるものとし、管理者は、職員が労働時間中にストレスチェックを受けることができるよう配慮しなければならない。
第2節 医師による面接指導
(面接指導の申出の方法)
第18条 ストレスチェックの結果、医師の面接指導を受ける必要があると判定された職員が、医師の面接指導を希望する場合は、結果通知が行われた日から起算して30日以内に、所定の面接指導申出書を実施者若しくは実施事務従事者へ提出するものとする。
2 医師の面接指導を受ける必要があると判定された職員から、結果通知が行われた日の翌日から起算して20日以内に面接指導申出書の提出がなされない場合は、実施者の指示により、実施事務従事者が申出の勧奨を行うものとする。また、結果通知が行われた日の翌日から起算して30日を経過する日に、実施者の指示により、実施事務従事者が申出に関する最終的な意思確認を行うものとする。なお、実施事務従事者は該当する職員に申出の勧奨又は最終的な意思確認を行う場合には、その者が面接指導の対象者であることが第三者に知られることがないよう配慮しなければならない。
(面接指導の実施方法)
第19条 面接指導の実施日時及び場所は、面接指導を実施する産業医の指示により、実施事務従事者が、該当する職員及び管理者に通知するものとする。面接指導の実施日時は、面接指導申出書が提出された日から起算して30日以内に設定するものとする。なお、実施事務従事者が職員に実施日時及び場所を通知する場合には、その者が面接指導の対象者であることが第三者に知られることがないよう配慮しなければならない。
2 通知を受けた職員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、管理者は、職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
3 面接指導を行う場所は、産業医が指定する。
(面接指導結果に基づく産業医の意見聴取方法)
第20条 機構は、産業医に対して、面接指導が終了した日の翌日から起算して30日以内に、所定の面接指導結果報告書兼意見書により、結果の報告及び意見の提出を求めるものとする。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第21条 面接指導の結果、就業上の措置が必要との意見書が産業医から提出され、人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は、人事労務担当課長が産業医同席の上で、該当する職員に対して、就業上の措置の内容及びその理由等について説明を行うものとする。
2 職員は、正当な理由がない限り、機構が指示する就業上の措置に従わなければならない。
(面接指導を受けるのに要する時間の取扱い)
第22条 面接指導を受けるのに要する時間は、職員就業規則第28条第六号に定める、承認された期間として取り扱う。なお、非常勤職員においても同様に取り扱うものとする。
第3節 集団ごとの集計・分析
(集計・分析の対象集団)
第23条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は、原則として、各課、教育学部、教育学研究科、附属学校園、各センター等(以下「所属等」という。)の単位で行う。ただし、10人未満の所属等については、業務等を勘案のうえ、複数の所属等を合算して集計・分析を行う。
(集計・分析の方法)
第24条 集団ごとの集計・分析は、実施マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。
(集計・分析結果の利用方法)
第25条 所属等ごとに集計・分析したストレスチェック結果(個人のストレスチェック結果が特定されないもの)は、実施者の指示により、実施事務従事者が人事労務担当部門へ提供する。
2 理事長は、所属等ごとに集計・分析された結果に基づき、必要に応じて、職場環境の改善のための措置を実施するものとする。職員は、機構が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。
第4章 記録の保存
(ストレスチェック結果の記録の保存担当者)
第26条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、第5条で実施者として定める産業医及び第6条で実施事務従事者として定める保健センター看護師とする。
(ストレスチェック結果の記録の保存期間等)
第27条 ストレスチェック結果の記録は、5年間保存しなければならない。
(ストレスチェック結果の記録の保存)
第28条 保存担当者は、個人情報保護法に準じて、保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、責任をもって管理をしなければならない。
(機構に提供されたストレスチェック結果・面接指導結果の保存方法)
第29条 人事労務担当部門は、職員の同意を得て機構に提供されたストレスチェック結果の写し、実施者から提供された集団ごとの集計・分析結果、及び面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を、5年間保存しなければならない。
2 人事労務担当部門は、個人情報保護法に準じて、保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、責任をもって管理をしなければならない。
第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理
(ストレスチェック結果の共有範囲)
第30条 職員の同意を得て機構に提供されたストレスチェックの結果の写しは、人事労務担当部門が保有し、他の部署の職員には提供しない。
(面接指導結果の共有範囲)
第31条 面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は、人事労務担当部門が保有し、そのうち就業上の措置の内容など、職務遂行上必要な情報に限定して、該当する職員の管理者及び上司に提供する。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第32条 実施者から提供された集計・分析結果は、人事労務担当部門が保有するとともに、所属等ごとの集計・分析結果については、当該所属等の管理者に提供する。
2 所属等ごとの集計・分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容は、安全衛生委員会に報告する。
(健康情報の取扱いの範囲)
第33条 ストレスチェック制度において取り扱われる職員の健康情報のうち、診断名、検査値、具体的な愁訴の内容等の生データや詳細な医学的情報は、産業医又は看護師が取り扱わなければならず、人事労務担当部門に関連情報を提供する際には、個人が特定できないよう配慮しなければならない。
第6章 情報開示等
(情報の開示等)
第34条 職員は、ストレスチェック制度に関して情報の開示等を求めることができる。
2 前項で定める情報の開示等に関しては、個人情報保護法の定めによる。
(守秘義務)
第35条 職員からの情報開示等に対応する職員は、それらの職務を通じて知り得た職員の秘密(ストレスチェックの結果その他の職員の健康情報)を第三者に漏らしてはならない。
第7章 不利益な取扱いの防止
(不利益な取扱いの防止)
第36条 理事長は、次の各号に定める事項を職員に配布又は本学ホームページに掲載することにより、ストレスチェック制度において、機構が次の行為を行わないことを職員に周知する。
(1) ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った職員に対して、申出を行ったことを理由として、その者に不利益となる取扱いを行うこと。
(2) 職員の同意を得て機構に提供されたストレスチェック結果に基づき、ストレスチェック結果の内容を理由として、その者に不利益となる取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックを受けない職員に対して、受けないことを理由として、その者に不利益となる取扱いを行うこと。
(4) ストレスチェック結果を機構に提供することに同意しない職員に対して、同意しないことを理由として、その者に不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない職員に対して、申出を行わないことを理由として、その者に不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 就業上の措置を行うに当たって、医師による面接指導を実施する、面接指導を実施した産業医から意見を聴取するなど、安衛法及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定められた手順を踏まずに、当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(7) 面接指導の結果に基づく就業上の措置を行うに当たって、面接指導を実施した産業医の意見とはその内容・程度が著しく異なる等、医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないもの又は労働者の実情が考慮されていないものなど、安衛法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(8) 面接指導の結果に基づく就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。
イ 解雇すること。
ロ 期間を定めて雇用される職員について契約の更新をしないこと。
ハ 退職勧奨を行うこと。
ニ 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じること。
ホ その他労働契約法(平成19年法律第128号)等の労働関係法令に違反する措置を講じること。
附 則
この規則は、平成28年2月26日から施行する。
附 則(令和2年6月24日規則第18号)
この規則は、令和2年6月24日から施行する。
附 則(令和4年4月1日教育大規則第2号)
この規則は、令和4年4月1日から施行する。