○奈良女子大学組換えDNA実験安全管理規程
(平成6年11月30日規程第38号)
改正
平成11年4月21日
平成13年5月9日
平成14年9月18日
平成17年2月16日規程第214号
平成24年9月19日規程第57号
平成30年2月21日規程第72号
(目的)
第1条 この規程は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「法」という。)に基づき奈良女子大学(以下「本学」という。)における組換えDNA実験(遺伝子組換え生物等の使用等をいう。以下「実験」という。)の計画及び実施に関し必要な事項を定め,実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。
2 実験の計画及び実施については,法令等に定めのあるもののほか,この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程における各用語の定義は,法令等によるほか,次の各号に定めるところによる。
(1) 「法令等」とは,法,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(平成15年財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・環境省令第1号),研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号。以下「二種省令」という。)及び研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令の規定に基づき認定宿主ベクター系等を定める件(平成16年文部科学省告示第7号)をいう。
(2) 「大臣確認実験」とは遺伝子組換え生物等の第一種使用等に該当する実験及び第二種使用等のうち執るべき拡散防止措置が二種省令に定められていない使用等で,執るべき拡散防止措置について文部科学大臣の確認を必要とする実験をいう。
(3) 「機関実験」とは遺伝子組換え生物等の第二種使用等に該当する実験で,二種省令に執るべき拡散防止措置が定められている実験をいう。
(学長の責務)
第3条 学長は,本学における実験の安全確保に関する業務を総括する。
(安全委員会)
第4条 本学に,奈良女子大学組換えDNA実験安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置く。
2 安全委員会に関する規則は,別に定める。
(安全主任者)
第5条 本学に,実験の安全確保に関し学長を補佐するため,安全主任者を置く。
2 安全主任者は,法令等及びこの規程を熟知するとともに,生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術に高度に習熟した者のうちから,学長が命ずる。
3 安全主任者の任期は2年とし,再任を妨げない。
(安全主任者の任務)
第6条 安全主任者は,次の各号に掲げる任務を行う。
(1) 実験が法令等及びこの規程に従って適正に遂行されていることを確認すること。
(2) 実験責任者に対し,指導助言を行うこと。
(3) その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。
2 安全主任者は,その任務を果たすに当たり,必要な事項について安全委員会に報告するものとする。
(安全主任者の代理)
第7条 学長は,安全主任者に事故あるときは,その職務を代行させるため,安全主任者の代理を選任しなければならない。
(実験責任者)
第8条 実験を実施しようとする場合は,実験計画ごとに実験従事者のうちから実験責任者を定めなければならない。
2 実験責任者は,法令等及びこの規程を熟知するとともに,生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術に習熟した者とする。
(実験責任者の任務)
第9条 実験責任者は,次の各号に掲げる任務を行う。
(1) 実験計画の立案及びその実施に際して,法令等及びこの規程を十分に遵守し,安全主任者との緊密な連絡の下に,実験全体の適切な管理及び監督に当たること。
(2) 実験従事者に対し,第21条に定める教育訓練を行うこと。
(3) 大臣確認実験及び機関実験について事前に実験計画を安全主任者通じて学長に提出すること。実験計画を変更しようとする場合も同様とする。
(4) 実験の安全確保の考え方に影響を及ぼす知見が得られた場合又は実験中若しくは輸送中の事故等があった場合は,直ちにその旨を学長,安全委員会及び安全主任者に報告すること。
(5) その他実験の安全確保に関して必要な事項を行うこと。
(実験従事者)
第10条 実験従事者は,実験を計画し,及び実施するに当たっては,安全確保について十分自覚し,必要な配慮をするとともに,あらかじめ,微生物に係る標準的な実験方法並びに実験に特有な操作方法及び関連する実験方法に精通し,習熟するものとする。
(実験の申請及び承認)
第11条 実験責任者は,大臣確認実験若しくは機関実験を実施しようとする場合,又はその他の承認手続が必要な場合については,法令等に定めるところにより申請書類を学系長,保健管理センター所長又は大和・紀伊半島学研究所長(以下「学系長等」という。)を経て学長に提出し,その承認を受けなければならない。また,その実験を変更しようとする場合も同様とする。
2 実験の申請の時期は,随時とする。ただし,当該実験が科学研究費補助金に係る場合は,大臣確認実験にあっては,本学の科学研究費補助金の公募期限までとし,それ以外の場合は,本学の科学研究費補助金の交付申請期限までとする。
3 実験の申請,及び結果報告等の様式については,別に定める。
第12条 学長は,前条第1項の申請があった場合は,安全委員会の審査を経て,承認を与えるか否かの決定を行うものとする。ただし,大臣確認実験については,学長は,安全委員会の審査を経て,あらかじめ文部科学大臣に確認申請を行うものとする。
(審査基準)
第13条 前条の安全委員会の審査は,法令等に基づき行うものとする。
(承認等の通知)
第14条 学長は,第12条の規定による決定を行ったときは,学系長等を経て実験責任者に通知するものとする。
(実験の終了又は中止の報告)
第15条 実験責任者は,実験を終了し,又は中止したときは,法令等の定めるところにより実験結果報告書を速やかに学系長等を経て学長に提出しなければならない。
(実験施設・設備の管理保全)
第16条 実験責任者は,実験を行うに当たっては,法令等の定めるところにより,当該実験の拡散防止措置のレベルに応じた実験施設・設備を完備するとともに,当該実験施設・設備が生物災害の防止にとって常に良好な状態にあるように管理保全しなければならない。
(実験施設の標識等)
第17条 実験室又は実験区域(以下「実験施設」という。)には,実験責任者が法令等に定める標識を付すとともに,実験に伴う災害の防止に関し,必要な注意事項を掲示しておくものとする。
(実験施設への立入り制限)
第18条 安全主任者及び実験責任者が特に必要と認めた者以外の者の実験施設への立入りは,法令等に定めるところにより制限又は禁止の措置を講じなければならない。
2 前項の規定により,実験施設への立入りを許可された者は,立入りに当たって,安全主任者及び実験責任者の指示に従わなければならない。
(実験試料・廃棄物の取扱い)
第19条 実験責任者は,実験従事者に対し,実験開始前及び実験中において,実験に用いられる核酸供与体,宿主,ベクタ-が法令等に定められた基準を満たすものであることを確認させるとともに,実験試料及び廃棄物の取扱いについては,法令等に定められた注意事項を厳守させ,安全確保に必要な措置を講じなければならない。
(遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の保管及び運搬)
第20条 実験従事者は,遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の保管及び運搬に当たっては,法令等に定める注意事項を厳守し,安全確保に必要な措置を講じなければならない。
(教育訓練)
第21条 実験責任者及び学長は,実験開始前に実験従事者に対し,法令等及びこの規程を熟知させるとともに,次に掲げる事項に関する教育訓練を行うものとする。
(1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術
(2) 拡散防止措置に関する知識及び技術
(3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術
(4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識
(5) 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養実験において遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合の化学的処理による殺菌等の措置に対する配慮を含む。)
(健康管理)
第22条 学長は,実験従事者に対し,安全委員会の助言を得て,次の各号に掲げる健康を確保するために必要な措置を講じるものとする。
(1) 実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに健康診断を行うこと。ただし,一般健康診断をもって代えることができる。
(2) 実験従事者が,人に対する病原微生物を取り扱う場合には,実験開始前に感染の予防治療の方策についてあらかじめ検討し,必要に応じ抗生物質,ワクチン,血清等の準備を行うこと。この場合においては,実験開始後6月を超えない期間ごとに1回特別定期健康診断を行うものとする。
(3) P3レベル以上の実験区域で実験が行われる場合には,実験開始前に実験従事者の血清を採取し,実験完了後2年間はこれを保存すること。
(4) 実験室内又は大量培養実験区域内における感染の恐れがある場合には,直ちに健康診断を行い,適切な措置を講ずること。
(5) 健康診断を行ったときは,その結果を記録し,保存するとともに,本人に通知するものとする。
(緊急事態発生時の措置)
第23条 地震,火災その他の災害により,遺伝子組換え生物等による汚染が発生し,又は発生するおそれのある事態を発見した者は,直ちに当該実験責任者又は安全主任者に通報しなければならない。
2 前項の通報を受けた実験責任者又は安全主任者は,相互に連絡し,応急の措置を講ずるとともに,安全主任者は,速やかに学長に報告しなければならない。
(事故の報告)
第24条 実験責任者は,実験従事者が次の各号に該当するとき又は第2項に規定する報告を受けたときは,学系長等を経て学長に報告するものとする。
(1) 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込み,又は吸い込んだとき。
(2) 遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染されたとき。
(3) 遺伝子組換え生物等により実験室及び実験区域が著しく汚染された場合に,その場に居合わせたとき。
2 実験従事者は,絶えず自己の健康について注意することとし,健康に変調を来たした場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかった場合は,その旨を学長に報告するものとする。上記の事実を知った当該実験従事者以外の者についても同様とする。
3 学長は,前2項の報告を受けたときは,直ちに事実の調査をするとともに,必要な措置を講ずるものとする。
(実験の記録)
第25条 実験責任者は,実験の実施に当たっては,必要な事項を記録するとともに実験終了後5年間保存しなければならない。
2 前項の記録の様式については,別に定める。
(雑則)
第26条 この規程に定めるもののほか,実験の取扱いに関する事項は,別に定める。
附 則
この規程は,平成6年11月30日から施行する。
附 則(平成11年4月21日)
この規程は,平成11年4月21日から施行し,平成11年4月1日から適用する。
附 則(平成13年5月9日)
この規程は,平成13年5月9日から施行し,平成13年1月6日から適用する。
附 則(平成14年9月18日)
この規程は,平成14年9月18日から施行し,平成14年3月1日から適用する。
附 則(平成17年2月16日規程第214号)
この規程は,平成17年2月17日から施行し,平成16年2月19日から適用する。
附 則(平成24年9月19日規程第57号)
この規程は,平成24年9月19日から施行し,平成24年4月1日から適用する。
附 則(平成30年2月21日規程第72号)
この規程は,平成30年3月1日から施行する。