○奈良女子大学における人を対象とする生命科学・医学系研究の実施に関する規程
(令和2年2月19日規程第76号) |
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(目的)
第1条 この規程は,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「指針」という。)に基づき,奈良女子大学(以下「本学」という。)において実施する人を対象とする生命科学・医学系研究(以下「生命・医学系研究」という。)に関し必要な事項を定め,その適正な実施を図ることを目的とする。
2 本学において実施する生命・医学系研究に関しては,奈良国立大学機構における人を対象とする生命科学・医学系研究に関する規程に定めるもののほか,この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程における用語の定義は,指針において定めるところによる。
(適用範囲)
第3条 この規程の適用範囲は,指針において定めるところによる。
(学長の責務)
第4条 学長は,指針及びこの規程の定めに基づき,本学において行う生命・医学系研究の実施について統括し,最終的な責任を負うものとする。
(研究者等の責務)
第5条 研究者等(生命・医学系研究の実施に携わる全ての研究者をいう。以下同じ。)は,生命・医学系研究を実施するときは,指針,この規程及び奈良女子大学における人を対象とする研究に関する倫理規程に定める事項を遵守しなければならない。
2 研究者等は,生命・医学系研究の実施に先立ち,生命・医学系研究に関する倫理並びに当該研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受けなければならない。また,研究期間中も適宜継続して,教育・研修を受けなければならない。
3 研究者等は,地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に,当該地域住民等の固有の特質を明らかにする可能性がある研究を実施する場合には,研究対象者等及び当該地域住民等を対象に,研究の内容及び意義について説明し,研究に対する理解を得るよう努めなければならない。
(生命・医学系研究の許可)
第6条 研究責任者(生命・医学系研究に携わるとともに,当該生命・医学系研究に係る業務を統括する者をいう。以下同じ)は,生命・医学系研究の実施に先立ち,当該生命・医学系研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう研究計画書を作成し,申請を行い,学長の許可を得なければならない。
2 学長は,前項の申請があったときは,奈良女子大学における人を対象とする研究に関する倫理規程第10条に定める倫理審査委員会(以下「委員会」という。)に意見を求め,その意見を尊重し,研究計画の許可又は不許可その他生命・医学系研究に関し必要な措置について決定する。ただし,委員会が不承認の意見を提出した生命・医学系研究については,学長は,研究計画を承認することができない。
3 前2項の規定は,既に承認された研究計画を変更しようとする場合にも適用する。
(健康被害に対する補償)
第7条 研究責任者は,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う生命・医学系研究を実施しようとする場合には,当該生命・医学系研究に関連して研究対象者(生命・医学系研究を実施される者又は生命・医学系研究に用いられることとなる既存試料・情報を取得された者をいう。以下同じ)に生じた健康被害に対する補償を行うために,あらかじめ,保険への加入その他の必要な措置を適切に講じなければならない。
(関係者の指導・管理)
第8条 研究責任者は,研究計画書に従って生命・医学系研究が適正に実施され,その結果の信頼性が確保されるよう,当該生命・医学系研究の実施に携わる研究者をはじめとする関係者を指導・管理しなければならない。
(信頼性の確保)
第9条 研究責任者は,生命・医学系研究の実施に係る必要な情報を収集するなど,生命・医学系研究の適正な実施及び研究結果の信頼性の確保に努めなければならない。
(研究計画の変更又は中止)
第10条 研究責任者は,生命・医学系研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報であって研究の継続に影響を与えると考えられるものを得た場合(次項に該当する場合を除く。)には,遅滞なく,学長に対して報告し,必要に応じて生命・医学系研究を停止し,若しくは中止し,又は研究計画書を変更しなければならない。
2 研究責任者は,生命・医学系研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報を得た場合には,速やかに学長に報告し,必要に応じて,生命・医学系研究を停止し,若しくは中止し,又は研究計画書を変更しなければならない。
3 研究責任者は,生命・医学系研究の実施において,当該生命・医学系研究により期待される利益よりも予測されるリスクが高いと判断される場合又は当該生命・医学系研究により十分な成果が得られた若しくは十分な成果が得られないと判断される場合には,当該生命・医学系研究を中止しなければならない。
(生命・医学系研究の進捗状況の報告)
第11条 研究責任者は,研究計画書の定めるところにより,生命・医学系研究の進捗状況を学長に報告しなければならない。
(生命・医学系研究終了の報告等)
第12条 研究責任者は,生命・医学系研究を終了(中止の場合を含む。以下同じ。)したときは,学長に報告しなければならない。
2 学長は,研究責任者から生命・医学系研究の終了について報告を受けたときは,委員会に必要な事項について報告しなければならない。
3 学長は,研究責任者が実施している又は過去に実施した生命・医学系研究について,指針に適合していないことが明らかになった場合には,速やかに委員会の意見を聴き,必要な対応を行うとともに,不適合の程度が重大であるときは,その対応の状況・結果を厚生労働大臣及び文部科学大臣に報告し,公表しなければならない。
(生命・医学系研究の概要及び結果の登録)
第13条 研究責任者は,介入を行う生命・医学系研究について,国立大学附属病院長会議,一般財団法人日本医薬情報センター又は公益社団法人日本医師会が設置している公開データベースに,当該研究の概要をその実施に先立って登録し,研究計画書の変更及び生命・医学系研究の進捗に応じて適宜更新しなければならず,また,生命・医学系研究を終了したときは,遅滞なく,当該生命・医学系研究の結果を登録しなければならない。ただし,研究対象者等(研究対象者又はその代諾者等をいう。以下同じ)及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のため非公開とすることが必要な内容として,委員会の意見を受けて学長が許可したものについては,この限りでない。
(生命・医学系研究結果の公表)
第14条 研究責任者は,生命・医学系研究を終了したときは,遅滞なく,研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のために必要な措置を講じた上で,当該生命・医学系研究の結果を公表しなければならない。また,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う生命・医学系研究であって介入を行うものについて,結果の最終の公表を行ったときは,遅滞なく学長へ報告しなければならない。
(インフォームド・コンセント)
第15条 研究者等が生命・医学系研究を実施しようとするとき,又は既存試料・情報の提供を行う者が既存試料・情報を提供しようとするときは,学長の許可を受けた研究計画書に定めるところにより,原則としてあらかじめインフォームド・コンセントを受けなければならない。ただし,法令の規定による既存試料・情報の提供については,この限りでない。
2 前項の同意を得る手続きは,指針に定める事項を遵守するものとする。
(個人情報の管理)
第16条 生命・医学系研究に関する個人情報は,指針及び奈良国立大学機構保有個人情報管理規程に基づき取り扱うものとする。
(保有する個人情報の開示等)
第17条 学長は,生命・医学系研究に関し,研究対象者又はその代理人等から,保有する個人情報の開示,訂正及び利用停止に係る請求があった場合は,指針及び奈良国立大学機構保有個人情報開示等取扱規程に基づき取り扱うものとする。
(重篤な有害事象への対応)
第18条 指針が定める重篤な有害事象等への対応に関し必要な事項は,別に定める。
(利益相反の管理)
第19条 研究責任者は,実施する生命・医学系研究に係る利益相反に関する状況を把握し,研究計画書に記載しなければならない。
2 研究者等は,前項の規定により研究計画書に記載された利益相反に関する状況を,インフォームド・コンセントを受ける手続きにおいて研究対象者等に説明しなければならない。
(試料・情報等の保管)
第20条 本学における生命・医学系研究の人体から取得された試料並びに研究に用いられる情報及び当該情報に係る資料(研究に用いられる試料・情報の提供に関する記録を含む)の保管に関し必要な事項は,別に定める。
(モニタリング及び監査)
第21条 研究責任者は,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う生命・医学系研究であって介入を行うものを実施する場合には指針に定める手続に従って,モニタリング及び必要に応じて監査を実施しなければならない。
(雑則)
第22条 この規程に定めるもののほか,生命・医学系研究の実施に関し必要な事項は,学長が定める。
附 則
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年7月21日規程第8号)
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この規程は,令和3年7月21日から施行し,令和3年7月1日から適用する。
附 則(令和4年4月1日女子大規程第14号)
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この規程は,令和4年4月1日から施行する。