○奈良国立大学機構公的研究費等不正使用に係る調査の手続き等に関する規程
(令和7年2月27日機構規程第28号)
(趣旨)
第1条 この規程は,奈良国立大学機構公的研究費等取扱規程第11条に定める公的研究費等の不正使用に係る調査の手続等に関し必要な事項を定める。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。
一 「公的研究費等」とは,運営費交付金,奨学寄附金,補助金及び委託費等を財源として本機構で扱うすべての経費をいう。
二 「不正使用」とは,故意又は重大な過失による,公的研究費等の他の用途への使用又は本機構の規程,法令並びに競争的研究費等の交付の決定の内容及びこれに付した条件等に違反した使用をいう。
三 「構成員」とは,本機構に所属する研究者,研究支援者,事務職員,技術職員及びその他関連する者(非常勤を含む)をいう。
(守秘義務)
第3条 調査委員会の構成員その他本規程に基づき不正使用の調査に関係した者は,その職務に関し知り得た情報を他に漏らしてはならない。
(調査の実施)
第4条 調査委員会は,調査の実施に際し,調査対象の構成員(以下「対象構成員」という。)に対し関係資料の提出,事実の証明,事情聴取その他調査に必要な事項を求めることができる。
2 調査委員会は,関連する部局長等に対し,調査協力等適切な対応を指示することができる。
3 通報者は,通報に基づく調査への協力を理由として,人事,給与,研究又は教育上のいかなる不利益な取扱いを受けない。
4 通報によりその対応に当たるすべての者は,通報者,対象構成員その他当該調査に協力した者の名誉及びプライバシーが侵害されることのないよう十分配慮しなければならない。
(調査中における公的研究費等の使用停止)
第5条 対象構成員が奈良教育大学に所属する場合は奈良教育大学長,本機構又は奈良女子大学に所属する場合は奈良女子大学長(以下「学長」という。)は,必要に応じて,対象構成員に対し,調査対象制度の公的研究費等の使用停止を命ずることができる。
(調査への協力等)
第6条 対象構成員は調査委員会による事実の究明に協力し,虚偽の申告をしてはならない。
(裁定)
第7条 調査委員会は,調査の結果に基づき,不正使用の有無及び不正の内容,関与した者及びその関与の程度,不正使用の相当額等について裁定を行い,その結果を学長に報告しなければならない。
2 学長は,前項の報告に基づき,対象構成員に対し,調査結果(裁定を含む。以下同じ。)を通知するものとする。
(異議申立て)
第8条 対象構成員は,調査結果の通知日から14日以内に学長に異議申立てを行うことができるものとする。
2 学長は,前項の異議申立てがあったときは,学長の判断により調査委員会に対し,再調査の実施を指示することができるものとする。この場合において,異議申立ての趣旨が調査委員会の構成等その公正性に関するものであるときは,学長の判断により調査委員会の委員を変更することができるものとする。
3 前項の再調査の指示があったときは,調査委員会は速やかに再調査を行い,その結果を学長に報告するものとする。
4 学長は,前項の報告に基づき,異議申立てに対する決定を行い,その結果を対象構成員及び調査委員会に通知するものとする。
5 学長は,第2項により再調査を実施しないことを決定したときは,再調査をしない旨をその理由と併せて異議申立てをした者及び調査委員会に通知するものとする。
6 対象構成員は,前2項の決定に対して,再度異議申立てをすることはできない。
(調査結果の報告)
第9条 調査委員会の委員長は,第7条による調査結果の通知後,対象構成員から異議申立てがなく,その内容が確定したとき,若しくは前条第2項による異議申立てに対し,同条第4項又は第5項の決定が行われたときは,報告書を作成し,関連資料を添えて速やかに学長に提出し,理事長の承認を得なければならない。
(措置)
第10条 学長は,前条による報告に基づき,不正使用があったと認めたときは,その調査結果を通報者,対象構成員及び関連する部局長等に通知するとともに,関係機関に対しては関係者の処分及び再発防止策等を加えて報告しなければならない。なお,告発等の受付から210日以内に最終報告が行えない場合は,関係機関に対して調査の中間報告を行うものとする。また,関係機関からの求めに応じ,調査の進捗状況報告及び中間報告を行うものとする。
2 学長は,前項による報告の結果,当該関係機関から不正使用に係る資金の返還命令を受けたときは,当該額を返還させるものとする。
3 学長は,調査の過程であっても,不正の事実が一部でも確認された場合には,速やかに認定し,関係機関に報告するものとする。
4 学長は,調査に支障がある等,正当な事由がある場合を除き,関係機関から求められた当該事案に係る資料の提出又は閲覧,現地調査に応じるものとする。
5 学長は,前条による報告に基づき,不正使用が認められなかったときは,その旨を通報者,対象構成員及び関連する部局長等に通知するとともに,必要に応じて通報者及び対象構成員への不利益発生を防止するための措置を講ずるものとする。
(調査結果の公表)
第11条 学長は,前条の規定による措置のほか,不正使用があったと認められたときは,合理的な理由のため不開示とする必要があると認めた場合を除き,速やかに調査結果を公表するものとする。この場合において,公表する内容は,氏名を公表することを基本とするとともに,その他の情報についても特に不開示とする必要があると認められる場合を除き,公表するものとする。
2 学長は,調査事案が学外に漏洩していた場合及び社会的影響の大きい重大な事案の場合については,必要に応じて当該調査の途中であっても中間報告として公表することができるものとする。
(関係機関との連絡協議)
第12条 調査委員会は,必要に応じて,外部の機関と情報交換等の連絡協議を行うことができる。
(調査委員会の事務)
第13条 調査委員会に関する事務は,監査室及び不正防止推進室の協力を得て,対象構成員が奈良教育大学に所属する場合は教育研究支援課,本機構又は奈良女子大学に所属する場合は機構財務課で行う。
(補則)
第14条 この規程に定めるもののほか,公的研究費等の不正使用に係る調査等の手続きに関し必要な事項は,別に定める。
附 則
1 この規程は、令和7年2月27日から施行し、令和6年10月1日から適用する。
2 奈良女子大学競争的資金等不正使用に係る調査の手続き等に関する規程(令和4年4月1日女子大規程第83号)は,廃止する。