○北海道国立大学機構減損会計取扱要項
(令和4年4月1日制定)
(目的)
1
この要項は、北海道国立大学機構(以下「機構」という。)における固定資産の減損(以下「減損会計」という。)に関する事項を定め、もって機構の財政状態及び業務運営状況を明らかにすることを目的とする。
(適用範囲)
2
減損会計の適用に当たっては、国立大学法人会計基準(平成16年文部科学省告示第37号)別添の固定資産の減損に係る国立大学法人会計基準(以下「減損会計基準」という。)及びこの要項の定めるところによるものとする。
(対象資産)
3
減損会計の対象となる資産(以下「対象資産」という。)は、「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」並びに「国立大学法人会計基準及び国立大学法人会計基準注解に関する実務指針」に規定する有形固定資産及び無形固定資産のうち、次に掲げる固定資産以外の固定資産とする。
(1)
帳簿価額が備忘価額のもの
(2)
次に掲げるイからハまでの全てに該当する資産
イ
「構築物」、「機械装置」、「船舶」、「車両運搬具」、「工具器具備品」、「その他の有形固定資産」、又は「無形固定資産(償却資産に限る。)」であること。
ロ
取得価額が5,000万円未満であること。
ハ
耐用年数が10年未満であること。
(3)
構築物又は工具器具備品で耐用年数10年以上のもののうち、取得価額が500万円未満のもの
(4)
図書
(5)
美術品・収蔵品(文化財等の指定を受けた歴史的建造物等を除く。)
(6)
特許権仮勘定
(対象資産の一体性の基準)
4
「土地」を除き、複数の固定資産が一体となって使用される場合は、当該固定資産を一体として対象資産と判断することができるものとする。
5
前項の判断については、次に掲げるいずれかの基準によるものとする。
(1)
その使用において、対象資産が他の資産と補完的な関係を有すること。
(2)
通常他の資産と同一目的のために同時又は時間的に近接して使用がなされることが想定されること。
(理事長の業務)
6
理事長は、減損会計基準の適用に当たり、次に掲げる減損に関する業務を行うものとする。
(1)
毎事業年度ごとに固定資産の減損の兆候に関し、対象資産の兆候チェックリスト(別紙様式)により調査を行い、減損の兆候の有無を判定すること。
(2)
前号に基づき、固定資産に減損の兆候があると判定した場合に、減損を認識するかどうかを判定すること。
(3)
固定資産に減損が認識された場合は、固定資産の帳簿価額と回収サービス価額の差額(以下「減損額」という。)を測定し、必要に応じ固定資産台帳を減額すること。
(減損の兆候の判定方法)
7
対象資産について、次の各号の一に該当するときは、減損の兆候があると判断するものとする。
(1)
固定資産が使用されている業務の実績が、中期計画の想定に照らし、著しく低下していること又は低下する見込みがあること。
(2)
固定資産が使用されている範囲又は方法について、当該資産の使用可能性を著しく低下させる変化が生じたこと又は生ずる見込みがあること。
(3)
固定資産が使用されている業務に関連して、業務運営の環境が著しく悪化したこと又は悪化する見込みがあること。
(4)
固定資産の市場価格が著しく下落したこと。
(5)
固定資産の全部又は一部につき、使用しないという決定を行ったこと。
8
前項第2号に規定する当該資産の使用可能性の著しい低下の有無は、対象資産の取得時(当該資産が政府からの現物出資により取得されたものであるときは、現物出資時)に想定した使用可能性を基準として判断する。
9
第7項第4号に規定する「市場価格が著しく下落」とは、原則として対象資産の市場価格が帳簿価額から50%以上下落した場合とする。
[
第7項第4号
]
10
第7項第5号に規定する「使用しないという決定」とは、固定資産を全く使用しないという決定のほか、固定資産の取得時に想定した使用目的の変更(用途変更)の決定を含むものとする。
この場合において、固定資産が政府からの現物出資により取得されたものであるときは、現物出資時に想定した使用目的を基準に判断する。
[
第7項第5号
]
(減損額の測定)
11
減損が認識された固定資産については、帳簿価額と回収可能サービス価額とを比較し帳簿価額が回収可能サービス価額を上回るときは、回収可能サービス価額まで減額するものとする。
12
前項の回収可能サービス価額の算定については、次の各号のいずれか高い額とする。
(1)
正味売却価額
イ
当該資産のうち不動産については、不動産鑑定士等による鑑定評価額をいう。
ロ
不動産以外の資産については、売却等に要する費用を勘案し算定した価額をいう。
(2)
使用価値相当額(減価償却後再調達価額)とは、固定資産の全部又は一部につき使用が想定されていない部分以外の部分が有するサービス提供能力と同じサービス提供能力を有する資産を新たに取得した場合において見込まれる取得価額から、減価償却累計額を控除した価額をいう。
(減損額の会計処理)
13
減損を認識した場合は、遅滞なく減損処理するものとする。
(減損処理後の会計処理)
14
減損処理を行った固定資産について、適用していた耐用年数の見直しを行った場合は、減損後の帳簿価額に基づき減価償却を行うものとする。
(使用者の業務)
15
使用者は、固定資産に減損の兆候があると思われる事実が生じた場合は、その事実を理事長に通知しなければならない。
(財務諸表の作成)
16
減損を認識された固定資産に係る会計処理は、次の表により財務諸表上の科目において、整理記帳するものとする。
区分
中期計画の業務運営を行った場合
中期計画の業務運営を行わなかった場合
長期繰延補助金等計上資産
1) 損益計算書に減損損失を計上する
2) 仕訳
(借方)減損損失
(貸方)減損損失累計額
(借方)長期繰延補助金等
(貸方)補助金収益
資産見返負債がない場合
1) 損益計算書には減損損失の計上を行わない
2) 仕訳
(借方)減損損失相当累計額
(貸方)減損損失累計額
1) 損益計算書に減損損失を計上する
2) 仕訳
(借方)減損損失
(貸方)減損損失累計額
(雑則)
17
この要項に定めるもののほか、減損処理に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この要項は、令和4年4月1日から実施する。
別紙様式(第6条関係)
対象資産の兆候チェックリスト