○東海国立大学機構著作物取扱規程
(令和2年4月1日機構規程第79号)
改正
令和5年2月1日機構規程第41号
(目的)
第1条　この規程は，東海国立大学機構(以下「機構」という。)における著作物の取扱いについて定め，その創作に関与した者としての権利を保障し，著作物創作の奨励及び研究意欲の向上並びに著作物の社会的活用を図るとともに，学術研究の振興及び社会貢献に資することを目的とする。
(用語の定義)
第2条　この規程において，次の各号に掲げる用語の意義は，当該各号に定めるところによる。
一　著作物　著作権法(昭和45年法律第48号)第2条に定める著作物をいう。ただし，次に掲げるものを除く。
イ　職員等が，機構での勤務時間外の活動で創作した著作物
ロ　職員等が，機構と締結した契約の対象外となる活動で創作した著作物
ハ　東海国立大学機構臨床研究等結果利用許諾等規程（令和4年度機構規程第44号）第2条第6号に規定する臨床研究等結果
二　職員等　次に掲げるものをいう。
イ　機構の役員及び職員(機構と雇用関係のある学生を除く。)
ロ　機構で研究等をするにあたり，研究等の成果である著作物について機構の規程等に基づき扱われることを同意している学生(機構と雇用関係のある者を含む。)
ハ　機構と著作物につき契約を交わした研究員(機構と雇用関係のない者に限る。)，招へい教員及び派遣職員並びにそれらと同等の者
三　第三者　機構以外の法人又は個人をいう。
四　著作者　著作物を創作した職員等をいう。
五　機構著作　著作権法第15条に定めるもののうち，職員等が機構からあらかじめ具体的な指示を受けて職務上創作した著作物をいう。
六　業務関連著作　職員等が創作した著作物のうち，機構の費用その他の支援若しくは機構が契約者として締結した契約に基づき，又は機構が管理する施設設備を利用して創作されたもの(機構著作に該当するものを除く。)をいう。
七　機構管理著作　機構が著作権を承継した著作物をいう。
八　譲渡著作　機構管理著作のうち，機構の職員等以外の者が創作した著作物をいう。
九　著作者人格権　著作権法第18条第1項，同法第19条第1項及び同法第20条第1項に規定する権利及び外国におけるこれらの権利に相当する権利をいう。
十　著作権　著作権法第21条から第28条までの著作権及び外国におけるこれらの権利に相当する権利をいう。
十一　利用　次に掲げる行為をいう。
イ　著作物を使用すること。
ロ　著作物を譲渡又は貸与すること。
ハ　著作物について，著作者人格権又は著作権に基づく行為を行うこと。
十二　部局　東海国立大学機構発明等取扱規程（令和2年度機構規程第76号）第2条第11号に規定する部局をいう。
[東海国立大学機構発明等取扱規程（令和2年度機構規程第76号）第2条第11号]
(著作者及び著作権の帰属)
第3条　機構著作の著作者は機構とし，その著作権は，著作権法第15条の規定に基づき機構に帰属するものとする。
2　業務関連著作の著作者は当該著作物を創作した職員等とし，その著作権は，当該職員等に帰属するものとする。ただし，機構がその著作権を承継することを決定した場合，職員等は，当該著作権を機構に譲渡しなければならない。
(著作物の届出)
第4条　職員等は，創作した著作物について次の各号のいずれかに該当する場合は，別に定める様式により，その旨について，速やかに機構に対して届出(以下「著作物の届出」という。)をしなければならない。
一　業務関連著作の可能性のある著作物を第三者に有償で利用させる場合
二　業務関連著作の可能性のある著作物を第三者に無償で利用させる場合であって，その契約を機構が締結することを希望する場合
三　業務関連著作の可能性のある著作物の著作権を第三者に譲渡する場合
四　機構著作の可能性のある著作物若しくは機構管理著作又はそれらの著作権について第三者と有償で契約を締結しようとする場合又はその契約を機構が締結することが必要な場合
五　法令又は契約に基づき，著作物又はその著作権について報告が必要な場合
六　業務関連著作又は機構著作の可能性のある著作物の著作権と機構が取得しようとする知的財産権とが抵触するおそれのある場合
2　職員等は，自己又は第三者が所有する著作権を機構が承継することを希望する場合，別に定める様式により，その旨について，速やかに機構に対して届出(以下「任意譲渡の届出」という。)をしなければならない。
3　第1項の規定にかかわらず，次に掲げる業務関連著作に係る行為は，届出を要しない。
一　学術論文及びその作成のために創作する著作物
二　出版(機構の名義の下に出版するものを除く。)の対象となる著作物
三　講演(講義を含む。)及び講演に用いる著作物
4　第1項の規定にかかわらず，機構が機構著作(機構著作の可能性のある著作物を含む。)を自ら複製し当該複製物を複製に要する実費相当額で第三者に譲渡する場合は，届出を要しない。
5　学術研究・産学官連携統括本部知的財産統括室(以下「知的財産統括室」という。)は，第1項又は第2項において届出を要する場合に該当すると認めた場合は，職員等に第1項又は第2項に規定する届出書を提出するように要請することができる。
6　職員等が著作物を共同で創作した場合，当該著作物の届出は，著作者の代表者が，他の著作者に届出内容の同意を得た上で，これを行うものとする。
7　著作者に第2条第2号ロに該当する者が含まれる場合，著作物の届出は，同号ロに該当する者が著作物について機構の規程等に基づき扱われることを同意していることを示す書面(以下「学生同意書」という。)を添付してこれを行うものとする。
[第2条第2号]
8　機構は，著作物の届出，任意譲渡の届出及び学生同意書に必要事項が記載されていることを確認した上で，当該届出等を受理するものとする。
9　機構は，著作物の届出又は任意譲渡の届出を受理したときは，速やかに届出をした職員等に受理した旨を通知しなければならない。
(著作物の認定及び通知)
第5条　知的財産統括室は，機構が著作物の届出を受理したときは，その著作物が機構著作又は業務関連著作であるか否かを速やかに認定する。
2　知的財産統括室は，前項の規定により業務関連著作であると認定した場合又は任意譲渡の届出を受理した場合，その著作物に係る著作権を機構が承継するか否かを決定する。
3　知的財産統括室は，前2項の認定及び決定を行うにあたり著作者又は届出をした職員等の意見を徴することができる。
4　機構は，第1項及び第2項の規定により認定及び決定をした場合には，次の各号の規定に基づき書面で通知する。
一　著作物の届出に基づき機構著作又は業務関連著作の適否の認定及び承継の可否の決定をした場合は，速やかにその旨を，著作者全員(機構著作である旨を認定した場合は当該届出者)に書面で通知する。
二　任意譲渡の届出に基づき承継の可否の決定をした場合は，速やかにその旨を，当該届出者に書面で通知する。
(異議の申立て)
第6条　前条第4項による認定及び決定の通知を受けた職員等は，その認定又は決定に異議があるときは，通知を受けた日から2週間以内に別に定める様式により学術研究・産学官連携統括本部長に対して異議を申し立てることができる。
2　学術研究・産学官連携統括本部長は，前項の異議の申立てがあったときは，その当否を決定する。この場合において，学術研究・産学官連携統括本部長は，知的財産統括室，異議を申し立てた職員等又はその他適当と認める者の意見を徴することができる。
3　学術研究・産学官連携統括本部長は，前項の決定をしたときは，異議を申し立てた職員等及び知的財産統括室に通知する。
(権利譲渡書の提出)
第7条　著作物の届出のあった著作物(譲渡著作を除く。)に係る著作権について，機構が承継すると決定したときは，当該著作物の著作者は，当該著作権を譲渡すること及び著作権に係る自己の持分について了解したことを示す書面(以下，「権利譲渡書」という。)を当該著作権に係る契約日前までに機構に提出しなければならない。
2　機構は，権利譲渡書に必要事項が記載されていることを確認した上で，当該権利譲渡書を受理するものとする。
(著作権の管理等)
第8条　知的財産統括室は，機構著作及び機構管理著作の著作権の管理並びに研究成果の技術移転を促進することを目的として機構著作及び機構管理著作の運用及び処分を行うものとする。
2　知的財産統括室は，前項の著作物について，著作権法に基づく登録が必要であると認めたときは，登録手続を行う。
3　第三者と機構が機構著作又は機構管理著作の著作権を共有する場合，当該第三者と当該著作権の持分，その他著作物の扱いについて定めた契約書を交わさなければならない。
4　職員等は，機構著作及び機構管理著作の著作権の管理並びに運用及び処分に協力しなければならない。
5　機構管理著作の著作者は，機構及び機構が当該著作物の利用の許諾をした第三者又はその著作権を譲渡した第三者に対し，当該著作物の著作者人格権を行使しないものとする。
(教育・研究活動の保証)
第9条　機構は，機構管理著作の著作者に対し，機構が実施する教育又は研究の目的のために，機構が第三者と締結した契約で認められる範囲内で，当該著作物を利用することを認めるものとする。
2　機構は，前項に規定する職員等が，機構以外の非営利研究機関に転籍した場合は，自らが行う教育又は研究の目的に限り，機構が第三者と締結した契約で認められる範囲内で，当該著作物を利用することを認めるものとする。
(知的財産統括室の責務)
第10条　知的財産統括室は，次の各号に掲げる事項を勘案し，第8条第1項に規定する機構著作及び機構管理著作の運用及び処分を行うものとする。この場合において，知的財産統括室は，著作者又は届出者の所属する部局の長の意見を徴することができる。
[第8条第1項]
一　法令，機構の規程等への適合性
二　第三者との契約条件
三　機構に不利益をもたらすおそれの有無
四　特定の個人が識別されるおそれのある情報の有無
五　第三者における個人情報の保護の状況
(職員等の責務)
第11条　職員等は，第4条第1項に定める届出要件に該当する著作物については，当該届出なしに著作物の利用の許諾をし，又はその著作権を譲渡してはならない。
[第4条第1項]
2　職員等は，機構著作又は機構管理著作を，適切に管理しなければならない。
3　機構又は職員等が機構の費用を用いて第三者に著作物の創作を委託する場合には，機構又は職員等は，その委託契約締結の際，当該著作物の利用に支障を来たさないよう当該著作物の著作者人格権及び著作権に関する必要な処置を行うものとする。
(収入配分)
第12条　機構は，機構著作又は機構管理著作の著作権の運用又は処分により収入を得たときは，東海国立大学機構知的財産等に係る収入配分細則(令和2年度機構細則第60号)に基づき当該収入の配分を行うものとする。
[東海国立大学機構知的財産等に係る収入配分細則(令和2年度機構細則第60号)]
(秘密の保持)
第13条　機構著作又は機構管理著作の内容を知り得た職員等及びそれらの契約の内容を知り得た職員等は，知的財産統括室が必要と定める期間，機構著作又は機構管理著作の内容及びそれらの契約に関する情報を秘密として管理しなければならない。ただし，当該職員等と知的財産統括室が合意の上公表する場合又はこれらの者の責によらずして公知となった場合は，この限りでない。
(退職後の取扱い)
第14条　職員等が機構に在籍する期間中に創作した著作物の取扱いは，当該職員等が機構に在籍しなくなった場合においても，この規程によるものとする。
(雑則)
第15条　この規程に定めるもののほか，機構の著作物に関しては，国立大学法人東海国立大学機構知的財産ポリシー(令和2年4月1日制定)に則り処理するものとする。
2　この規程に定めるもののほか，株式又は新株予約権の取扱いに関し必要な事項は，東海国立大学機構知的財産権等の運用又は処分に伴う株式等の取扱細則(令和2年度機構細則第61号)及び東海国立大学機構株式等管理事務取扱細則(令和2年度機構細則第58号)に定めるものとする。
[東海国立大学機構知的財産権等の運用又は処分に伴う株式等の取扱細則(令和2年度機構細則第61号)] [東海国立大学機構株式等管理事務取扱細則(令和2年度機構細則第58号)]
3　前2項に定めるもののほか，この規程の取扱いに関する必要な事項は，別に定める内規によるものとする。
附　則
1　この規程は，令和2年4月1日から施行する。
2　国立大学法人岐阜大学著作物取扱細則(平成19年度細則第53号。以下「著作物取扱細則」という。)及び名古屋大学著作物取扱規程(平成28年度規程第86号。以下「著作物取扱規程」という。)は廃止する。
3　著作物取扱細則に基づき著作権譲渡証書の提出があった著作物及び著作物取扱規程に基づき届出のあった著作物は，この規程に基づき届出があったものとみなす。
4　岐阜大学及び名古屋大学が共有する著作物については，旧法人の権利持分に著作者の貢献度を乗じた比率により著作者の著作物に対する貢献度を決定する。
5　この規程の施行の日前に創作された著作物及びその著作権については，この規程の定めるところによる。
附　則(令和5年2月1日機構規程第41号)
この規程は，令和5年4月1日から施行する。