○琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究に係る標準業務手順書
(令和3年6月23日制定)
改正
令和3年7月21日
令和3年10月20日
令和3年11月17日
令和4年1月28日
令和4年3月23日
令和4年11月4日手順書第1号
(趣旨)
第1条 この業務手順書は、琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究実施及び倫理審査規則第4条第5項の規定に基づき、琉球大学(以下「本学」という。)における人を対象とする生命科学・医学系研究を適正に実施するために必要な事項を定める。
(倫理審査委員会への付議及び中央一括審査)
第2条 研究責任者は、研究の実施の適否について、あらかじめ、審査依頼書(別紙様式第1号(琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究倫理審査委員会規程(以下「委員会規程」という。)第2条第1号関係))により、琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究倫理審査委員会(以下、本学委員会」という。)の意見を聴かなければならない。ただし、以下各号に掲げる場合は、他機関の倫理審査委員会(以下、他機関委員会」という。)の意見を聴くことができる。
(1) 多機関共同研究における研究分担者等である場合において、他機関委員会において一括した審査(以下、中央一括審査」という。)を依頼する場合
(2) その他、本学委員会委員長が特に認める場合
2 前項第1号の場合において、研究責任者は、原則としてあらかじめ、中央一括審査確認書(別紙様式第1号)を本学委員会に提出する。ただし、やむを得ない事由により中央一括審査確認書をあらかじめ提出することができなかった場合には、速やかに提出するものとする。
3 前項の中央一括審査確認書により、以下各号のいずれかに該当することが確認された場合、研究責任者は中央一括審査を依頼するよりも前に、本学委員会のレビューを受けることとする。
(1) 以下の倫理審査委員会以外へ中央一括審査を依頼する研究
ア 一般社団法人医学系大学倫理委員会連絡会議(LAMSEC)加盟校が設置する倫理審査委員会
イ 認定臨床研究審査委員会を設置する機関が設置する倫理審査委員会のうち、本学委員会が特に認める委員会
ウ 厚生労働省所管の高度専門医療研究センターが設置する倫理審査委員会
エ JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)で採用する倫理審査委員会
オ IRUD(未診断疾患イニシアチブ)で採用する倫理審査委員会
カ JGOG(特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構)が設置する倫理審査委員会
キ その他本学委員会が特に認める倫理審査委員会
(2) 製薬企業等から資金提供を受けて実施される研究
(3) 介入を行う研究
(4) 侵襲(軽微な侵襲を除く。)の伴う研究
4 本学委員会は、本学委員会がレビュアーとして指名する委員による事前レビューを行い、当該研究の中央一括審査の依頼の可否について、中央一括審査事前レビュー結果報告書及び通知書(別紙様式第2号)により、研究責任者へ通知する。
5 第1項から第4項までの規定にかかわらず、公衆衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため緊急に研究を実施する必要があると判断される場合には、当該研究の実施について委員会の意見を聴く前に研究機関の長の許可のみをもって研究を実施することができる。この場合において、研究責任者は、許可後遅滞なく委員会の意見を聴くものとし、委員会が研究の停止若しくは中止又は研究計画書の変更をすべきである旨の意見を述べたときは、当該意見を尊重し、研究を停止し、若しくは中止し、又は研究計画書を変更するなど適切な対応をとらなければならない。
6 研究者等は、法令、指針等を遵守し、当該研究の実施について倫理審査委員会の審査及び学長の許可を受けた研究計画書に従って、適正に研究を実施しなければならない。なお、本学における研究責任者は、教員においては助教以上の者又は客員研究員、医療系職員又は技術職員等においては常勤の職員とする。ただし、客員研究員については、受入教員の指揮監督の下で研究に従事しなければならない。
(重篤な有害事象等報告及び不適合報告)
第3条 研究責任者は、侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、研究対象者の治療及び安全確保等、発現した有害事象について適切な対応を行うとともに、速やかに、当該有害事象や研究の継続等について本学委員会又は他機関委員会に意見を聴いた上で、その旨を学長に報告しなければならない。なお、本学委員会に意見を聴いて実施する研究については、第1報として重篤な有害事象等報告書(別紙様式第2号(委員会規程第2条第1号関係))によって報告し、研究の継続の適否について本学委員会の意見を聴くこととする。すでに発生を知った時点で転帰が判明している場合も同様とする。また、第1報を提出後、転帰が明らかになった場合は速やかに第1報の追加情報として続報を作成し、報告する。
2 研究責任者は、他の研究機関と共同で実施する侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には、速やかに当該研究を実施する共同研究機関の研究責任者に対して、当該有害事象の発生に係る情報を共有しなければならない。また、他機関から重篤な有害事象及び不具合の情報を入手した場合は、速やかに学長に報告しなければならない。
3 研究責任者は、補償のために保険に加入している場合、発生した重篤な有害事象が補償の対象となるかを検討し、研究対象者へ説明を行うとともに、補償の対象となる場合には適切な時期に手続を行う。
4 研究責任者は、研究に係る試料・情報の取得を研究協力機関に依頼した場合であって、研究対象者に重篤な有害事象が発生した場合には、速やかな報告を受けなければならない。
5 研究責任者は、以下各号に掲げる場合には、速やかに学長及び本学委員会に報告しなければならない。なお、本学委員会に意見を聴いて実施する研究については、不適合報告書(別紙様式第3号(委員会規程第2条第1号関係))によって報告し、研究の継続の適否について本学委員会の意見を聴くこととする。
(1) 研究の倫理的妥当性又は科学的合理性を損なう又はそのおそれがある事実を知り、又は情報を得て、研究の継続に影響を与えると考えられる場合
(2) 研究の実施の適正性又は研究結果の信頼を損なう又はそのおそれがある事実を知り、又は情報を得た場合
(3) 研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点又は研究の実施上の観点から重大な懸念が生じた場合
6 学長は、本学が実施している、又は過去に実施した研究について、指針に適合していないことを知った場合(前項に定める報告を含む。)には、速やかに本学委員会の意見を聴き、必要な対応を行うとともに、不適合の程度が重大であるときは、その対応の状況・結果を文部科学大臣及び厚生労働大臣に報告し、公表しなければならない。
(研究実施状況報告)
第4条 研究責任者は、研究計画書に定めるところにより、研究の進捗状況及び研究の実施に伴う有害事象の発生状況を、1年ごとに学長及び本学委員会に報告しなければならない。なお、本学委員会に意見を聴いて実施する研究については、研究実施状況報告書(別紙様式第4号(委員会規程第2条第1号関係))によって報告し、研究の継続の適否について本学委員会の意見を聴くこととする。
(研究終了・中止報告)
第5条 研究責任者は、研究を終了(中止の場合を含む。)したときは、その旨及び研究結果の概要を遅滞なく学長及び本学委員会に報告しなければならない。なお、本学委員会に意見を聴いた研究については、研究終了・中止報告書(別紙様式第5号(委員会規程第2条第1号関係))によって報告し、研究の終了・中止について本学委員会の意見を聴くこととする。
(学長の許可等)
第6条 研究責任者は、本学委員会又は他機関委員会に意見を聴いた後に、その結果及び委員会に提出した書類、その他学長が求める書類を学長に提出し、本学における当該研究の実施について、研究実施等許可依頼書兼研究実施許可等通知書(別紙様式第3号)によって、学長からの許可を受けなければならない。なお、研究実施等許可依頼書兼研究実施許可等通知書(別紙様式第3号)の提出については、委員会に係る事務を所掌する臨床研究係が代行することができる。
2 学長は、前項のとおり研究責任者から研究実施等許可について依頼された場合、本学委員会又は他機関委員会の意見を尊重しつつ、当該研究の実施の許可又は不許可その他研究に関し必要な措置について決定し、研究実施等許可依頼書兼研究実施許可等通知書(別紙様式第3号)によって、研究責任者へ通知しなければならない。この場合において、学長は、本学委員会又は他機関委員会が研究の実施について不適当である旨の意見を述べたときには、当該研究の実施を許可してはならない。
3 研究責任者は、前項により通知された審査結果に異議があるときは、学長に対し、異議申立書(別紙様式第4号)により、1回に限り異議申し立てをすることができる。この場合においては、異議申立書に異議の根拠となる資料を添付しなければならない。
4 学長は、前項の申し立てがあった場合には、委員会に速やかに再審査を行わせ、委員会の意見を尊重し当該研究の実施の許可又は不許可その他研究に関し必要な措置を決定し、研究実施等許可依頼書兼研究実施許可等通知書(別紙様式第3号)によって研究責任者に通知するものとする。
5 学長は、本学において行われている研究の継続に影響を与えると考えられる事実を知り、又は情報を得た場合には、必要に応じて速やかに、研究の停止、原因の究明等の適切な対応をとらなければならない。
6 学長は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう若しくはそのおそれのある事実を知り、又は情報を得た場合には、速やかに必要な措置を講じなければならない。
7 学長は、本学における研究が指針に適合していることについて、自己点検及び評価を行い、その結果に基づき適切な対応をとらなければならない。
8 前項に定める自己点検及び評価に関し必要な事項は、琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究に係る自己点検実施要項に定める。
(人体から取得された試料及び情報等の保管)
第7条 学長は、本学が実施する研究に係る人体から取得された試料及び情報等が適切に保管されるよう必要な監督を行う。
2 研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等を保管するときは、研究計画書にその方法を記載するとともに、研究者等が情報等を正確なものにするよう指導・管理し、人体から取得された試料及び情報等の漏えい、混交、盗難又は紛失等が起こらないよう必要な管理を行わなければならない。
3 研究責任者は、診療録を除く研究に関する全ての試料及び情報(提供記録を含む。)を、自らが管理できる施錠できる部屋において保管する。保管についての安全管理措置は、国立大学法人琉球大学保有個人情報等管理規則及び琉球大学病院保有個人情報等管理規程に準ずる。保管期間は当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間とする。また、匿名化された情報について、対応表を保有する場合には、対応表の保管についても同様とする。
4 研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等の管理の状況について、研究期間中においては研究実施状況報告書(別紙様式第4号(委員会規程第2条第1号関係))により(情報等の漏えい、混交、盗難、紛失等が明らかとなった場合は、速やかに)、学長へ報告する。また、研究終了又は中止後においても、当該情報等の廃棄時までに漏えい、混交、盗難、紛失等が明らかとなった場合は、速やかに学長に報告する。なお、試料及び情報等を廃棄する場合は、琉球大学医学部及び病院廃棄物処理規程及び国立大学法人琉球大学法人文書管理規程に従うものとする。
(他の研究機関への試料・情報の提供について)
第8条 共同研究ではなく、他の研究機関に試料・情報のみを提供する者は、他の研究機関への試料・情報の提供に関する届出書(別紙様式第5号。以下「届出書」という。)により学長へ報告するとともに、試料・情報の提供に関する記録を保管するものとする。
2 他の研究機関に試料・情報のみを提供する場合において、研究対象者の同意の取得状況等について、匿名化されていないときは、届出書により学長に申請し、委員会の本審査に諮るものとする。
3 第1項に規定する試料・情報の提供者は、提供先から、試料・情報を受領したことを示す資料(様式任意)を受け取り、学長へ提出しなければならない。
(庶務)
第9条 この業務手順書に係る庶務は、上原キャンパス事務部企画課において処理する。
(改廃)
第10条 この業務手順書の改廃は、委員会の議を経て委員長が行う。
附 則
この業務手順書は、令和3年6月30日から実施する。
附 則(令和3年7月21日)
この業務手順書は、令和3年7月21日から実施する。
附 則(令和3年10月20日)
この業務手順書は、令和3年10月20日から実施する。
附 則(令和3年11月17日)
この業務手順書は、令和3年11月17日から実施する。
附 則(令和4年1月28日)
この業務手順書は、令和4年1月28日から実施する。
附 則(令和4年3月23日)
この業務手順書は、令和4年3月23日から実施する。
附 則(令和4年11月4日手順書第1号)
この業務手順書は、令和4年11月4日から実施し、令和4年4月1日から適用する。
別紙様式第1号(第2条第2項関係)
中央一括審査確認書

別紙様式第2号(第2条第4項関係)
中央一括審査事前レビュー結果報告書及び結果通知書

別紙様式第3号(第6条第1項関係)
研究実施等許可依頼書

別紙様式第4号(第6条第3項関係)
異議申立書

別紙様式第5号(第8条関係)
他の研究機関への試料・情報の提供に関する届出書