○国立大学法人琉球大学利益相反マネジメントポリシー
(平成21年9月16日役員会決定) |
|
1 背景及び目的
国立大学法人琉球大学(以下「本学」という。)は、「自由と平等、寛容と平和」の建学精神を承継発展させ「真、公、和」の教育理念のもと、次世代を担う人材に高等教育を提供し、社会に対して有為な人材を育成するとともに学術研究・科学技術の発展へ貢献することを使命としている。
また、開学以来、「地域・国際社会への貢献」を基本理念として、産学官連携その他の社会貢献活動(以下「社会貢献活動等」という。)を積極的に推進しており、産業界からも産学官連携を通じた研究成果の社会還元への期待は一層高まっている。
しかし、真理の探究を目的とし、人類共有の財産とするための研究成果の公表を原則とする国立大学と、利益追求を目的とし、営業上の秘密を競争の源泉の一つとする企業とは、もとよりその基本的な性格や役割を異にしている。産学官連携を進めるうえでは、本学や所属役職員が企業から正当な利益を得ること、又は企業に対し必要な範囲での責務を負うことは当然に想定され、また、妥当なことであるが、このような両者の性格の相違から、役職員が企業との関係で有する利益や責務が大学における責任と衝突する状況も生じる。このような状況が「利益相反(conflict of interest:COI)」といわれるものである。
利益相反とは、大学や役職員の社会貢献活動等に伴い日常的に生じうるとの認識のもと、適切な対応を怠れば、本学が社会的信頼を喪失し、社会貢献活動等を萎縮させるおそれがあること、また、これにより本学の地域連携・社会貢献の諸活動が制約を受け、社会全体の損失に繋がるおそれがあることを理解しなければならない。
本学が社会からの期待にこたえ、社会貢献活動等を通じた地域連携・社会貢献という使命を果たしていくためには、利益相反に関する適切な対応が重要である。
2 利益相反と責務相反
「利益相反」とは、本学及び役職員が社会貢献活動等を行ううえで企業等との関係で有する利益又は責任と、教育研究に関する本学及び役職員としての責任が相反する次に掲げる状況をいう。
(1) 狭義の利益相反
イ 個人としての利益相反
役職員が社会貢献活動等に伴って得る利益(実施料収入、兼業報酬、未公開株式等をいう。ロにおいて同じ。)と、本学における役職員としての教育研究に関する責任が相反している状況
ロ 組織としての利益相反
本学が社会貢献活動等に伴って得る利益と、本学の社会的責任が相反している状況
(2) 責務相反
役職員が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負い、かつ、本学における職務遂行責任と企業等に対する職務遂行責任が相反している状況
(3) 本学では、上記(1)と(2)をあわせて、「利益相反」(広義)と捉える。
3 利益相反マネジメントの基本的考え方
本学は、利益相反に適切に対応するため、本ポリシーを役職員全員が確認し、大学としても下記の取組を行う。
(1) 本学は、地域・国際社会への貢献を教育、研究に続く第三の使命として位置付け、社会貢献活動等を通じた地域連携・社会貢献を奨励する。
(2) 本学は、役職員が公正かつ効率的に業務に専念できる体制を整えることを目指すとともに、社会貢献活動等を円滑に推進できる環境整備に努める。
(3) 本学は、社会貢献活動等のパートナーとしての学外の関係者に対しても利益相反マネジメントについての理解と協力を求め、互いの社会的信頼を喪失させることがないよう、相互理解を深める啓発活動を積極的に行う。
(4) 本学は、上記の目的を達成するために、役職員の利益相反を未然に防止し、万一利益相反が生じた場合の解決のための措置を講じるよう、組織的な利益相反マネジメント体制を整備する。そのため、役職員に対して社会貢献活動等に関する必要な情報の開示を求め、必要な場合には利益相反回避のための措置をとることを求める。この過程で収集された個人情報は、適正に管理し、役職員のプライバシー保護、守秘義務の徹底を図る。
(5) 本学は、利益相反マネジメントに従って社会貢献活動等を行う役職員に対して社会から説明を求められた場合には、利益相反マネジメントについての説明責任を果たす。
4 臨床研究に係る利益相反マネジメントポリシー
このポリシーに定めるもののほか、臨床研究に係る利益相反マネジメントポリシーは、別に定める。
5 ポリシーの見直し
利益相反は、国内外の経済情勢や地域社会の変化、社会貢献活動等の在り方等により、社会に対する説明責任が異なる。それらに適切に対応するため、このポリシーを適宜見直すものとする。