○国立大学法人琉球大学における公的研究費の不正に係る調査の手続等に関する取扱規程
(平成27年3月24日制定) |
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琉球大学における公的研究費の不正に係る調査の手続等に関する取扱規程(平成19年10月23日制定)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この規程は、国立大学法人琉球大学における公的研究費の不正使用防止のための管理・監査体制に関する規程(以下「管理規程」という。)第12条の規定に基づき、国立大学法人琉球大学(以下「本法人」という。)における公的研究費の不正が疑われる場合の調査の手続き等に関し必要な事項を定めるものとする。
[第12条]
(定義)
第2条 この規程において「公的研究費」とは、本法人が本法人以外の機関から受け入れるすべての研究資金をいう。
2 この規程において「部局等」とは、国立大学法人琉球大学会計規則第3条に規定する予算単位の組織をいう。
3 この規程において「構成員」とは、本法人において公的研究費に携わるすべての者をいう。
4 この規程において「不正」とは、故意若しくは重大な過失による公的研究費の他の用途への使用又は公的研究費の交付の決定の内容やこれに付した条件に違反した使用をいう。
5 この規程において「資金配分機関」とは、公募型の研究資金を配分する国又は国が所管する独立行政法人をいう。
6 この規程において「最高管理責任者」とは、管理規程第3条第1項に規定するものをいう。
[第3条第1項]
7 この規程において「統括管理責任者」とは、管理規程第4条第1項に規定するものをいう。
[第4条第1項]
8 この規程において「悪意」とは、管理規程第11条第3項に規定するものをいう。
(通報への対応)
第3条 通報(管理規程第11条の規定によるものをいう。以下同じ。)があったときは、通報窓口(管理規程第10条の規定によるものをいう。以下同じ。)は、速やかに最高管理責任者及び統括管理責任者に報告する。
2 通報窓口は、統括管理責任者と協議の上、通報の内容の一部又は全部に不備があるときは、当該通報を行った者(以下「通報者」という。)に対し、当該書面の補正について、指示することができる。
3 通報窓口は、統括管理責任者と協議の上、適正な通報であると判断した場合は、通報を受け付けた旨を通報者に通知するものとする。
4 通報窓口は、統括管理責任者と協議の上、当該通報が第2条に定める公的研究費の不正に該当しない場合、本法人の調査において既に結論が出された事案と同一理由であると判断した場合及びその他通報窓口の適正な使用でないと判断した場合は、通報を受け付けない旨を通報者に通知するものとする。
[第2条]
5 通報窓口は、通報を受け付けた場合、当該通報の対象に他機関に所属する者が含まれるときは、当該機関に当該通報を回付する。
6 通報窓口は、通報の意思を明示しない相談があった場合、その内容を確認・精査し、統括管理責任者が認めた場合は、当該相談を行った者に対して通報の意思があるか否か確認するものとする。
7 前条に定めるもののほか、統括管理責任者は、報道、匿名による通報があった場合又は学会、他機関から公的研究費の不正が指摘された場合にも、通報があったものとみなすことができる。
8 統括管理責任者は、公的研究費の不正が行われようとしている、又は公的研究費の不正を求められているという通報については、その内容を確認・精査し、相当の理由があると認めたときは、被通報者に警告を行うものとする。また、他機関に所属する者に警告を行った場合は、統括管理責任者は当該他機関に警告の内容等を通知する。
(予備調査)
第4条 統括管理責任者は、前条第3項の規定により通報を受け付けた場合について、予備調査が必要であると認めたときは、速やかに予備調査委員会を設置する。
2 統括管理責任者は、当該通報を受けた日からおおむね20日以内に、次の各号に掲げる事項について予備調査を行わせ、その調査結果の報告を受けるものとする。
(1) 当該通報の対象となった公的研究費の不正が行われた可能性
(2) 公的研究費の不正が行われた可能性があるときは、その内容、不正に関与した者とその関与の度合い及び不正使用の相当額
(3) 公的研究費の不正が行われていない可能性があるときは、当該通報が悪意に基づくものであるか否か
(4) 通報の対象となった公的研究費の不正を検証するために必要な証拠書類が合理的な保存期間等を超えていないか
(5) 次条の規定による本調査の要否
(6) 次条第7項の規定による措置に関する意見等
(7) その他必要と認める事項
3 予備調査委員会は、当該部局等の長(当該部局等の長が通報等の対象に含まれているときは、当該部局等の副学部長等)を含めた5名以上の委員で組織し、統括管理責任者が指名する。ただし、委員は通報者及び被通報者と直接の利害関係を有しない者とする。
4 予備調査委員会は、予備調査の実施に関し、通報者、被通報者その他関係者に対し、必要な協力を求めることができる。
5 前項の協力を求められた通報者、被通報者その他関係者は、誠実にこれに協力し、正当な理由なくこれを拒絶することができない。
6 統括管理責任者は、予備調査結果の報告を受けた場合、その内容について精査し、必要と認めるときは再度予備調査を行わせ、その調査結果の報告を受ける。
(本調査)
第5条 統括管理責任者は、前条の予備調査の結果等に基づき、当該通報の対象となった事案について、さらに本格的な調査(以下「本調査」という。)をすべきか否かを速やかに決定する。決定にあたり、必要と認めるときは、当該部局等以外の部局等の研究者で、当該通報の対象となっている研究分野の研究者に対し、意見等を求めることができる。
2 統括管理責任者は、本調査を行うことを決定したときは、速やかに、本調査を実施する調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。
3 統括管理責任者は、調査委員会を設置したときは、最高管理責任者、通報者及び被通報者に通知する。
4 統括管理責任者は、本調査を行わないことを決定したときは、理由を付してその旨を通報者に通知する。
5 統括管理責任者は、前条の予備調査の結果、当該通報が悪意に基づくものと判断したときは、通報者が所属する部局等又は他機関の長にその旨を通知する。
6 第4項の通知を受けた通報者は、当該通知を受けた日から7日以内に理由を付して異議の申出をすることができる。ただし、同一理由による異議の申出を繰り返すことはできない。
7 前項の異議の申出があった場合、統括管理責任者は、その内容を審査し、必要と認めるときは、前条の予備調査について、予備調査委員会に再調査を求めることができる。
8 統括管理責任者は、本調査を行うことを決定したときは、第11条の調査結果あるいは第14条第2項の再調査結果の報告を受けるまでの間、被通報者に対し当該通報に係る 研究活動を制限することができる。
9 統括管理責任者は、当該通報の受付から30日以内に、本調査の要否を関係する資金配分機関に報告する。
(調査委員会)
第6条 調査委員会は、統括管理責任者が指名する5名以上の委員で組織する。ただし、委員は通報者及び被通報者と直接の利害関係を有しない者とする。
2 前項の委員には、当該部局等の長(ただし、当該部局等の長が通報の対象に含まれているときは、当該部局等の副学部長等)及び学外有識者(弁護士、公認会計士及び他機関の研究者等)を含めるものとする。
3 調査委員会は、委員の3分の2以上が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。
4 議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長が決する。
5 調査委員会は、当該事案に係る任務の終了をもって解散する。
(調査委員会設置の通知)
第7条 統括管理責任者は、調査委員会を設置したときは、委員の所属及び氏名を通報及び被通報者に通知するものとする。
2 前項の通知を受けた通報者及び被通報者は、当該通知を受けた日から7日以内に理由を付して異議申立をすることができる。
3 前項の異議申立があった場合、統括管理責任者はその内容を審査し、必要と認めるときは、当該異議申立に係る委員を交代させる。
4 統括管理責任者は、前項の審査の結果として委員を交代させたときは当該調査委員の所属及び氏名を通報者及び被通報者に通知する。
(調査委員長)
第8条 調査委員会に委員長を置き、委員の互選により選出する。
2 委員長は、調査委員会を招集し、その議長となる。
3 委員長に事故あるときは、予め委員長が指名した委員がその職務を代行する。
(本調査の内容等)
第9条 調査委員会は、当該通報等において指摘された当該研究費の執行に係る証拠となる資料の精査及び関係者のヒアリングを行い、必要に応じ、被通報者に対して、資料の提出を求め、これに基づく調査等を行うものとする。
2 調査委員会は、前項の本調査に際し、被通報者に対して、弁明の機会を与えその聴取をするものとする。
3 被通報者は、前項の弁明の機会において、当該通報等の内容を否認するときは、根拠を示して説明しなければならない。
4 調査委員会は、第1項の本調査の実施に関し、通報者、被通報者その他関係者に対し、必要な協力を求めることができる。
5 前項の協力を求められた通報者、被通報者その他関係者は、誠実にこれに協力し、正当な理由なくこれを拒絶することができない。
6 第1項の規定にかかわらず、調査委員会は、当該本調査において有益かつ必要と認めるときは、調査に関連する被通報者の研究を本調査の対象とすることがある。
7 調査委員会は、第1項及び前項の本調査に当たって、証拠となる資料等を保全する措置をとることができる。
(資金配分機関との協議等)
第10条 調査委員会は、本調査の実施に際し、調査方針、調査対象及び調査方法等について関係する資金配分機関に報告し、又は協議するものとする。
(調査結果の報告)
第11条 調査委員会は、本調査の開始後おおむね120日以内に次の各号に掲げる事項の認定を行うとともに、これを含んだ当該調査の結果をまとめ、統括管理責任者に報告する。ただし、異議申立で調査に時間を要した場合はこの限りでない。
(調査結果の通知)
第12条 統括管理責任者は、本調査の結果を速やかに通報者及び被通報者(被通報者以外で公的研究費の不正に関与したと認定された者を含む。以下「被通報者等」という。)並びに最高管理責任者及び当該部局等の長に通知するとともに、被通報者等に他機関に所属する者がある場合は、当該所属機関の長にも通知するものとする。
2 統括管理責任者は、調査の結果、当該通報が悪意に基づくものであると認定されたときは、通報者が所属する部局等(他機関に所属する者であるときは、当該他機関)の長に通知する。
(不服申立)
第13条 本調査の結果、公的研究費の不正が行われたと認定された被通報者等又は当該通報が悪意に基づくものと認定された通報者は、前条第1項の通知を受けてから14日以内に、統括管理責任者に対し、不服申立をすることができる。ただし、同一理由による不服申立をすることはできない。
2 統括管理責任者は、前項に基づき被通報者等又は通報者から不服申立を受けたときは、その旨を最高管理責任者、当該部局等の長及び被通報者等又は通報者に通知する。なお、通報者が他機関に所属する者であるときは当該他機関の長に通知する。
(不服申立の審査及び再調査)
第14条 統括管理責任者は、前条第1項の不服申立を受けたときは、当該調査を行った調査委員会に不服申立の審査を行わせる。
2 調査委員会は、前項の審査においては、不服申立の趣旨、理由等を勘案し、当該事案の再調査を行うか否かを速やかに審査し、その結果を速やかに統括管理責任者に報告する。
3 統括管理責任者は、前項の審査の結果に基づき、再調査を行うことを決定したときは、被通報者等及び通報者に通知する。この場合、第11条の調査結果を覆すに足る資料の提出その他当該事案の速やかな解決に必要な協力を求めるものとし、被通報者等及び通報者が必要な協力を行わないときは、当該調査を行わない又は打ち切ることができる。
[第11条]
4 統括管理責任者は、第2項の審査の結果に基づき、再調査を行わないことを決定したときは、理由を付してその旨を被通報者等及び通報者に通知する。
5 調査委員会が再調査を開始した場合は、当該不服申立を受けた日からおおむね50日以内に、調査結果を統括管理責任者に報告する。
6 統括管理責任者は、再調査結果の通知を行う場合は、第12条の規定に準じて行うものとする。
[第12条]
(報告書の作成等)
第15条 調査委員会の委員長は、第12条第1項による調査結果の通知後、被通報者等から不服申立がなく、その内容が確定したとき、又は第13条第1項による不服申立に対し、前条第4項の決定が行われたときは、調査結果、不正の発生要因、不正に関与した者が関わる他の公的研究費における管理・監査体制の状況及び再発防止計画等を含む最終報告書を作成し、関連資料を添えて速やかに最高管理責任者に提出しなければならない。
(関係する資金配分機関への通知等)
第16条 最高管理責任者は、前条の報告に基づき、その調査結果を通報者、被通報者等、関連する部局等に通知するとともに、関係する資金配分機関に対し、原則として通報の受付から210日以内に、調査結果、不正の発生要因、不正に関与した者が関わる他の公的研究費における管理・監査体制の状況及び再発防止計画等を含む最終報告書を提出する。期限までに調査が完了しない場合であっても、調査の中間報告を関係する資金配分機関に提出する。
2 最高管理責任者は、調査の過程であっても、不正の事実が一部でも確認された場合には、速やかに認定し、関係する資金配分機関に報告する。
3 前2項のほか、関係する資金配分機関の求めに応じ、調査の終了前であっても、調査の進捗状況報告及び調査の中間報告を当該資金配分機関に提出する。
4 最高管理責任者は、調査に支障がある等、正当な事由がある場合を除き、関係する資金配分機関の求めに応じ、当該事案に係る資料の提出又は閲覧及び現地調査に協力する。
(懲戒措置等)
第17条 最高管理責任者は、第12条第1項又は第14条第6項の規定による調査結果の通知(以下「調査結果通知」という。)に基づき、被通報者等に公的研究費の不正があったと認めたときは、当該不正の重大性の程度に応じて、被通報者等の懲戒処分等の手続きを開始し、次の各号に掲げる措置をとるとともに、再発防止のために必要な措置を講じなければならない。
(1) 被通報者等に対する研究費の使用停止及び返還の命令
(2) その他被通報者等の公的研究費の不正の排除及び本法人の信頼性回復のために必要な措置
2 最高管理責任者は、調査結果通知に基づき、当該通報が悪意に基づく虚偽のものであったと認めたときは、通報者の所属及び氏名の公表や通報者に対する懲戒処分等の適切な措置を講じることができる。
3 前2項による懲戒処分等の手続きは、琉球大学学則に基づく学生の懲戒手続きに関する内規及び国立大学法人琉球大学職員就業規則に基づく国立大学法人琉球大学職員懲戒等規程を適用する。
(調査結果の公表等)
第18条 最高管理責任者は、公的研究費の不正が行われた旨の調査結果通知を受けた場合は、合理的な理由のため不開示とする必要があると認めた場合を除き、速やかに調査結果を公表するものとする。この場合において、次の事項を公表することを原則とする。
(1) 公的研究費の不正に関与した者の所属及び氏名
(2) 公的研究費の不正の内容
(3) 統括管理責任者又は調査委員会が公表時までに行った措置の内容
(4) 調査委員会委員の所属及び氏名
(5) 調査の方法、手順等
(6) その他必要と認める事項
2 最高管理責任者は、公的研究費の不正が行われていない旨の調査結果通知を受けた場合は、原則として、調査結果等の公表は行わないものとする。ただし、公表までに調査事案が外部に漏洩していた場合には、必要に応じて通報者、被通報者への不利益発生を防止するための措置を講ずるものとする。
3 最高管理責任者は、第1項による公表を行うときは、第13条第1項の規定による不服申立の期間等を考慮して行うものとする。
[第13条第1項]
4 最高管理責任者は、当該公表する内容に学生等が含まれているときは、当該事案に応じて、適切な配慮を行わなければならない。
5 最高管理責任者は、調査事案が学外に漏洩した場合又は社会的影響の大きい重大な事案の場合は、必要に応じて、当該調査の途中であっても中間報告として公表することができるものとする。
(利益相反関係の排除)
第19条 統括管理責任者、調査委員会の委員及び通報窓口の担当者は、自らが関係する第3条による通報への対応に関与してはならない。
[第3条]
2 統括管理責任者が前項の適用を受ける場合は、本規程(第31条を除く。)中「統括管理責任者」とあるのは「学長が指名する理事又は副学長」と読み替えるものとする。
(研究費の取扱)
第20条 最高管理責任者は、第3条第1項の報告を受けてから、当該部局等の長と協議の上、当該通報等の対象となる事案に係る研究費の使用の停止及び競争的資金の申請を制限することができる。
[第3条第1項]
2 最高管理責任者は、調査結果通知に基づき、被通報者等に公的研究費の不正がなかったと認めるときは、前項の研究費の使用停止を解除するものとする。ただし、資金配分機関が調査中である場合には、この限りではない。
(庶務)
第21条 この規程に関する事務は、総合企画戦略部研究推進課において処理する。
(雑則)
第22条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、統括管理責任者が別に定める。
(改廃)
第23条 この規程の改廃は、教育研究評議会の審議及び役員会の議を経て学長が行う。
附 則
1 この規程は、平成27年3月24日から施行する。
2 この改正施行前に、通報等を受けた事案については、旧規程(琉球大学における公的研究費の不正に係る調査の手続き等に関する取扱規程(平成19年10月23日制定))に基づき取り扱うものとする。
3 琉球大学における公的研究費の不正に係る調査の手続き等に関する取扱規程(平成19年10月23日制定)は廃止する。
附 則(平成28年2月23日)
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この規程は、平成28年2月23日から施行する。
附 則(平成29年5月15日)
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この規程は、平成29年5月15日から施行し、平成29年4月1日から適用する。
附 則(令和2年3月13日)
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この規程は、令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年3月17日)
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この規程は、令和3年4月1日から施行する。