○琉球大学研究者倫理規範
(平成25年10月22日教育研究評議会決定) |
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大学は、人類が現在持っている知識の限界までを教授するとともに、その限界を超えるべく学生とともに研究を続ける教育研究機関である。人類の知識の限界を超えうる研究を行うためには、何ごとにもとらわれない思考と行動の自由が必要である。この自由は、社会が大学を信頼して大学に与えた権利である。したがって大学は、この社会の信頼に応え、自らを律する高度な倫理観をもって研究を遂行し、公共の福祉に貢献していることを、社会に示さなければならない。特に、研究活動とその成果が多大な影響を社会に及ぼす現代において、このことの重要性は大きい。
琉球大学(以下「本学」という。)は、本学の学術研究が社会から信頼と尊敬を得るよう、本学に所属する教員、技術職員、大学院生、学部学生など研究に携わるすべての者(以下「研究者」という。)が守るべき研究倫理指針と、研究者倫理を保持するための本学の責務をここに定めるものである。
琉球大学(以下「本学」という。)は、本学の学術研究が社会から信頼と尊敬を得るよう、本学に所属する教員、技術職員、大学院生、学部学生など研究に携わるすべての者(以下「研究者」という。)が守るべき研究倫理指針と、研究者倫理を保持するための本学の責務をここに定めるものである。
1 研究の基本
(1) 研究者は、自らが生み出す知識や技術の質を担保する責任を果たすとともに、自らの専門知識等を活かして、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして環境の保全に貢献するという責任を果たさなければならない。
(2) 研究者は、大学の研究活動が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを自覚し、高潔な倫理観を持って社会の負託に応えなければならない。
(3) 研究者は、各種の研究活動に関して定められている条約、関係法令、ガイドライン及び本学の関連規則等について熟知し、これを遵守しなければならない。
2 研究情報の管理
(1) 研究者は、研究成果の発表の基礎とした資料、情報、データ等は、適切な期間保存しなければならない。
(2) 研究者は、個人情報保護の重要性に鑑み、研究のために収集した資料、情報、データ等で、個人を特定できるものは、これを他に漏らしてはならない。
3 人を直接対象とした研究
(1) 人を直接対象とした研究並びに医療行為においては、個人の尊厳及び人権の尊重、個人情報の保護に十分配慮しなければならない。
(2) 人を直接対象とした研究においては、関係法令、専門分野の倫理基準及び本学の関連規則を遵守しなければならない。
4 適正な研究の実施及び経費執行
(1) 研究者は、研究費が国費や寄附金など公的資金により賄われていることを常に留意し、研究費の適正な使用に努めなければならない。
(2) 研究者は、国内外での研究の実施及び研究費の使用に当たっては、関係法令、本学の関連規則、当該研究費の使用にかかる契約及び規程等を遵守しなければならない。
5 研究活動における利益相反
研究者は、自らの研究活動において、利益相反の発生に十分に注意し、利益相反による弊害が生じないよう努めなければならない。
6 研究成果発表における倫理
(1) 研究成果発表に際しては、存在しないデータを作成する捏造、研究の結果等を真正でないものに加工する改ざん、他者のデータや研究結果を適切な表示なく流用する盗用は絶対にこれをしてはならない。
(2) 研究者は、研究発表における不適切な引用、引用の不備、誇大な表現は、不正行為となりうるので、適切な引用、真摯な表現をしなければならない。
(3) 研究者は、同じ研究成果を報告した論文原稿を複数の研究誌に重複発表することや、論文著者を適正に公表しないなどオーサーシップの不適切な取扱いはこれをしてはならない。
7 共同研究者としての責任
(1) 共著者として名を連ねる者は、その論文に対して主要な貢献をなしていることが必要であり、その論文の内容に関して責任と説明義務を共有する。
(2) 研究者は、共同研究者や論文の共著者の権利を尊重し、研究成果の利用にあたっては明確な同意を得なければならない。
8 公正な評価
(1) 研究者は、他者の研究論文等の査読その他の業績評価を行うときは、被評価者に対して予断を持つことなく、評価基準及び審査要綱等に基づき、適切に評価しなければならない。
(2) 研究者は、前項の評価の過程で知り得た研究上の情報を、自らの研究に不当に利用したり、正当な理由なく他者に漏らしたりしてはならない。
9 研究者倫理を保持するための本学の責務
(1) 本学は、研究者の研究者倫理意識を高揚し、研究不正を防止するため、必要な啓発、倫理教育を実施し、高等教育機関としての責任を果たす。
(2) 本学は、この規範を実効あるものとするため、研究者の研究者倫理に反する行為に対しては、適切な措置を講じる。
(3) 本学は、適切なオーサーシップを実現するための必要な措置を講じる。
(4) 本学は、研究者倫理に関する危機管理システムおよび不正行為が発生した場合の対処法を整備し、実効あるものとするとともに、不断の改善を図る。
附 則
この規範は、平成25年10月22日から施行する。
附 則(平成28年2月23日)
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この規範は、平成28年2月23日から施行する。