○琉球大学病院における診療情報の開示に関する実施要項
(平成26年12月16日制定)
改正
平成29年5月19日
令和2年7月1日
(目的)
第1条 この要項は、琉球大学病院(以下「本院」という。)において診療を行った患者に対し診療情報を積極的に提供することにより、本院と患者が診療情報を共有し、両者の良好な関係を築くことでより質の高い開かれた医療を目指すとともに、「国立大学附属病院における診療情報の提供等に関する指針(ガイドライン)」、「国立大学附属病院における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(以上、国立大学附属病院長会議)及び「医療・介護関係従事者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(個人情報保護委員会、厚生労働省)を踏まえた診療情報の開示に関する手続き等の公正化を図ることを目的とする。なお、インフォームド・コンセントの理念に基づき行われる医療従事者が診療中に行う患者本人に対する診療情報の提供は、本要項の対象とはしない。
(定義)
第2条 この要項における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1) この要項において「診療情報」とは、診療の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について医療従事者が知り得た情報をいう。
(2) この要項において「診療記録」とは、診療録、手術記録、検査記録、看護記録、処方箋、検査結果、エックス線写真、紹介状、入院期間中の診療過程の要約、その他診療の過程で患者の身体状況、病状、治療等について作成、記録又は保存された書類及び画像等の一切の記録をいう。
(3) この要項において「診療情報の開示」とは、患者等の請求に応じ診療記録を閲覧または診療記録の複写を交付することをいう。
(開示する診療情報の範囲)
第3条 本院が提供する診療情報の範囲については、第2条第1項第2号で定める診療記録とする。このうち、第三者から得た情報及び診療に伴う教育、研究に係わる情報についてはこの範囲に含めないものとする。
(開示の請求者)
第4条 診療情報の開示を請求できる者(以下「請求者」という。)は、当該診療情報にて識別可能な患者本人とする。ただし、次の各号に掲げる者は、患者本人に代わって請求することができる。
(1) 15歳以上の患者本人で合理的な判断ができない場合は、現実に患者の世話をしている親族若しくはこれに準ずる者または法定代理人
(2) 15歳未満の患者本人の場合は法定代理人
(3) 患者本人から代理権を与えられた親族若しくはこれに準ずる者または任意代理人
(4) 患者本人が死亡した場合は、患者の配偶者、子、父母またはこれに準ずる者(これらの者に係る法定代理人を含む)
(開示請求・受理)
第5条 請求者は、「診療情報開示申請書(別紙様式1)」(以下「申請書」という。)により病院長あてに申請するものとする。なお、郵送による申請は、原則として受理しない。
2 診療情報の開示窓口担当は、医事課が行うものとする。
3 開示窓口担当は、申請書の記載内容について、請求者に適宜補正を求めることができる。
4 開示窓口担当は、第4条第1項第3号に規定する者から請求があった場合は、当該請求者の求めが患者本人の意思によるものかを患者本人に確認したうえで受理するものとする。
5 開示窓口担当は、第4条第1項第4号に規定する者から請求があった場合は、患者本人の生前の意思や名誉等を十分に尊重したうえで受理を判断するものとする。
6 申請書を受理するにあたっては、次の書類が添付されていなければならない。
(1) 請求者本人であることを確認することができる書類
(2) 親族またはこれに準ずる者が申請する場合には、前号の書類のほか、患者との関係を証明する書類
(3) 法定代理人または任意代理人が申請する場合には、第1号の書類のほか、その資格を証明する書類
7 開示窓口担当は、開示にあたり費用が発生する場合は、事前に請求者に対して費用負担の説明をし、同意を得なければならない。
(診療情報の開示義務)
第6条 病院長は、次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合を除き、請求者に対して当該診療情報を開示しなければならない。
(1) 患者本人の心身の状況を著しく損なう恐れがある場合
(2) 第三者の利益を損なう恐れがある場合
(3) 患者本人以外の者から請求があった場合で、患者本人が開示を希望していない場合
(4) 請求のあった診療情報が存在しない場合
(5) 請求のあった診療情報の開示が法令により禁止されている場合
(6) 前条第7項において同意が得られない場合
(部分開示)
第7条 病院長は、開示請求に係る診療情報に不開示情報が含まれている場合において、前条第1項第1号、第2号及び第5号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)に該当する部分を容易に区別して取り除くことができるときは、請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。
(裁量的開示)
第8条 病院長は、開示請求に係る診療情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、請求者に対し、当該診療情報を開示することができる。
(診療情報の存否応答に関する情報)
第9条 開示請求に対し、当該開示請求に係る診療情報が存在しているか否かを答えるだけで不開示情報を開示することとなるときは、病院長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示決定までの手続)
第10条 病院長は、申請書を受理したときは「診療情報の開示・不開示に係る意見について(別紙様式2)」を関係する診療科の科長または中央診療施設等の長(以下「診療科長等」という。)に照会するものとする。
2 当該診療科長等は、請求のあった診療情報の開示の差し支えについて、主治医等から意見を聴取するなどして確認し、その適否を病院長に回答するものとする。
3 病院長は前項により部分開示または不開示の回答を受けた場合、または病院長が必要と認めた場合は、琉球大学病院診療情報提供委員会(以下「委員会」という。)に諮問するものとする。
4 委員会は、開示、部分開示または不開示について審議し、その結果を病院長に答申するものとする。
(開示決定の通知)
第11条 病院長は、前条の手続を経て開示の適否を決定した場合には「診療情報開示通知書(別紙様式3)」により請求者に対して速やかに通知する。
(開示の方法)
第12条 診療情報の開示は、出頭者が請求者本人であることを慎重に確認して行うものとする。
2 診療記録の閲覧は、本院が指定する場所において、当該患者に関係する医師等及び医事課職員が立ち会うものとする。この場合において請求者からの求めがあれば、医師等は、その記載内容について説明しなければならない。
3 診療記録の複写の交付は本院が指定する場所において行い、医事課職員が対応するものとする。
(開示に係る費用)
第13条 診療情報の開示に係る費用は請求者が負担するものとし、その費用は、「琉球大学病院諸料金規程」で定める額とする。
(開示記録の管理)
第14条 医事課は、開示請求から開示までの書類を整理し保管しなければならない。
(開示に関する相談窓口の設置)
第15条 診療情報開示に関する苦情及び相談に適切に対応するため、医事課に相談窓口を設置する。
(雑則)
第16条 この要項に定めるもののほか、診療情報の開示に関し必要な事項は病院長が別に定める。
(改廃)
第17条 この要項の改廃は、委員会の議を経て病院長が行う。
附 則
1 この要項は、平成26年12月16日から施行する。
2 琉球大学医学部附属病院における診療情報の提供に関する実施要項(平成12年3月21日制定)及び琉球大学医学部附属病院における診療情報の提供に関する取扱要領(平成12年3月21日制定)は廃止する。
附 則(平成29年5月19日)
この要項は、平成29年5月19日から施行する。
附 則(令和2年7月1日)
この要項は、令和2年7月1日から実施し、令和2年4月1日から適用する。