(平成22年10月27日)
改正
令和2年2月28日
令和3年9月30日
令和4年4月1日
入学してきた学生は様々な問題を抱えており,特に教育上の多くの問題は最終的には指導教員に関係してくる。しかし,現状では具体的な仕事内容が不明確なところもあるため,指導教員についての本ガイドラインを作成し,役割分担を明確化し,学生指導を円滑にする必要があると考える。後述するように,指導教員には「学年指導教員」と「卒業研究指導教員」があり,単に指導教員と述べる場合はこの両者をさすこととする。本ガイドラインの背景には,全学学務委員会で各学部ガイドラインの作成について検討するように依頼されたことがある。国際学部学務委員会で議論を重ねた結果,国際学部でも指導教員についてのガイドラインを作成することとなり,その案が以下の通り作成された。なお,別途全学ガイドラインが作成されているが,国際学部における指導教員の職務内容等については,本ガイドラインで定めるものとする。             
 
Ⅰ.指導教員についての基本的な考え方
 
1.大学生の抱える問題:指導教員の存在は大きい
新入生の多くは,これまで大学受験対策に大きな比重を置いた学習をしてきているため,大学入学後,大なり小なり様々な問題を抱えている。問題解決のためには,学生の自主性を発揮する環境を整えると同時に,教員は必要に応じて適切な指導を行う。授業以外での学生と教員とのつながりはほぼ指導教員に委ねられているので,指導教員の存在は大きい。
 
2.早期対策の重要性:指導教員の注意力と敏速な対応が必要
学生指導は早い方が良い。敏速な対応をするためには,指導教員が必要な情報を迅速に入手できる体制が必要である。3年次後期に研究室に配属されるまでは,学年指導教員が指導の中心的役割を果たし,研究室に配属されてからは卒業研究指導教員と学年指導教員が必要な情報を共有しながら,円滑に学生指導を行うことが重要である。
 
3.指導教員制度:学部全体での支援体制の重要性
各学生の状態を把握し,面談などで適切な指導を行うという指導教員の仕事は,大きな負担となるため,これらの仕事は指導教員に一任するだけでなく,国際学部全体で適切な支援体制を築いていくことも必要である。注:指導教員の任務は,「宇都宮大学学生指導に関する規程」で規定されている。                      
 
Ⅱ. 指導教員とその職務
 
1.指導教員について
指導教員については,「宇都宮大学学生指導に関する規程」で規定されており,その選出方法及び員数は,各学部等で定めることとなっている。 国際学部国際学科においては,各学年3名ずつの教員を学年指導教員として配置している。学年指導教員は,各種委員会委員等を選出する際に,学部長が案を作成し,教授会の議を経て毎年度新たに選出されることとなっている。任期は1年であるものの再任が妨げられないこととなっていることもあり,実際は,1年次の学年指導教員のみを新たに選出し,他の学年の指導教員は原則として進級とともに持ち上がり,同じ指導教員が4年間学生を指導する体制となっている。なお,休学及び留年等により,4年を越えて大学に在籍する学生に関しては,入学後4年間は入学時に決定した学年指導教員が担当することとなるが,5年目以降は,当該年度の4年次生の指導教員が担当することとなる。 他方,国際学部では,卒業研究準備演習及び卒業研究の担当教員を卒業研究指導教員とし,3年次後期以降については,一部職務に関し,卒業研究指導教員が担当し,学生に対する助言,指導を行う。そのため,3年次以降は,学年指導教員と卒業研究指導教員が協力しながら職務を遂行することとする。 
 
2.職務の目的と概要
指導教員は,学生が大学の学習環境に適応し,円滑な修学を行い,より豊かに大学生活を送るために,必要な助言や指導を行い,学生生活全般を支援する。その具体的職務内容の詳細は,下記3.の通りであるが,その職務は,学修・成績・進級から生活上の悩み・健康・卒業後のキャリア(就職・進学等)に関する相談・指導等,多岐に及ぶ。そのため,Ⅰ.に記したように,指導教員のみで対応することが難しい場合があるので,指導教員間,及び学部長・学科長・各種担当委員・事務等との連携を密にし,指導を進める必要がある。なお,問題発生時の連絡体制等については,別途作成することとする。さらに,1年次生担当の指導教員が新規に任命された際には,3名の指導教員間で職務内容と役割分担について十分に協議し,常に連携して業務にあたることとする。また,学生の個人的な悩みなどにも対応することが想定されるため,個人情報の管理には特に注意するとともに,学生が相談しやすい環境を整える必要がある。そのため,教員がオフィスアワーの実施を徹底し,個別の相談を受ける環境づくりにつとめる。
 
3.職務の内容
(1)日常的な職務
①担当学生の名簿・学生指導要録の活用
②教授会・学科会議などにおける指導学生に関する報告依頼
学科長に報告を依頼する。
③担当学生から休学,退学,転部に関する相談があった場合の指導,それらに関する提出書類の確認,押印
→指導教員による押印の後,学科長が押印する。
→1年次から3年次前期までは学年指導教員,3年次後期以降は卒業研究指導教員の職務とする。(卒業研究指導教員未定の学生については学年指導教員)
④峰地区自動車入稿許可申請書などの確認・押印(注1)
⑤授業料免除願,各奨学金申請などの推薦書作成(注2)
⑥事故や事件の時の窓口(相談等)
→事故・事件発生時の連絡体制は別途作成する。
⑦一年間の主要職務
・入学時(含編入時)の学部ガイダンス
・編入時の学部ガイダンス
・2・3・4年次生ガイダンス(4月)
→以上3項目は学年指導教員の職務とする。
・成績表等配付,個別面談(4月,10月)
→1年次から3年次前期までは学年指導教員,3年次後期以降は卒業研究指導教員の職務とする。(卒業研究指導教員未定の学生については学年指導教員)
・卒業証書授与業務の補佐(3月)
→学年指導教員の職務とする。
 
(2)学生への連絡
①授業料等未納者への連絡(事務による継続的な連絡に結果を伴わない場合に限る)
②図書延滞者への連絡(事務による継続的な連絡に結果を伴わない場合に限る)
③主要行事の連絡(事務と連携して)
→上記①~③は,1年次から3年次前期までは学年指導教員,3年次後期以降は卒業研究指導教員の職務とする。(卒業研究指導教員未定の学生については学年指導教員)
④進路希望届・進路決定届の提出延滞者への連絡
→卒業研究指導教員の職務とする。
 
(3)個別指導・相談
①成績表等配付とそれに伴う個別面談
◎面談時の確認事項
(ⅰ)年間スケジュールの確認
(ⅱ)1年次におけるオフィスアワー利用方法の指導
(ⅲ)成績表に関する注意事項,質問の有無
(ⅳ)学習(学修・出席状況・留学・教職等)に関する指導・相談
→指導教員が主となり修学支援課,教務委員会,国際交流委員会等と連携して対応する。
(ⅴ)キャリア形成(転部・大学院進学等)に関する問題点
特に就職に関しては基本的にキャリア教育・就職支援センターやキャリア・アドバイザーを紹介する。
(ⅵ)生活に関する問題点(アルバイト・サークル等)
→基本的に学生相談員または学生支援課を紹介する。
(ⅶ)健康(含メンタルヘルス)に関する問題点,感染症予防注意喚起
→基本的に保健管理センターやカウンセラーを紹介する。
(ⅷ)「成績不振者対応のガイドライン」に基づき,該当学生を指導する。
※なお,上記事項は,3名の指導教員が相談に応じることを伝える。
②障がい学生からの個別相談
→学生支援課等との連携
③留学生からの個別相談
→留学生・国際交流室との連携
④セクハラ・アカハラに関する相談
→「学生相談マニュアル」,「セクシュアル・ハラスメント,アカデミック・ハラスメントのない宇都宮大学をめざして(宇都宮大学)」(リーフレット)等を参考にして,指導教員・学生相談員,学生支援課等が連携し,適宜助言を行う。
⑤金融商品などマルチ商法・悪徳商法,カルト・宗教団体の強引な勧誘・悪徳商法に関する相談
→「学生相談マニュアル」,学生支援課からの注意喚起等を参考にして,指導教員・学生相談員,学生支援課が連携し,適宜助言を行う。
⑥緊急事態における対応・注意喚起
→感染症拡大(パンデミック),自然災害,不慮による事故等緊急事態における対応・注意喚起について,「教職員のための学生相談マニュアル」の中の「事項別対応例」,緊急事態時の「本学からの対応方針」,「授業の実施等に際してのガイドライン」等を参考にして,指導教員・学生相談員,学生支援課,保健管理センターが連携し,適宜助言を行う。
⑦注意事項
(ⅰ)各学年3名の指導教員は,相互に連携をはかりつつ学生への助言・指導を行う。
→主要担当学生の決定,オフィスアワー,出張の調整,職務の分担等。
(ⅱ)個別指導に当たっては,学生の主体性を養うことを重視するとともに,強制的な指導は行わない。
(ⅲ)指導教員による指導をより実質的かつ機能的なものとするためには,問題を抱えている学生が指導教員に相談でき,また,指導教員が必要とする場合,直ちに学生と連絡が取れるような体制にしておく必要がある。このため,指導教員はガイダンス・個別面談等の機会を利用して,学生の状況を把握するとともに,学生の教員に対する心理的障壁を低くするなど,学生とのコミュニケーションを確保するようにつとめるものとする。なお,学生個々の最新の住所・電話番号・メールアドレス(PCと携帯電話の両方)等は修学支援課で確認できる。また,学生本人と連絡が取れない場合は,保証人に連絡して,指導を依頼するといったことも必要である。
 
注1.指導教員の押印等が必要な書類
休学願,復学願,退学願,転部願,欠席届,海外渡航届,自動車入構許可証交付申請書,自動車入稿許可証(臨時)交付申請書,大学入学共通テスト実施期間中・個別学力検査時における本学学生の入構・入室許可証発行依頼書,一時出国届等留学生に関わる書類
 
注2.指導教員の所見等記入および押印等が必要な書類
入学料免除,入学料徴収猶予,授業料免除申請:経済・生活状況申請書(私費外国人留学生のみ),指導教員推薦調書(大学院生のみ)
日本学生支援機構奨学金申請:指導教員推薦所見(大学院生のみ)
日本学生支援機構私費外国人留学生学習奨励費申請:推薦書
各種奨学金:運営する団体の指定する書式
 
Ⅲ.宇都宮大学学生指導に関する規程
 
(趣旨)
第1条 この規程は,宇都宮大学学生(以下「学生」という。)に対する指導教員の任務等に関し,必要な事項を定める。
第2条 各学部に指導教員を置き,担当する学生に対し,適切な指導及び助言を行う。
2 担当する学生の区分は,各学部で定める。
3 指導教員の選出方法及びその数は,各学部で定める。
4 指導教員は,各学部長が委嘱する。
5 指導教員の任期は1年とし,再任を妨げない。
第3条 指導教員は,次に掲げる任務を行う。
(1) 学修についての指導及び助言
(2) 生活に関する指導及び助言
(3) 進路についての指導及び助言
(4) その他学生からの相談に対する指導及び助言
 
宇都宮大学授業料免除に関する取扱要領
 
8 私費外国人留学生の取り扱いについては,原則として日本人学生に準じて取り扱い,総所得金額の算出方法及び提出書類については以下の定めるところによる。
(1) 総所得金額の算出方法について
総所得金額は,本人の「経済・生活状況申告書」で申告のあった収入金額を基準として算出する。
(2) 提出書類について
私費外国人留学生で授業料の免除及び徴収猶予を受けようとする者は,宇都宮大学授業料及び寄宿料の免除並びに授業料の徴収猶予に関する規程(以下「規程」という。)に定める書類及び次の各号のうちア及びイの書類のほか,ウからオまでのうち該当する書類を提出しなければならない。
(途中省略)
ア 本人の「経済・生活状況申告書」 別紙
(以下略)
別紙1の経済・生活状況申告書に,「指導教員所見」欄がある。
 
宇都宮大学の日本学生支援機構に対する学業成績処置基準
 
別表に,たとえば,廃止について,「奨学生の所属する学部で定めた卒業に必要な修得単位数が右欄に該当する者。(学務委員又は指導教員協議)」とある。