○山口県立大学キャリア教育・就職支援方針
第1 キャリア教育・就職支援方針策定の趣旨
現在、人口減少社会における若年層労働力の減少等を見越した採用活動の早期化が進んでいます。また、採用活動におけるオンライン化も急速に進行しています。さらには、就業体験やインターンシップが拡大し浸透しています。このように急速に変化する高度情報化社会、グローバル化の進む社会を前に、学生が生涯にわたる社会的及び職業的自立を図るために必要な学び続ける力や職業観を身につけ、さらに自己実現を図るための第一歩となる進路を主体的・意欲的に選択できるよう、第4期中期計画期間におけるキャリア教育・就職支援方針を定めます。
第2 基本的な方向性
本学のキャリア教育・就職支援を充実するために、次の4つ柱を基本的な目標とし、期間全体並びに年度ごとの事業計画を策定し、実現していきます。
 (1) 初年次から最終年次まで学生のニーズと多様な進路に応じた段階的なキャリア教育・就職支援の実施
 (2) カリキュラムにおける学びや専門性に沿ったキャリア教育・就職支援の実施
 (3) 体験的・実践的な活動を重視したキャリア教育・就職支援の推進
 (4) 地域への理解を深め、地域の活性化に貢献できる人材育成と県内企業と連携したキャリア教育・就職支援の推進
(1) 初年次から最終年次まで学生のニーズと多様な進路に応じた段階的なキャリア教育・就職支援の実施
初年次から最終年次まで、各学科の教育課程の学年進行に応じてキャリア教育・就職支援を実施します。また、効率的・効果的にキャリアガイダンス、就職対策講座、キャリアカウンセリングが実施できるように各学科との連携を強化します。就職調査等から得られた学生のニーズに応じて、学生が主体的・意欲的な就職活動を展開できるよう、キャリア教育や就職支援の内容や方法等の改善に取り組みます。
キャリアガイダンス、就職対策講座、カウンセリング等の情報は、紙媒体のパンフレットや大学ウェブサイト、SNS等で周知を図ります。
(2) カリキュラムにおける学びや専門性に沿ったキャリア教育・就職支援の実施
各学部・研究科等において、海外からの留学生、社会人学生を含む多様な学生のキャリア形成を支援する視点を持って、専門分野の学びを基軸に、現代社会を多角的に分析する力、自己洞察力を育てる教育を実施します。
本学の卒業生・修了生の就職先が多岐に亘っていることに鑑み、それぞれ専門性や就職先に応じた適切なキャリアガイダンス、就職対策講座を実施します。また同時に、学生個々のニーズに適切に対応したきめの細かい就職支援を行います。
(3) 体験的・実践的な活動を重視したキャリア教育・就職支援の推進
就業体験、インターンシップ、専門インターンシップ及び各学科の実習など、体験的・実践的な活動を重視したキャリア教育・就職支援を推進します。また、基盤教育と専門教育のつながりを重視し、連携を図ります。
(4) 地域への理解を深め、地域の活性化に貢献できる人材育成と県内企業と連携したキャリア教育・就職支援の推進
本県や地域への理解を深め、本県や地域の活性化に貢献できる人材育成を目的として、卒業後、学生がそれぞれの地域社会で活躍できるよう、全学科の学部学生に対して「YFLキャリア」(Yamaguchi Frontier Leader やまぐち未来創成リーダー人材認定プログラム)を実施します。
大学リーグやまぐち県内就職部会が主催する「山口きらめき企業の魅力発見フェア(jobフェア)」等の行事への積極的な参加を進めます。また新しく学内での企業紹介や企業情報に触れる機会を増やすなど、本県への就職に結びつく取組を進めます。
第3 キャリア教育・就職支援方針の自己点検
本方針に基づいたキャリア教育・就職支援が適切に計画に移され、実施されているかについては、自己点検評価のPDCAサイクルにもとづき、常に取組等の改善に努めます。
第4 適用期間
本方針の適用期間は、第4期中期計画期間の令和6年度(2024年度)から令和11年度(2029年度)までの6年間とします。
 
【用語の定義】
 本方針では、以下の中央教育審議会答申(「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」、平成23年1月31日)を用います。
・「キャリア」:人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね
・「キャリア教育」:一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育
・「就職支援」:学生が自己の能力や適性、志望に応じて卒後の進路を主体的・意欲的に選択できるように、就職ガイダンスの実施、就職に関する情報の収集・提供、キャリアカウンセリング等、大学内の組織間の有機的な連携のもとに行われる具体的な事業・活動及び学生個人に対する具体的な支援行為(なお、本学ではここに大学院等の進学も含む)
 
 また、「インターンシップ」の定義については、令和4年6月、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(3省合意)の改正により以下の4類型に整理され、一定の基準を満たしたインターンシップで企業が得た学生情報(タイプ3及びタイプ4)を、広報活動や採用選考活動に使用できるよう見直されました。
・タイプ 1:「オープン・カンパニー」業界・企業による説明会・イベント
・タイプ 2:「キャリア教育」大学等の授業(講義)や企業によるプログラム
・タイプ 3:「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」職場における実務体験
・タイプ 4:「高度専門型インターンシップ」特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験
 また、「インターンシップ」について以下のように取り扱われています。
・「就業体験」:学部1年生から3年生を対象として、企業・業界を知ると共に働くことへの理解を深め、自らのキャリアを考えるためのものであるタイプ1及びタイプ2
・「インターンシップ」:学部3・4年生ないしは修士課程1・2年を対象として、自身のキャリアプランに照らし、就業体験を通じて自らの能力を見極めるものであるタイプ3のうち、5日間以上の短期で実施される汎用的能力活用型
・「専門インターンシップ」:2週間以上の長期で実施される専門活用型