第1章 | ハラスメントの定義 |
| 本憲章にいうハラスメントとは、法人の活動におけるすべての関係または地位を利用して行われる、当事者の望まない、不当な、有形または無形の圧力をいう。ハラスメントには、以下の行為が含まれる。 |
| 1) | セクシュアル・ハラスメント 性的要求や性的言動、または固定的な性的役割の観念に基づく言動を繰り返すことにより相手方に不利益を与えること及び相手方を不快にさせ、就労・修学や、教育・研究・課外活動の環境を悪化させることをいう。 |
| 2) | アカデミック・ハラスメント 教育上または研究上の優越的な地位や立場を利用して、教育指導上または職務上必要な範囲を超えた不適切な言動により相手方の研究学習意欲または研究学習環境を著しく阻害すること及びその職務を逸脱して精神的な苦痛、肉体的な苦痛または困惑を与えることをいう。 |
| 3) | パワー・ハラスメント 職務上の地位または人間関係などの職場内の優越的な地位や立場を利用して、業務上の必要な範囲を超えた言動により相手方に対して精神的な苦痛若しくは身体的な苦痛を与え、またはその就労意欲若しくは就労環境を著しく阻害することをいう。 |
| 4) | 妊娠・出産等に関するハラスメント 上司・同僚からの妊娠・出産等に関する言動により妊娠・出産等をした女性労働者の就業環境を害することをいう。 |
| 5) | 育児・介護休業等に関するハラスメント 上司・同僚からの育児・介護休業等に関する言動により育児・介護休業者等の就業環境を害することをいう。 |
| 6) | その他のハラスメント 相手方の人格権を侵害するようないじめまたは嫌がらせをいう。 |
第2章 | ハラスメントに対する基本方針 |
| ハラスメントは、人間としての品位と尊厳を著しく損なう恥ずべき行為であり、修学、就労、教育、または研究上の環境を劣化させる悪質な人権侵害に当たる。したがって法人は、あらゆるハラスメントを見のがしたり放置したりしないことを、ここに宣言する。 そのため、法人は、あらゆるハラスメントの防止に努めると共に、万一ハラスメントが発生した場合には、適正な手続きに基づいて、ハラスメントの被害者を迅速に救済し、また加害者にはその行為に対して厳正に対処することを宣言する。 |
第3章 | 法人構成員の義務 |
| 法人の構成員は、互いの人権を尊重し、人間としての品位と尊厳を傷つけるあらゆるハラスメントを排除する義務を負う。 |
第4章 | 法人の責任 |
| 理事長は、ハラスメントの防止及び対策について全般的な施策に責任を負う。また、それぞれの部局の管理者は、施策の具体的実施に関して責任を負う。 法人の構成員を監督する立場にある者は、ハラスメントの無い良好な環境を確保するため、日常的に適正な助言や指導を行わなければならない。さらに、ハラスメントに係る事件が生じた場合には迅速かつ適切に対処する責任を負う。 |
第5章 | ハラスメント防止及び対策のための措置 |
| ハラスメント防止及び対策のための必要な措置については、啓発や研修をすすめるとともに、適切な組織を構築するなどの方策によって、これを図る。 |
付章 | ハラスメント防止の心得 |
| ハラスメントを起こさないためには、次のことを理解しておかなければならない。 |
| 1) | 社会的、文化的叉は宗教的違いから、ある言動がハラスメントに当たるかどうかの認識や解釈が分れる場合がある。自分の一方的な価値観で判断せず、絶えず相手の立場に立って考え、また行動することが、大切である。 |
| 2) | ハラスメントは、しばしばそれと自覚しないで行われていることが多い。無自覚がハラスメントの被害を放置し、拡大してしまう結果になることを銘記すべきである。 |
| 3) | 特に、セクシュアル・ハラスメントの防止のために、男女は互いに対等なパートナーであることを常に認識しなければならない。また、一方的な性的関心でとらえることなく、相手の人格の尊厳と相手の立場への深い配慮に心掛けなければならない。 |