○奈良教育大学動物実験取扱規則
(平成19年6月15日規則第48号)
改正
平成19年10月18日規則第63号
平成20年2月15日規則第6号
平成23年12月22日規則第59号
平成27年2月27日規則第12号
平成27年7月29日規則第39号
令和元年5月15日規則第12号
令和4年4月1日教育大規則第2号
(目的)
第1条 この規則は、次の各号に掲げる法律、告示及びガイドライン(以下「法令等」という。)に則り、奈良教育大学(以下「本学」という。)において行う動物実験等を計画し、実施する際に遵守すべき事項を示すことにより、科学的にはもとより、動物福祉の観点からも適正な動物実験等の実施を促すことを目的とする。
(1) 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)
(2) 動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)
(3) 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。)
(4) 研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)
(5) 動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年日本学術会議)
(定義)
第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによるものとする。
(1) 実験動物とは、動物実験等の利用に供するため、第三号に定める施設で飼養又は保管するほ乳類、鳥類及び爬虫類に属する動物をいう。
(2) 動物実験等とは、実験動物を教育、研究、試験又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。
(3) 施設とは、実験動物の飼養、保管又は実験を行う本学の施設をいう。
(4) 管理者とは、実験動物及び施設を管理する者をいう。
(5) 動物実験実施者とは、動物実験等を行う者をいう。
(6) 動物実験責任者とは、動物実験実施者のうち、動物実験等の実施に関する業務を統括する者をいう。
(7) 動物実験計画とは、動物実験等の実施に関する計画をいう。
(適用範囲)
第3条 この規則は、本学において行われるほ乳類、鳥類及び爬虫類の生体を用いるすべての動物実験等に適用するものとする。
(施設及び設備)
第4条 学長は、動物実験等が適正かつ円滑に実施されるように、動物の生態、習性等を考慮した飼育施設及び動物実験等の場を整備するとともに、それらの管理・運営が円滑に行われるように努めなければならないものとする。
(動物実験計画の立案)
第5条 管理者及び動物実験実施者は、動物実験等の範囲を研究目的に必要な最小限にとどめるため、代替法の利用、適正な実験動物の選択、苦痛の軽減、実験方法の検討を行うとともに、適正な動物実験等に必要な飼育環境等の条件確保に努めなければならないものとする。
2 動物実験責任者は、動物実験計画の立案に際し、必要に応じて、実験動物に関する専門的知識を有する者又は、第12条に規定する委員会の助言等を求めることができるものとする。
3 動物実験実施者は、実験動物の選択に当たり、実験目的に適した動物種の選定、実験成績の精度や再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質、飼育条件等を考慮しなければならないものとする。
4 動物実験責任者は、動物実験等を実施する場合又は動物実験計画を変更して実施する場合において、あらかじめ動物実験計画書(別紙様式第1)又は動物実験計画変更申請書(別紙様式第2)を学長に提出し、承認を得なければならないものとする。
5 学長は、前項の申請があったときは、委員会の議を経てその承認又は不承認を決定し、動物実験責任者に通知するものとする。
6 動物実験責任者は、動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ、動物実験を実施することができない。
(実験報告)
第6条 動物実験責任者は、動物実験等を実施したときは、動物実験実施報告書(別紙様式第3)を学長に提出しなければならない。
2 学長は、前項の報告を受け、必要と認める場合は適正な動物実験等の実施のための改善措置を講じるものとする。
(動物の導入及び検疫)
第7条 動物実験実施者は、動物の発注条件、異常及び死亡の有無、動物の状態、輸送方法、輸送時間等を確認しなければならないものとする。
2 管理者及び動物実験実施者は、必要に応じて適切な実験動物の検疫を実施しなければならないものとする。
(実験動物の飼育管理及び危害防止)
第8条 管理者及び動物実験実施者は、適切な施設・設備の維持及び管理に努め、適切な給餌、給水等の飼育管理を行わなければならないものとする。
2 動物実験実施者は、施設への導入時から実験等終了時に至るすべての期間にわたって、動物の状態を詳細に観察・記録し、適切な処置を施さなければならないものとする。
3 管理者は、逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めるものとする。
4 管理者は、人に危害を加える等の恐れのある実験動物が施設外に逸走した場合には、速やかに関係機関へ連絡するものとする。
5 管理者は、動物実験責任者及び動物実験実施者が、実験動物由来の感染症及び実験動物による咬傷等に対して、予防及び発生時の必要な措置を講じるものとする。
6 管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は、人への危害の発生の防止のため、法令等に基づき必要な事項を別途定めるものとする。
7 管理者は、実験動物の飼養や動物実験等の実施に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じるものとする。
(実験操作)
第9条 動物実験実施者は、科学的のみならず動物福祉の観点から、適切な実験操作を行わなければならないものとし、実験の目的に支障を及ぼさない範囲で、適切な麻酔等の手段によって、動物に無用な苦痛を与えないように配慮するものとする。
2 動物実験実施者は、前項の手段を講じる場合において、必要に応じ、実験動物に関する専門的知識を有するもの又は委員会の判断を求めることができるものとする。
(実験終了後の処置)
第10条 動物実験実施者は、実験を終了した動物の処置については、適切な方法によって、速やかに動物を苦痛から解放しなければならないものとする。
2 管理者及び動物実験実施者は、動物の死体・糞尿又は悪臭によって、人の健康及び生活環境が損なわれないように努めなければならないものとする。
(安全管理等に特に注意を払う必要のある実験)
第11条 管理者及び動物実験実施者は、物質的若しくは化学的に危険な物質又は病原体を扱う動物実験において、人の安全を確保することはもとより、飼育環境の汚染により動物が障害を受けたり、実験結果のデータの信頼性が損なわれたりすることのないよう、十分に配慮しなければならないものとする。
2 管理者及び動物実験実施者は、危険物質及び病原体等を扱う動物実験を実施するときは、それぞれの関係法令等の規定に従わなければならないものとする。
(委員会の設置)
第12条 学長は動物実験計画の承認、実施状況及び結果の把握、教育訓練、自己点検・評価、情報公開、その他動物実験等の適正な実施に関して報告又は助言を行う組織として、本学に動物実験に関する委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(組織)
第13条 委員会は、次に揚げる委員で組織する。
(1) 副学長(研究担当)
(2) 学長が指名する者 若干名
(3) 副学長(研究担当)が指名する実験動物及び動物実験に関し専門的知識を有する者 若干名
2 前項第二号及び第三号の委員の任期は2年とし、再任することができる。ただし、委員に欠員を生じた場合に補充された委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(審議事項等)
第14条 委員会は、次に掲げる事項を審議するものとする。
(1) 動物実験の規則等に関する事項
(2) 動物実験計画の実施状況及び結果に関する事項
(3) 動物実験計画の法令等及び本規則に対する適合性に関する事項
(4) 動物実験等の実施に係る教育訓練に関する事項
(5) 動物実験等の実施に係る自己点検・評価に関する事項
(6) 動物実験等の実施に係る情報公開に関する事項
(7) その他動物実験等の適正な実施に関する重要事項
2 委員会は、動物実験計画等に対して、適切な助言及び指導を行うことができるものとする。
(委員長等)
第15条 委員会に委員長を置き、副学長(研究担当)をもって充てるものとする。
2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
3 委員長に事故があるときは、委員長の指名した委員がその職務を代理する。
4 委員会は必要に応じて、委員長を補佐する者として副委員長を置くことができる。
(議事)
第16条 委員会は、委員の3分の2以上の出席をもって成立する。
2 委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決定し、可否同数の場合は、議長の決するところによる。
3 議長が必要と認めたときは、委員以外の者を出席させ、意見等を聴くことができる。
(事務の処理)
第17条 委員会に関する事務は、教育研究支援課において処理するものとする。
(教育訓練)
第18条 管理者及び動物実験実施者は、次に掲げる事項について教育訓練を受けなければならない。
(1) 法令等及び本学の規則に関する事項
(2) 動物実験等の方法に関する基本的事項
(3) 実験動物の飼養保管に関する基本的事項
(4) 安全確保及び安全管理に関する事項
(5) その他動物実験等の適正な実施に関し必要な事項
2 委員会は、前項の教育訓練の実施年月日、教育内容、講師及び受講者の記録を保存しなければならない。
3 教育訓練の実施に関し必要な事項は、委員会が定める。
(自己点検・評価)
第19条 学長は委員会に、基本指針への適合性に関し、自己点検・評価を行わせるものとする。
2 委員会は、動物実験等の実施状況等に関する自己点検・評価を行い、その結果を学長に報告しなければならない。
3 委員会は、管理者及び動物実験実施者に、自己点検・評価のための資料を提出させることができる。
4 学長は、自己点検・評価の結果について、学外の者による検証を受けるよう努めなければならない。
(情報公開)
第20条 学長は基本指針に基づき、本学における動物実験等に関する情報を毎年1回程度公表するものとする。
(緊急時の対応)
第21条 管理者は、地震、火災等の緊急時に執るべき措置をあらかじめ作成し、関係者に対して周知を図るものとする。
2 管理者は、緊急事態発生時において、実験動物の保護、実験動物の逸走による危害防止に努めなければならない。
(雑則)
第22条 ほ乳類、鳥類及び爬虫類に属する動物以外の脊椎動物を実験等に用いる場合においても、この規則の趣旨に沿って行うよう努めるものとする。
2 この規則に定めるもののほか、動物実験に関し必要な事項は、委員会が定める。
附 則
1 この規則は、平成19年6月15日から施行する。
2 この規則施行後、最初に指名された第12条第1項第3号の委員の任期は、同条第2項本文の規定にかかわらず、平成21年3月31日までとする。
附 則(平成19年10月18日規則第63号)
この規則は、平成19年10月18日から施行し、平成19年9月1日から適用する。
附 則(平成20年2月15日規則第6号)
この規則は、平成20年2月15日から施行する。
附 則(平成23年12月22日規則第59号)
この規則は、平成23年12月22日から施行する。
附 則(平成27年2月27日規則第12号)
この規則は、平成27年2月27日から施行する。
附 則(平成27年7月29日規則第39号)
この規則は、平成27年7月29日から施行し、平成27年4月1日から適用する。
附 則(令和元年5月15日規則第12号)
この規則は、令和元年5月15日から施行し、令和元年5月1日から適用する。
附 則(令和4年4月1日教育大規則第2号)
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
別表様式第1
動物実験計画書

別紙様式第2
動物実験計画変更申請書

別表様式第3
動物実験実施報告書