○奈良女子大学理学部イオンビーム実験室放射線障害予防規程
(平成24年9月19日規程第61号) |
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第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,奈良女子大学放射線障害予防規程第7条に基づき,奈良女子大学理学部イオンビーム実験室(以下「イオンビーム実験室」という。)における放射線発生装置(ファン・デ・グラーフ型加速装置をいう。以下同じ。)の取扱いを規制することにより,放射線による障害の発生を防止し,併せて公共の安全を確保することを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規程は,イオンビーム実験室に立ち入るすべての者に適用する。
(定義)
第3条 この規程において用いる用語の定義は次のとおりとする。
(1) 放射線取扱等業務 放射線発生装置取扱い及び管理又はこれに付随する業務をいう。
(2) 放射線業務従事者 放射線取扱等業務に従事するため,管理区域に立ち入る者をいう。(以下「業務従事者」という。)
(3) 一時立入者 業務従事者以外の者で一時的に管理区域に立ち入る者をいう。
(4) 管理区域 放射線障害の防止のため,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号)第1条第1号に定める場所をいう。
(他の規則等との関連)
第4条 放射線発生装置の取扱いに係る保安については,この規程に定めるもののほか,次に掲げる細則の定めによる。
(1) イオンビーム実験室使用規則
(2) 放射線測定に関する維持管理要項
第2章 組織及び職務
(組織)
第5条 イオンビーム実験室における放射線障害防止に関する組織は,別表第1に定めるとおりとする。
[別表第1]
(学長の職務)
第6条 学長は,本学における放射線障害防止に関する最終的な責任を有し,適正な実施のため必要な措置を講ずるものとする。
(放射線障害予防委員会)
第7条 本学における放射線発生装置の安全取扱い並びにその安全管理の向上を図ることを目的として,放射線障害予防委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会に委員長を置き,学長が任命する。
3 委員長は,次に掲げる事項を調査,又は審議し,学長に具申する。
(1) イオンビーム実験室における放射線施設の新設,改廃及び事業所境界,管理区域,変更及び廃止に関すること
(2) 業務従事者の登録許可,許可の取消し及び放射線発生装置の使用計画並びに教育訓練の方針及び内容の改善に関すること
(3) 放射線安全管理及び放射線施設管理等についての調査,検討及びその改善に関すること
(4) イオンビーム実験室の利用申込者に係る利用方法の安全審査に関すること
(5) その他イオンビーム実験室の運営に関し必要な事項
4 前項の他,委員会の運営及び職務等については,別に定める奈良女子大学放射線障害予防委員会規則に拠るものとする。
(室長の職務)
第8条 放射線障害の防止について,監督を行わせるため,イオンビーム実験室に室長を置く。
2 室長は,イオンビーム実験室の放射線障害の防止に関して総括する。
3 室長は,放射線障害の防止に関し,第9条に規定する放射線取扱主任者の意見を尊重しなければならない。
[第9条]
4 室長は,学長が任命する。
5 室長は,イオンビーム実験室の安全管理上必要な措置を講ずる。
(放射線取扱主任者及び放射線取扱主任代理者)
第9条 放射線障害の発生防止について,総括的な監督を行わせるため,イオンビーム実験室に放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)を置く。
2 主任者が病気その他の事由により職務を行えない場合に,その期間中その職務の全てを代行させるため放射線取扱主任代理者(以下「主任代理者」という。)を置く。
3 主任者及び主任代理者は,第一種放射線取扱主任者免状の所有者の中から,室長が推薦し学長が命ずる。また,解任する場合は,室長の解任理由に基づき,学長が解任する。なお,30日以上,主任者が職務を行えない場合は,原子力規制委員会に主任代理者の選任の届出をし,また,解任した場合は,解任の届出をしなければならない。
4 学長は,主任者に対し選任された日から1年以内及び前回の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始日から3年以内ごとに登録定期講習機関が行う定期講習を受けさせなければならない。
(主任者の職務)
第10条 主任者は,イオンビーム実験室における放射線障害の発生防止に係る次の事項について監督を行うほか,室長へ意見を具申する。
(1) 本予防規程等の制定及び改廃への参画
(2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
(3) 教育訓練の計画等に対する指導及び指示
(4) 危険時の措置等に関する対策への参画
(5) 法令に基づく申請,届出,報告の確認・審査
(6) 立ち入り検査等の立ち合い
(7) 異常及び事故の原因調査への参画
(8) 使用状況等及び帳簿,書類等の確認
(9) 業務従事者への監督・指導
(10) 関係者への助言,勧告及び指示
(11) 室長に対する意見の具申
(12) 委員会開催の要求
(13) その他放射線障害防止に関する必要事項
(安全管理責任者)
第11条 イオンビーム実験室に安全管理責任者を置く。
2 安全管理責任者は放射線管理に関する業務を統括し,その結果を室長及び主任者に報告する。
3 安全管理責任者は室長が任命する。
4 安全管理責任者は,次の業務を行う。
(1) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばく及び放射性汚染の管理
(2) 管理区域内外に係る放射線の量の測定
(3) 放射線測定機器の保守管理
(4) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管,運搬及び廃棄に関する管理
(5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
(6) 業務従事者に対する教育及び訓練計画の立案及びその実施
(7) 業務従事者に対する健康診断計画の立案及びその実施
(8) 放射性廃棄物の保管管理及びそれらの処理に関する業務
(9) 上記の第一号から第八号に関する記帳・記録の管理
(10) 関係法令に基づく申請,届出等の事務手続き,その他管理省庁との連絡等,事務的事項に関する業務
(11) その他放射線障害防止に関する業務
5 前項の業務及びこれらにかかる改善措置は,必要に応じ,外部業者に請け負わせることができる。
(施設管理責任者)
第12条 イオンビーム実験室に,施設管理責任者を置く。
2 施設管理責任者はイオンビーム実験室の維持及び管理を総括する。
3 施設管理責任者は室長が任命する。
4 施設管理責任者は,次の業務を行う。
(1) イオンビーム実験室の保守管理及び設備の保守管理
(2) 作業環境の保全
(3) その他施設・設備の維持及び管理に必要な業務
(使用責任者)
第13条 室長は,放射線発生装置の安全な取扱いを図るために,作業グループごとに使用責任者を置かなければならない。
2 使用責任者は,業務従事者に対し,放射線発生装置の取扱いについて適切な指示を与えるとともに放射線発生装置の使用に関する記帳を行わなければならない。
(業務従事者)
第14条 放射線発生装置を使用しようとする者は,あらかじめ室長に業務従事者の登録を申請し室長及び主任者の承認を得なければならない。
2 前項の登録をされた者は,第25条に定める教育訓練及び第26条に定める健康診断を受けなければならない。
3 第1項の登録の有効期限は,登録を受けた年度内とし,更新することができる。
4 登録されていない者は,放射線取扱等業務に従事することができない。
(学外者の申請及び登録)
第15条 第14条の規定にかかわらず,本学以外の者がイオンビーム実験室において放射線取扱等業務に従事しようとするときは,あらかじめ室長に業務従事者の登録を申請し,室長及び主任者の承認を得なければならない。
[第14条]
2 主任者が前項の申請を承認したときは,速やかに室長に報告しなければならない。
3 前項の申請を承認された業務従事者に対し主任者は,取扱等業務に従事する前に,第25条に定める教育訓練を行うものとする。
[第25条]
(一時立入者)
第16条 見学等で管理区域に立ち入る者は,あらかじめ主任者の許可を得なければならない。
第3章 放射線施設の維持・管理
(管理区域)
第17条 室長は,放射線障害の防止のため,放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「施行規則」という。)第1条第1号に定める場所を管理区域として指定する。
2 安全管理責任者は,次に定める者以外の者を担当する管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 業務従事者として登録された者
(2) 見学者等で一時立入者として主任者が認めた者
(管理区域における遵守事項)
第18条 管理区域に立ち入る者は,主任者の指導に従い,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りすること。
(2) 管理区域内に立ち入り及び退出,放射線発生装置の取扱い等の必要事項を記録すること。
(3) 個人被ばく線量計を指定された位置に着用すること。
(4) 管理区域内において飲食,喫煙等の内部被ばくのおそれのある行為を行わないこと。
(5) 業務従事者は,主任者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(6) 一時立入者は,主任者,安全管理責任者及び業務従事者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,施設の保安を確保するための指示に従うこと。
2 安全管理責任者は,管理区域の入口の目に付きやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示しなければならない。
(自主点検)
第19条 安全管理責任者及び施設管理責任者は,別表第2に定めるところにより,定期的に点検を行わなければならない。
[別表第2]
2 安全管理責任者及び施設管理責任者は,前項の点検を終えたときは,主任者を通じて室長に報告しなければならない。また,点検の結果,異常を認めたときは,その旨を室長に報告するとともに,修理をする等必要な措置を講じなければならない。
3 室長は,重大な異常については,学長に報告しなければならない。
(修理,改造等)
第20条 主任者は,設備機器等について,修理,改造及び除染等を行うときは,その実施計画を作成し,室長の承認を受けなければならない。ただし,保安上影響が軽微と認められるものについてはこの限りではない。
2 主任者は,前項の修理,改造及び除染を終えたときは,その結果について室長に報告しなければならない。
3 室長は,第1項の承認を行う際に放射線障害の防止上必要があると認めるときは,委員会に諮るものとする。
第4章 放射性同位元素等の使用等
(使用)
第21条 放射線発生装置を使用する場合は,あらかじめ年度ごとの使用にかかる計画を作成の上,室長に提出し委員会の承認を受けなければならない。
第22条 放射線発生装置を使用する者は,安全管理責任者の管理のもとに,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用に際して,放射線発生装置の最大使用性能を超えないこと。
(2) 一週間当たりの使用許可時間を超えないこと。
(3) インターロックや表示灯が正常に作動することを確認すること。
(4) イオン加速を行う際には,管理区域に人がいないことを確認すること。
(5) イオン加速中は,コントロール室を離れないこと。
(6) 実験終了時に管理区域内における線量測定を行い,その記録を安全管理責任者に報告すること。
第5章 測定
(場所の測定)
第23条 安全管理責任者は,放射線測定器を用いて放射線障害のおそれのある場所の放射線の量について,法で定められた期間ごとに測定し,その結果を記録しなければならない。放射線の量の測定は,原則として1センチメートル線量当量について放射線測定器を用いて行うこと。ただし,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には,計算によってこれらの値を算出することができる。
2 測定は次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は使用施設,管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
(2) 実施時期は取扱開始前に1回,取扱開始後にあっては,6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
3 次の項目について測定結果を記録し,保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定箇所
(3) 測定者の氏名
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
(6) 測定結果
(7) 測定の結果とった措置がある場合には,その内容
4 前項の測定結果は室長が5年間保存する。
(個人被ばく線量の測定)
第24条 室長は,管理区域に立ち入る者に対し,適切な個人被ばく線量計を着用させ次の各号に従い個人被ばく線量を測定しなければならない。ただし,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合は,計算によってこれらの値を算出することとする。
(1) 放射線の量の測定は外部被ばく線量について行うこと。
(2) 測定は胸部(女子(妊娠不可能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を主任者に申し出た者を除く。ただし,合理的な理由があるときは,この限りでない。)にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については,1センチメートル線量当量)について行うこと。
(3) 前号のほか人体部位のうち外部被ばくが最大となるおそれのある部位についても測定を行うこと。
(4) 測定は,管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。ただし,一時立入者として主任者が認めた者については,外部被ばくの線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うこととする。
(5) 次の項目について,測定の結果を記録すること
ア 測定対象者の氏名
イ 測定をした者の氏名
ウ 放射線測定器の種類及び型式
エ 測定方法
オ 測定部位及び測定結果
(6) 前号の測定結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により主任者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1月間及び廃止措置期間中においては汚染を除去する前及び除去した後について,当該期間毎に集計し,その都度記録すること。
(7) 第五号の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し次の項目について記録すること。
ア 算定年月日
イ 対象者の氏名
ウ 算定者の氏名
エ 算定対象期間
オ 実効線量
カ 等価当量及び組織名
(8) 前号の算定は4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により主任者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1月間及び廃止措置期間中においては汚染を除去する前及び除去した後に,当該期間毎に行い,算定の都度記録すること。
(9) 前号による被ばく線量の算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量または眼の水晶体の等価線量が20ミリシーベルトを越えた場合は,当該1年間を含む平成13年4月1日を始期とする5年ごとに区分した期間の累積線量を集計し,集計の都度次の項目について記録すること。
ア 集計年月日
イ 対象者の氏名
ウ 集計した者の氏名
エ 集計対象期間
オ 累積実効線量
(10) 第五号から第八号までの記録は主任者が永久に保存するとともに,記録の都度対象者に対しその写しを交付すること。ただし,当該記録の保存は5年を経過した後にあっては,原子力規制委員会が指定する機関に引き渡すことができるものとする。
(測定の信頼性確保に関する維持管理)
第24条の2 安全管理責任者は、放射線測定に関する維持管理要項に従い、第23条及び前条で使用する放射線測定器の測定の信頼性の確保と、常に正常な機能を維持するように保守しなければならない。
[第23条]
第6章 教育及び訓練
(教育及び訓練)
第25条 室長は,管理区域に立ち入る者及び業務従事者に対し,以下の区分に応じて放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
ア | 業務従事者 |
イ | ア以外の者(放射線取扱等業務に従事しない者であって一時的に管理区域に立ち入る者) |
2 教育及び訓練の実施時期は,次のとおりとする。
(1) アの者については,業務従事者として登録し放射線取扱等業務を開始する前及び放射線取扱等業務の開始後にあっては,前回の講習日の属する年度の翌年度の開始日から1年を超えない期間ごと
(2) イの者については,管理区域に立ち入る前
3 教育及び訓練の内容及び時間数は,次のとおりとする。
(1) 前項第一号の場合の放射線取扱等業務を開始する前については,次表に掲げる項目及び時間数
項目 | 時間数 |
放射線の人体に与える影響 | 30分以上 |
放射性同位元素等又は放射線発生装置の安全取扱い | 1時間以上 |
放射線障害の防止に関する法令及び放射線障害予防規程 | 30分以上 |
(2) 前項第一号の場合の放射線取扱等業務の開始後については,当該者が立ち入る事業所において放射線障害が発生することを防止するために必要な事項
(3) 前項第二号の場合にあっては,事業所において放射線障害が発生することを防止するために必要な事項
4 第1項の規定にかかわらず,前項に掲げる項目又は事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる者に対しては,当該項目又は事項についての教育訓練を省略することができる。その場合は,教育訓練受講記録に省略理由を記載しなければならない。
5 教育及び訓練の項目の内容については,室長が主任者及び安全管理責任者と協議の上,作成し,委員会の承認を得ることとする。また,委員会で決まった方針に従い,内容・時間等の変更及び改善を行わなければならない。
第7章 健康管理
(健康管理)
第26条 室長は,業務従事者に対して次の各号に定めるところにより健康診断を実施しなければならない。
(1) 実施時期は次のとおりとする。
ア 業務従事者として登録する前又は初めて管理区域に立ち入る前
イ 管理区域に立ち入った後にあっては6月を超えない期間ごと。
(2) 健康診断は,問診及び検査又は検診とする。
(3) 問診は,放射線の被ばく歴の有無及びその状況について行うこと。
(4) 検査又は検診は,次の部位及び項目について行うこと。ただし,イからウについては,医師が必要と認める場合に行うこととする。
ア 末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及び白血球百分率
イ 皮膚
ウ 眼
2 室長は,前各号の規定にかかわらず,業務従事者が実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし,又は被ばくしたおそれのある場合は,学長に通報のうえ遅滞なくその者につき健康診断を行わなければならない。
3 室長は,健康診断の結果を記録しなければならない。
4 健康診断の結果は,室長が永久に保存するとともに実施の都度記録の写を対象者に交付しなければならない。
第27条 室長は,業務従事者が放射線障害を受け,又は受けたおそれがあると認められた場合には,その程度に応じ,次のいずれかの措置をとり,かつ,必要な保健指導を受けるよう指示するとともに,委員長及び学長に報告しなければならない。
(1) 事業所への立入時間の短縮
(2) 事業所への立入禁止
第28条 室長は,使用施設に一時的に立ち入った者が,放射線障害を受け,又は受けたおそれのある場合には,遅滞なく医師による診断,必要な保健指導等の適切な措置を講じなければならない。
第8章 記帳及び保存
(記帳及び保存)
第29条 安全管理責任者は,次に掲げる事項について帳簿に記帳しなければならない。
(1) 放射線発生装置の使用の年月日,目的,方法及び場所
(2) イオンビーム実験室に立ち入る者に対する教育及び訓練に関する事項
(3) イオンビーム実験室の定期点検に関する事項
(4) 放射線測定器の点検・校正
2 前項に定める帳簿は毎年3月31日又は廃止日等に閉鎖し,安全管理責任者が5年間保存しなければならない。
第9章 災害時の措置等
(事故等の措置)
第30条 次の各号に掲げる事態の発生を発見した者は,別表第3に定める災害時の連絡通報体制に従い通報しなければならない。
[別表第3]
(1) 次の線量が線量限度を超え,又は超えるおそれのあるとき
ア 使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量
イ 事業所の境界(及び事業所内の人が居住する区域)における線量
(2) 使用その他の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,次の線量を超え,又は超えるおそれがあるとき
ア 業務従事者: 5mSv
イ 業務従事者以外の者: 0.5mSv
(3) 業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき
2 室長は,前項の通報を受けたときは,その旨を直ちに,その状況及びそれに対する措置を10日以内に,学長を経由して,それぞれ原子力規制委員会に報告しなければならない。
(災害時の措置)
第31条 主任者は,実験室が所在する同一市区町村内で大規模自然災害(震度5強以上の地震,風水害による家屋全壊(住家流出又は1階天井までの浸水,台風及び竜巻等による家屋全壊が発生した場合)),または実験室に火災等の災害が起こった場合には,別表第3に定めた災害時の連絡通報体制に従い,あらかじめ指定された点検担当者が別表第4に定める項目について点検を行い,その結果を室長に報告しなければならない。室長は主任者と協議の上,必要な応急措置を講じなければならない。
2 室長は,前項の点検結果及び講じた応急措置について学長に報告しなければならない。
3 学長は,室長の応急措置では対応しきれない事態に対して,実験室の安全管理上必要な予算的措置を講じなければならない。
(危険時の措置)
第32条 前条で定めるもののほか,放射線障害が発生した場合又はそのおそれがある事態の発見者は,別表第3に定める災害時等の連絡通報体制に従い,直ちに災害の拡大防止,通報及び避難警告等応急の措置を講じるとともに,主任者に通報しなければならない。
[別表第3]
2 前項の事故等により,通報を受けた主任者は,直ちに室長及び委員長に連絡しなければならない。
3 主任者は必要な応急措置を講じなければならない。
4 主任者は,前項の点検報告及び講じた応急措置について室長に報告しなければならない。
第10章 情報提供
(情報提供)
第33条 事故等の報告を要する放射線障害のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合には,室長は学長に報告した上で,大学ホームページに事故の状況及び被害の程度等を掲載することにより公衆及び報道機関へ情報提供するとともに,外部からの問合せに対応するため,問合せ窓口を設置するものとする。
2 発生した事故の状況及び被害の程度等に関して外部に提供する内容は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) 事故の発生日時及び発生した場所
(2) 事業所外への影響
(3) 放射線発生装置の使用状況
(4) 応急措置の内容
(5) 放射線測定器による放射線量の測定結果
(6) 事故の原因及び再発防止策
3 室長は情報提供内容について,委員会の協議を経て決定し,学長に報告することとする。
第11章 報告
(定期報告)
第34条 主任者は,毎年4月1日から翌年の3月31日までの期間について法に定められた放射線管理状況報告書を作成し室長に報告しなければならない。
2 室長は,当該期間の経過後3カ月以内に学長を経由して,原子力規制委員会に届け出なければならない。
附 則
1 この規程は,平成24年9月19日から施行し,平成24年4月1日から適用する。
2 奈良女子大学理学部物理科学科イオンビーム実験室放射線障害予防規程(平成16年4月1日規程第96号)は廃止する。
附 則(令和元年6月12日規程第18号)
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この規程は,令和元年8月1日から施行する。
附 則(令和4年4月1日女子大規程第69号)
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この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和4年4月1日女子大規程第72号)
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この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年9月27日女子大規程第4号)
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この規程は、令和5年10月1日から施行する。
別表第2(第19条関係)
自主点検の点検項目
点検項目 | 点検細目等 | 点検の頻度 |
1 共通事項 | ||
1)位置等 | ||
地崩れ,浸水のおそれ | 大学内外の地形,崖のよう壁,河川の堤防等の状況。最近の地崩れ,浸水の発生状況 | 1回/年以上 |
周囲の状況 | 大学の境界,構内の人の居住区域等の状況 | |
2)主要構造部等 | 使用施設について耐火構造又は不燃材料造り | 同上 |
3)しゃへい等 | ||
施設内の人の常時立入る場所,管理区域の境界 | しゃへい物の破損,欠落等の状況。これらの場所における線量当量が限度値以下 | 2回/年以上(測定は12回又は2回/年以上) |
大学の境界及び大学内の人の居住区域 | 同上 | |
2 放射線発生装置取扱施設 | ||
1)使用室 | ||
自動表示装置 | 種類,設置位置,作動(点灯の時期等)の状況 | 2回/年以上(作動は日常点検) |
インターロック | 種類・方式,設置位置,作動(作動の時期等)の状況 | 同上 |
その他安全装置 | 監視装置等の状況 | 1回/年以上 |
標識 | 「放射線発生装置使用室」標識の設置,破損・褪色の状況 | 2回/年以上 |
別表第4(第31条関係)
災害時の点検項目
点検項目 | 点検細目等 |
1 共通事項 | |
1) 位置等 | 大学内外の地形,崖のよう壁,河川の堤防等の状況。最近の地崩れ,浸水の発生状況 |
地崩れ,浸水のおそれ | |
周囲の状況 | 大学の境界,構内の人の居住区域等の状況 |
2) しゃへい等 | |
施設内の人の常時立入る場所,管理区域の境界 | しゃへい物の破損,欠落等の状況。これらの場所における線量当量が限度値以下 |
大学の境界及び大学内の人の居住区域 | 同上 |
3) 管理区域 | |
設定 | 管理区域設定の状況 |
管理区域の境界 | 境界における線量当量が限度値以下 |
区画物 | 区画物の状況(設置と破損) |
2 放射線発生装置取扱施設 | |
1) 使用室 | |
自動表示装置 | 種類,設置位置,作動(点灯の時期等)の状況 |
インタ-ロック | 種類・方式,設置位置,作動(作動の時期等)の状況 |
その他安全装置 | 監視装置等の状況 |