○奈良女子大学における研究上の不正行為の防止等に関する規程
(平成19年2月21日規程第70号)
改正
平成25年5月22日規程第7号
平成26年2月19日規程第88号
平成26年3月19日規程第105号
平成27年3月18日規程第55号
平成28年10月20日規程第21号
平成30年2月21日規程第73号
令和元年7月17日規程第24号
令和2年3月18日規程第153号
令和3年12月15日女子大規程第23号
令和4年4月1日女子大規程第69号
令和6年4月1日女子大規程第16号
令和7年4月1日女子大規程第10号
(目的)
第1条 この規程は,奈良女子大学(以下「本学」という。)において行われる研究上の不正行為の防止及び不正行為が生じた場合の適切な措置等に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,「研究者」とは,本学において研究活動に従事する職員(非常勤である者及び研究支援者を含む。),学生,その他本学の施設及び設備を利用して研究活動を行う者をいう。
2 この規程において,「不正行為」とは,研究の立案,計画,実施,成果の取りまとめ及び成果発表の過程における故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる行為で,次に掲げるものをいう。
(1) 捏造 存在しないデータ,研究結果等を作成すること。
(2) 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
(3) 盗用 他の研究者のアイディア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を,当該研究者の了解若しくは適切な表示なく流用すること。
(4) その他,論文の二重投稿(他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する行為をいう。),不適切なオーサーシップ(論文著作者を適正に公表せずに論文を投稿する行為をいう。)等研究活動上の不適切な行為であって,行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱が甚だしいもの
3 この規程において,「部局」とは,奈良女子大学組織運営規程第4章に規定する教育研究組織,同規程第5章に規定する附属学校及び同規程第6章に規定する附属教育研究施設等をいう。ただし,研究院は,奈良女子大学研究院規程第2条に規定する各学系をいう。
4 この規程において,「部局長」とは,前項に規定する部局の長をいう。
(研究者の責務)
第3条 研究者は,不正行為を行ってはならず,また,他者による不正行為の防止に努めなければならない。
2 研究者は,研究に求められる倫理規範を修得するための教育(以下「研究倫理教育」という。)を受講しなければならない。
3 研究者は,研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに,第三者による検証可能性を担保するため,実験・観察記録ノート,実験データその他の研究資料等,研究に基づき外部に発表する論文及び研究成果を導出するために必要とした各種データ(以下「研究データ」という。)を適切に保存・管理し,開示の必要性及び相当性が認められる場合は,これを開示しなければならない。
(研究データの保存期間)
第4条 研究データの保存期間は,当該研究成果の公開時点から,原則として次に掲げる期間とする。ただし,研究分野の特性に応じ,各部局又は各研究分野において別の定めをすることができる。
(1) 文書,数値データ,画像などの研究資料 10年間
(2) 試料や標本などの有体物 5年間
2 前項の研究データの保存期間及び管理方法の詳細については,別に定める。
(最高管理責任者)
第5条 本学に,研究倫理の向上及び不正行為の防止等に関し,大学全体を統括し,最終責任を負う者(以下「最高管理責任者」という。)を置き,学長をもって充てる。
2 最高管理責任者は,行動規範を策定・周知し,公正な研究活動を推進するために必要な措置を講じるものとする。
(研究倫理責任者)
第6条 本学に,研究倫理責任者を置き,研究を担当する副学長をもって充てる。
2 研究倫理責任者は,本学の研究倫理の向上に責任を有し,公正な研究活動を推進する。
3 研究倫理責任者は,研究上の不正行為に関して,告発の受付から調査等を統括する。
(研究倫理教育責任者)
第7条 部局に研究倫理教育責任者を置き,部局長をもって充てる。
2 研究倫理教育責任者は,部局における公正な研究の実施及び研究上の不正行為の防止を図るための研究倫理教育を定期的に実施するものとする。
3 研究倫理教育責任者は,前項の実施状況を,研究倫理責任者に報告するものとする。
(研究公正委員会)
第8条 研究上の不正行為に関する重要事項を審議するため,研究公正委員会を設置し,次に掲げる業務をつかさどる。
(1) 公正な研究を実施するための教育・啓発活動
(2) 不正行為が生じた場合の調査,審理及び判定
(3) その他公正な研究の実施及び研究上の不正行為の防止を図るために必要な活動
2 委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 研究倫理責任者
(2) 各学部長
(3) 人間文化総合科学研究科長
(4) 学術情報センター長
(5) 附属学校部長
(6) 各学部及び人間文化総合科学研究科から選出された評議員 各1名
(7) その他委員会が必要と認めた者
3  前項第六号及び第七号の委員は,最高管理責任者が任命する。
4  第2項第六号に定める委員の任期は,その者の評議員としての任期と同一の期間とする。
5  第2項第七号に定める委員の任期は2年とする。ただし,最高管理責任者が特に必要と認める場合は,任期を2年以内の期間とすることができる。
6 委員会に委員長を置き,研究倫理責任者をもって充てる。
7 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。ただし,委員長に事故あるときは,委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行する。
8 委員会は,委員の過半数が出席しなければ議事を開き,議決することができない。
9 議事は,出席した委員の3分の2以上の賛成をもって決する。
10 委員会は,必要に応じて専門委員会を置くことができる。
11 委員会に関する事務は,関係部局の協力を得て,研究協力課において処理する。
(告発等の受付け)
第9条 研究活動の不正行為に係る告発等を受付けるため,研究協力課に受付窓口を設置する。
2 告発は,原則として顕名とし,告発対象事案の内容,その他必要事項を記載した申立書(別紙様式1)により,電子メールに添付して送信,又は送付(郵送等によるものとし,FAXによるものは除く。)して行うものとする。
3 前項にかかわらず,匿名による告発があった場合,告発対象事案の内容に応じ,顕名の告発があった場合に準じた取扱いをすることができる。
(告発等の取扱い)
第10条 研究倫理責任者は,前条により告発があった場合には,その内容を確認し,不正行為を行ったとする研究者・グループ,不正行為の態様等,事案の内容を明示し,かつ不正とする科学的合理的理由が示されている場合には,当該告発を受理することとし,匿名による告発を除き,当該告発者に対して,受理又は不受理の結果を通知する。
2 研究倫理責任者は,告発が,本学が調査を行うべき内容でない場合は該当する研究機関等に当該告発を回付する。また,告発内容が,他にも調査を行う研究機関等が想定される場合は,該当する機関に当該告発について通知する。
3 他の研究機関等から回付された告発は,本学に告発があったものとして取り扱う。
4 報道や学会等の研究者コミュニティにより不正行為の疑いが指摘された場合,匿名の告発があった場合に準じて取扱うものとする。
5 告発の意思を明示しない相談については,研究倫理責任者は,その内容に応じ,告発に準じてその内容を確認・精査し,相当の理由があると認めた場合は,相談者に対して告発の意思があるか否か確認するものとする。これに対して告発の意思表示がなされない場合でも,当該事案の調査を開始することができる。
6 不正行為が行われようとしている,あるいは不正行為を求められているという告発・相談を受けた場合は,研究倫理責任者は,その内容を確認・精査し,相当の理由があると認めたときは被告発者に警告を行うものとする。
ただし,被告発者が本学に所属する研究者でないときは,被告発者の所属する機関に事案を回付することができる。また,本学に所属しない被告発者に警告を行った場合は,被告発者の所属する機関に警告の内容等について通知するものとする。
7 研究倫理責任者は,本条第1項から前項までの対応について,必要に応じて研究公正委員会を開催し,協議するものとする。
(告発者・被告発者の取扱い)
第11条 告発を受付ける場合,研究倫理責任者は,受付窓口担当職員以外は見聞できないよう告発内容や告発者の秘密保持を徹底する。
2 研究公正委員会は,告発者,被告発者,告発内容及び調査内容について,調査結果の公表まで,調査関係者以外に漏洩しないよう,関係者の秘密保持を徹底する。
3 研究公正委員会は,調査事案が漏洩した場合,告発者及び被告発者の了解を得て,調査中にかかわらず調査事案について公に説明することができる。ただし,告発者又は被告発者の責により漏洩した場合は,その限りではない。
4 悪意に基づく告発を防止するため,研究公正委員会は告発者に調査に協力を求める場合がある。なお,調査の結果,悪意に基づく告発であったことが判明した場合は,氏名の公表や懲戒処分,刑事告発を行う場合がある。
5 最高管理責任者は,悪意に基づく告発であることが判明しない限り,単に告発したことを理由に告発者に対し,不利益な取扱いを行ってはならない。
6 最高管理責任者は,相当な理由なしに単に告発がなされたことのみをもって,被告発者の研究活動を全面的に禁止したり,不利益な取扱いを行ったりしてはならない。
(調査機関等)
第12条 本学に所属する研究者に係る研究活動の不正行為の告発があった場合,原則として本学が告発された事案の調査を行う。
2 被告発者が,他の研究機関で行った研究に係る告発があった場合,研究が行われた研究機関と協議して,告発された事案の調査を行うものとする。
3 被告発者が,本学を既に離職している場合,現に所属する研究機関と協議して,告発された事案の調査を行うものとする。また,被告発者が離職後,どの研究機関にも所属していないときは,本学が告発された事案の調査を行う。
4 告発された研究の分野に関連がある他の研究機関や学協会等の研究者コミュニティに調査を委託することもしくは調査を実施する上での協力を求めることができる。
(予備調査)
第13条 研究倫理責任者は,第9条の規定により告発を受理したときは,速やかに研究公正委員会を開催し,研究上の不正行為に関して本調査が必要かどうかを検討するため,告発内容の合理性,本調査可能性等について予備調査を行う。
2 最高管理責任者は,告発の有無に関わらず,相当の信頼性のある情報に基づき,不正行為があると疑われる場合は,当該行為に係る予備調査の開始を研究倫理責任者に命ずることができる。
3 予備調査は,告発を受け付けた後,概ね30日以内に終えるよう努めなければならない。
4 告発等がなされる前に取り下げられた論文等に対する告発等に係る予備調査を行う場合は,取り下げに至った経緯・事情を含め,不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し,判断するものとする。
5 本学に所属する研究者は,予備調査委員会から予備調査の実施に際して協力を求められた場合には,これに応じなければならない。
(予備調査委員会)
第14条 研究公正委員会は,前条に定める予備調査を実施するため,第8条第7項の規定に基づき,予備調査委員会を設置する。
2 予備調査委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 研究公正委員会の委員のうち,委員長が指名した者 若干名
(2) 告発に係る調査の対象者が所属する部局長
(3) その他研究公正委員会が必要と認めた者
3 委員は,最高管理責任者が任命する。
4 委員会は,委員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができない。
5 予備調査委員会に委員長を置き,委員の互選によって定める。
6 予備調査委員会は,必要があると認めるときは,被告発者に対して事情聴取を行うことができる。また,本学に所属する研究者に対しそれらが保有する資料の保全等を命ずることができる。
7 予備調査委員会は,予備調査の終了後,当該予備調査の結果を速やかに研究公正委員会に報告する。
8 研究公正委員会は,前項の報告を受けた場合には,速やかに最高管理責任者に当該予備調査の結果を報告する。
(本調査)
第15条 研究公正委員会は,前条第7項の報告に基づき,告発がなされた事案が本格的な調査をすべきものと判断した場合,本調査を行う。
2 研究公正委員会は,前項により本調査を行うことを決定した場合,最高管理責任者に報告するとともに,告発者及び被告発者に対し,本調査を行うことを通知し,調査への協力を求める。
3 研究公正委員会は,被告発者が本学以外の機関に所属している場合は,当該所属機関にも通知する。告発された事案の調査に当たっては,告発者が了承したときを除き,調査関係者以外の者や被告発者に告発者が特定されないよう周到に配慮する。
4 最高管理責任者は,当該事案に係る研究資金の配分機関及び文部科学省(以下「配分機関等」という。)に本調査を行う旨を報告するものとする。
5 本調査は,実施の決定後,概ね30日以内に開始するものとする。
6 研究公正委員会は,本調査を行わないことを決定した場合,その旨を理由とともに告発者及び被告発者(第14条第6項の規定により事情聴取を行った場合に限る。)に通知するとともに,最高管理責任者に報告するものとする。この場合,研究公正委員会は予備調査に係る資料等を保存し,配分機関等や告発者の求めに応じ開示するものとする。
7 本学に所属する研究者は,調査委員会から本調査の実施に際して協力を求められた場合には,これに応じなければならない。
(調査委員会)
第16条 研究公正委員会は,前条に定める本調査を実施するため,第8条第7項の規定に基づき,調査委員会を設置する。
2 調査委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 研究公正委員会の委員のうち,委員長が指名した者 若干名
(2) 告発に係る調査の対象者が所属する部局長
(3) 学部又は人間文化総合科学研究科から選出された教員 若干名
(4) 本学に所属しない有識者・学識経験者 若干名
(5) その他研究公正委員会が必要と認めた者
3 委員は,最高管理責任者が任命する。
4 調査委員会の委員の半数以上は,第2項第四号に定める委員でなければならない。
5 第2項に定める委員は告発者及び被告発者と直接の利害関係(例えば,不正行為を指摘された研究が論文のとおりの成果を得ることにより特許や技術移転等に利害があるなど)を有しない者でなければならない。
6 調査委員会に委員長を置き,委員の互選によって定める。
7 委員長は,委員会を招集し,議長となる。ただし,委員長に事故ある場合は,あらかじめ委員長が指名した委員が議長となる。
8 委員会は,委員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができない。
9 研究公正委員会は,調査委員会を設置したときは,調査委員会委員の氏名や所属を告発者及び被告発者に通知するものとする。これに対し告発者及び被告発者は,7日以内に異議申立書(別紙様式2)を研究公正委員会に提出することができる。
10 異議申立てがあった場合,研究公正委員会は内容を審査し,その内容が妥当であると判断したときは,当該異議申立てに係る委員を交代させるとともに,その旨を告発者及び被告発者に通知する。
(本調査の方法等)
第17条 本調査は,指摘された当該研究に係る論文や実験・観察ノート,生データ等の各種資料の精査や,関係者のヒアリング,再実験の要請などにより行う。
2 調査委員会が,被告発者に対して再実験などにより再現性を示すことを求めた場合,あるいは被告発者自らの意思によりそれを申し出た場合は,それに要する期間及び機会(機器,経費等を含む)を保障しなければならない。ただし,被告発者により同じ内容の申し出が繰り返して行われた場合において,それが当該事案の引き延ばしを主な目的とすると調査委員会が判断するときは,当該申し出を認めないことができる。
3 調査の対象には,告発等に係る研究のほか,調査委員会の判断により調査に関連した被告発者の他の研究を含めることができる。
4 調査委員会は,本調査に当たって,告発等に係る研究に関して,証拠となるような資料等を保全する措置をとる。
5 研究公正委員会は,配分機関等の求めに応じ,調査の終了前であっても,調査の中間報告を配分機関等に提出するものとする。
6 本調査に当たっては,調査対象における公表前のデータ,論文等の研究または技術上秘密とすべき情報が,調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう十分配慮する。
(説明責任)
第18条 調査委員会の調査において,被告発者が告発に係る疑惑を晴らそうとする場合は,自己の責任において,当該研究が科学的に適正な方法と手続に則って行われたこと,論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを,科学的根拠を示して説明しなければならない。
(認定)
第19条 調査委員会は,調査によって得られた,物的・科学的証拠,証言,被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して,不正行為か否かの認定を行う。
2 調査委員会は,不正行為に関する証拠が提出された場合において,被告発者の説明及びその他の証拠によって,不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは,不正行為と認定することができる。研究データの不存在など,本来存在するべき基本的な要素の不足により,被告発者が不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。ただし,被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず,その責によらない理由により,本来存在するべき基本的な要素を十分に示すことができなかった場合等正当な理由があると認められる場合は,この限りでない。
3 調査委員会は,本調査の開始後,概ね150日以内に調査した内容をまとめ,不正行為が行われたか否か,不正行為と認定された場合はその内容,不正行為に関与した者とその関与の度合,不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割を認定する。
4 不正行為が行われなかったと認定された場合で,調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは,調査委員会は,併せてその旨の認定を行うものとする。この認定を行うに当たっては,告発者に弁明の機会を与えなければならない。
5 調査委員会は,第1項から前項までの認定を終了したときは,速やかに研究公正委員会に報告する。
(調査結果の通知及び報告)
第20条 研究公正委員会は,調査委員会から第19条第5項の認定結果の報告を受けた場合は,ただちに最高管理責任者に報告するとともに,調査結果(認定を含む。以下同じ)を速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外で不正行為に関与したと認定された者を含む。)に通知する。被告発者が本学以外の機関に所属している場合は,当該所属機関に当該調査結果を通知する。
2 最高管理責任者は,配分機関等に当該調査結果を報告する。また,告発等がなされる前に取り下げられた論文等に係る調査で,不正行為があったと認定されたときは,取り下げなど研究者が自ら行った善後措置や,その措置をとるに至った経緯・事情等をこれに付すものとする。(前項の後段の場合も同様とする。)
3 悪意に基づく告発との認定があった場合,研究公正委員会は告発者が本学以外の機関に所属している場合は,当該所属機関にも通知する。
(秘密の保持)
第21条 不正行為に係る告発・調査等に関わった者は,関係者の名誉,プライバシーその他の人権を尊重するとともに,知り得た秘密を他にもらしてはならない。
(不服申立て)
第22条 不正行為と認定された被告発者は,通知を受けた日から起算して概ね20日以内に,不服申立書(別紙様式3)を研究公正委員会委員長に提出することができる。ただし,その期間内であっても同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。
2 告発が悪意に基づくものと認定された告発者は,前項により不服申立てをすることができる。
3 不服申立ての審査は調査委員会が行う。ただし,不服申立ての趣旨が,調査委員会の構成等,その公正性に関わるものである場合は,研究公正委員会の判断により,調査委員会に代えて,他の者に審査させることができる。
4 不正行為があったと認定された場合に係る被告発者による不服申立てについて,調査委員会(前項ただし書きの場合は,調査委員会に代わる者)は,不服申立ての趣旨,理由等を勘案し,当該事案の再調査を行うか否かを速やかに決定する。当該事案の再調査を行うまでもなく,不服申立てを却下すべきものと決定した場合には,ただちに研究公正委員会に報告し,研究公正委員会は被告発者に当該決定を通知する。このとき,当該不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは,研究公正委員会は以後の不服申立てを受け付けないことができる。
5 調査委員会が,再調査を行う決定を行った場合には,調査委員会は被告発者に対し,先の調査結果を覆すに足る資料の提出等,当該事案の速やかな解決に向けて,再調査に協力することを求める。その協力が得られない場合には,再調査を行わず,審査を打ち切ることができる。その場合にはただちに研究公正委員会に報告し,研究公正委員会は,最高管理責任者に報告するとともに,被告発者に当該決定を通知する。
6 研究公正委員会は,被告発者から不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは,最高管理責任者に報告するとともに,告発者に通知する。不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。
7 調査委員会が,再調査を開始した場合は,概ね50日以内に,先の調査結果を覆すか否かを決定し,その結果をただちに研究公正委員会に報告し,研究公正委員会は,最高管理責任者に報告するとともに,当該結果を被告発者,被告発者が所属する機関及び告発者に通知する。
8 悪意に基づく告発と認定された告発者から不服申立てがあった場合,研究公正委員会は,最高管理責任者に報告するとともに,告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。
9 最高管理責任者は,第1項及び第2項に係る不服申立て,及び第4項に係る不服申立ての却下もしくは再審査の実施の決定があった場合には,配分機関等に報告する。
10 第8項の不服申立てについては,調査委員会(第3項ただし書きの場合は,調査委員会に代わる者)は概ね30日以内に再調査を行い,その結果を研究公正委員会に報告するものとする。研究公正委員会は,最高管理責任者に報告するとともに,この審査の結果を告発者,告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。
11 最高管理責任者は,再調査の結果について配分機関等に報告する。
(調査資料の提出)
第23条 研究公正委員会は,配分機関等から,当該事案に係る資料の提出または閲覧を求められた場合,調査に支障がある等,正当な事由がある場合を除き,提出するものとする。
(調査結果の公表)
第24条 最高管理責任者は,研究公正委員会から不正行為が行われたとの認定の報告があった場合は,個人情報又は知的財産の保護等不開示に合理的な理由がある場合を除き,速やかに調査結果を公表する。
なお,公表する調査結果の項目は,原則として次のとおりとする。
(1) 不正行為に関与した者の氏名・所属
(2) 不正行為の内容
(3) 公表時までに行った措置の内容
(4) 調査委員会の構成
(5) 調査の方法・手順
(6) 不正行為の発生要因と再発防止策
2 最高管理責任者は,研究公正委員会から不正行為が行われなかったとの認定の報告があった場合は,原則として調査結果を公表しない。
(措置)
第25条 最高管理責任者は,被告発者に対し,調査中あるいは配分機関等による措置等がなされるまでの間などにおいて,以下のような措置をとることができる。
(1) 本調査を行うことが決まった後,調査結果の報告を受けるまでの間,告発された研究に係る研究費の支出を停止すること。
(2) 不正行為が行われたとの認定があった場合,ただちに当該事案に係る資金の使用中止や内部規程に基づき適切な処置をとるとともに,不正行為と認定された論文等の取り下げを勧告すること。
(3) 不正行為が行われなかったと認定された場合,本調査に際してとった研究費の支出停止の解除等必要な措置を講じるとともに,被告発者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講じること。
2 告発が悪意に基づくものと認定された場合,告発者が本学に所属する者であるときは,最高管理責任者は,当該者に対し,内部規程に基づき適切な処置を行う。
(雑則)
第26条 この規程の実施のため必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成25年5月22日規程第7号)
この規程は,平成25年5月22日から施行し,平成25年4月1日から適用する。
附 則(平成26年2月19日規程第88号)
この規程は,平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成26年3月19日規程第105号)
この規程は,平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月18日規程第55号)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成28年10月20日規程第21号)
この規程は,平成28年10月20日から施行し,平成28年4月1日から適用する。
附 則(平成30年2月21日規程第73号)
この規程は,平成30年3月1日から施行する。
附 則(令和元年7月17日規程第24号)
この規程は,令和元年8月1日から施行する。
附 則(令和2年3月18日規程第153号)
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年12月15日女子大規程第23号)
この規程は、令和3年12月15日から施行する。
附 則(令和4年4月1日女子大規程第69号)
この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和6年4月1日女子大規程第16号)
この規程は、令和6年4月1日から施行する。
附 則(令和7年4月1日女子大規程第10号)
この規程は、令和7年4月1日から施行する。
別紙様式1
申立書

別紙様式2
異議申立書

別紙様式3
不服申立書