○琉球大学病院臨床倫理委員会規程
(平成26年12月16日制定) |
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(目的)
第1条 近年、科学や医学の著しい発展によって新たな医療技術や医薬品が次々と登場し、臨床に於いて取り得る治療の選択肢の幅が著しい広がりを見せている。取り得る選択肢の増加は、医療者にとって「より良い医療」を患者に提供する可能性が高まることを意味する。しかしながら、医療は本質的に不確実な部分を内包するが故に、科学や医学の発展に伴う選択肢の増加等は「何が患者にとって最善か」を患者と医療者が共同決定する上で生じる既存の倫理的悩みをさらに増大させ、決断の複雑化を促進し、医療行為の倫理的妥当性の判断を困難にさせている。その結果、医療者が倫理的悩みを個人で全て引き受けてしまうことによって孤立化し、独断的あるいは独善的な判断に陥ることが懸念される。そこで、琉球大学病院(以下、「本院」という。)において行われる医療行為の倫理的妥当性を審議し、困難な倫理的問題に直面している患者・家族・医療者が共同でより良い決断が出来るように援助することを目的とし、延いては本院で提供される医療の質と安全の向上を目指して琉球大学病院臨床倫理委員会(以下、「委員会」という。)を設置する。
(任務)
第2条 委員会は、本院で行う医療行為について生じる、又は生じる可能性の高い倫理的な問題に関し、本院の医師をはじめとする医療従事者及び事務職員等(以下、「医療従事者等」という。)から申請された事項について、病院長の諮問に基づいて審議し、その結果を答申する。また、審議の結果に応じて、医療従事者等に必要な支援を行う。ただし、ヒトを対象とする臨床研究等の「医学研究」に関わる事項は審議対象としない。
2 委員会は、本院の臨床倫理問題に関する指針や基本方針などの作成及び提言を行う。
3 委員会は、現場実践における臨床倫理問題に関する事例の相談に対応する。
4 委員会は、保険適応外医療(薬剤・手術手技など)の倫理的適正について審議し、その結果を病院長に報告する。なお、臨床研究等の「医学研究」を目的とした保険適応外医療については、「琉球大学臨床研究倫理審査委員会」で審議を行う。
5 委員会は、臨床倫理に関わる諸問題について、医療従事者等に対する教育活動を行う。
(組織)
第3条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 副病院長又は病院長補佐から 1人
(2) 医療安全対策室長
(3) 診療科長 2人(内科系・外科系 各1人)
(4) 医学研究科臨床医学系の教員 2人(内科系・外科系 各1人)
(5) 医学研究科基礎医学系の教員 1人
(6) 保健学科の教員 1人
(7) 看護師 2人
(8) 薬剤師 1人
(9) ソーシャルワーカー 1人
(10) 学外の有識者で、医学を専門とはしない者 1人
(11) その他病院長が必要と認める者
2 委員会は、男女両性で構成されなければならない。
3 本条第1項第1号及び第3号から第11号までに掲げる委員は、病院長が委嘱する。
4 前項の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じたときの後任者の任期は、前任者の残任期間とする。
(委員長及び副委員長)
第4条 委員会に委員長及び副委員長を置く。
2 委員長は、第3条第1項第1号の委員をもって充て、副委員長は委員長が指名する委員をもって充てる。
3 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
4 副委員長は、委員長を補佐し、申請者が委員長であるとき又は委員長に事故があるときは、その職務を代行する。
(委員会の開催)
第5条 委員会は、原則として年に3回程度開催するものとする。ただし、委員長が必要と認めるときは、臨時に開催することができる。
2 委員会は、委員の過半数が出席しなければ開くことはできない。
3 委員は、やむを得ない理由により会議に出席することができないときは、その代理者を会議に出席させることができる。
4 申請者は、委員会に出席し、申請内容等を説明するとともに、意見を述べることができる。ただし、審議の対象となる医療行為に従事する委員は、審議及び採決には参加できないものとする。
5 審議の結果は、出席委員全員の合意を原則とする。ただし、内容の緊急性を鑑み、委員長が必要と認める場合には、出席委員の3分の2以上の同意をもって決することができる。
6 審議経過、審議結果、議事要旨及び通知内容は、記録として保存する。
(委員以外の者の出席)
第6条 委員会が必要と認めたときは、委員以外の者の出席を求め、専門的立場からの説明又は意見を聴くことができる。
(申請手続き)
第7条 審議を申請しようとする医療従事者等は、別紙様式第1号に必要事項を記入し、病院長に提出しなければならない。
[様式第1号]
(審議結果の通知)
第8条 委員長は、委員会の審議の結果について、病院長に答申するものとする。
2 病院長は、委員会終了後速やかに審議結果を別紙様式第2号により申請者に通知するものとする。
[様式第2号]
3 前項の通知をするに当たっては、その理由を記載しなければならない。
4 病院長は、審議結果を病院運営委員会に報告するものとする。
(臨床倫理コンサルテーション・チーム)
第9条 委員会に、現場実践における臨床倫理問題に関する事例の相談に対応し、極めて迅速な判断を要する事例の審議を行うため、臨床倫理コンサルテーション・チームを置く。
2 前項に関し必要な事項は別に定める。
(守秘義務)
第10条 委員会の出席者は、委員会で知り得た情報を正当な理由なくして漏洩してはならない。なお、委員を退いた後も同様とする。
(情報の公開)
第11条 委員会は、委員会の組織、運営、審議経過、審議結果及び議事要旨について原則として公開する。ただし、個人のプライバシーなど、法律上支障が生じる恐れがある部分は、非公開とすることができる。
(庶務)
第12条 委員会の庶務は、総務課において処理する。
(雑則)
第13条 この規程に定めるもののほか、委員会の運営に関して必要な事項は、委員会の議を経て、委員長が別に定める。
(改廃)
第14条 この規程の改廃は、委員会の議を経て病院長が行う。
附 則
1 この規程は、平成26年12月16日から施行する。
2 この規程施行後、最初に委嘱される第3条第1項第1号及び第3号から第11号に規定する委員の任期は、第3条第4項の規定にかかわらず、平成28年3月31日までとする。
附 則(平成27年3月17日)
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この規程は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(令和2年1月28日)
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この規則は、令和2年1月28日から施行する。
附 則(令和2年7月1日)
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この規程は、令和2年7月1日から施行し、令和2年4月1日から適用する。