○国立大学法人長岡技術科学大学動物実験取扱規程
(平成20年9月1日規程第6号)
改正
平成27年3月26日規程第11号
平成28年3月28日規程第31号
令和2年12月28日規程第7号
令和4年1月12日規程第10号
令和4年3月31日規程第21号
令和5年3月31日規程第27号
国立大学法人長岡技術科学大学動物実験取扱規程(平成16年4月1日規程第38号)の全部を改正する。
(目的)
第1条
国立大学法人長岡技術科学大学(以下「本学」という。)において行われる動物実験については、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)、動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月日本学術会議作成。以下「ガイドライン」という。)、動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)その他の法令等(以下これらを「法律等」という。)に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条
この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一
動物実験等 実験動物を教育、試験研究その他の科学上の利用に供することをいう。
二
実験動物 動物実験等の利用に供するため、施設等で飼養又は保管している哺乳類、鳥類又は爬虫類に属する動物(施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
三
飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管又は動物実験等を行う施設・設備をいう。
四
実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う動物実験室をいう。
五
施設等 飼養保管施設及び実験室をいう。
六
動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。
七
管理者 学長の命を受け、実験動物及び施設等の管理を担当する総括的な責任者をいう。
八
実験動物管理者 飼養保管施設において管理者を補佐し、実験動物に関する知識及び経験を有する実験動物の管理を行う者をいう。
九
実験責任者 動物実験計画(計画の変更を含む。以下同じ。)ごとに、当該動物実験計画の遂行について責任を負う実験従事者をいう。
十
実験従事者 動物実験等を行う者をいう。
十一
飼養者 実験責任者の下で実験動物の飼養又は保管を行う者をいう。
十二
管理者等 学長、管理者、実験動物管理者、実験従事者及び飼養者をいう。
十三
指針等 基本指針、厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(平成27年厚生労働省通知)及び農林水産省の所管する研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年農林水産省通知)並びにガイドラインをいう。
(基本原則)
第3条
動物実験等の実施に当たっては、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、代替法の利用(できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。)、使用数の削減(できる限りその利用に供される動物の数を少なくすることをいう。)及び苦痛の軽減(その利用に必要な限度において、その動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)を図ることを原則として、適正に実施しなければならない。
2
実験動物の飼養及び保管に当たっては、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、動物福祉の基本理念である「5つの自由(飢え及び渇きからの解放、肉体的不快感及び苦痛からの解放、傷害及び疾病からの解放、恐怖及び精神的苦痛からの解放並びに本来の行動様式に従う自由)」に配慮して実施するものとする。
(適用範囲)
第4条
この規程は、本学で行われる実験動物の生体を用いるすべての動物実験等に適用する。
2
実験責任者は、動物実験等の実施を本学以外の機関に委託等する場合は、委託等先においても指針等に基づき、適正に動物実験等が実施されることを確認しなければならない。
(学長の責務)
第5条
学長は、最終的な責任者として本学における動物実験等の適正な実施並びに実験動物の飼養及び保管を統轄する。
2
学長は、動物実験計画の承認、実施状況及び結果の把握とその結果に基づく改善措置、飼養保管施設の整備、並びに飼養保管施設及び実験室の承認、動物実験等に係る安全管理、教育訓練、自己点検・評価、外部の専門家による検証、情報公開、その他動物実験等の適正な実施に必要な措置に関して責務を負う。
(動物実験委員会)
第6条
学長は、前条の責務を遂行するために報告又は助言を行う組織として、動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2
委員会に関する事項は、別に定める。
(動物実験計画の立案等)
第7条
実験責任者は、動物実験計画の新規立案、変更、又は継続する場合は、動物実験計画承認申請書(別紙様式第1―1)により、管理者を経て学長に申請し、その承認を受けなければならない。
ただし、承認を受けた動物実験計画について、軽微な変更、又は追加を行う場合は、動物実験計画変更承認申請書(別紙様式第1―2)により申請し、同様に承認を受けるものとする。
2
学長は、前項の規定による申請があったときは、委員会の審査を経て承認又は非承認を決定し、その結果を当該実験責任者に通知するものとする。
3
実験責任者は、動物実験計画の立案に当たっては、次に掲げる事項について考慮しなければならない。
一
研究の目的、意義及び必要性
二
代替法を考慮して、実験動物を適切に利用すること。
三
実験動物の使用数の削減のため、動物実験等の目的に適した実験動物種の選定、動物実験成績の精度と再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。
四
苦痛の軽減となる実験方法の選択
五
苦痛度の高い動物実験等を行う場合における計画段階からの人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミングをいう。以下同じ。)の設定
4
実験責任者は、動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ、動物実験等を行うことができない。
(実験操作)
第8条
実験従事者は、あらかじめ届け出た実験室において、動物実験等を行わなければならない。
2
実験従事者は、動物実験計画承認申請書に記載された事項及び次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一
適切な麻酔薬、鎮痛薬等の利用
二
実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮
三
適切な術後管理
四
適切な安楽死の選択
3
実験従事者は、物理的・化学的に危険な材料、麻薬・向精神薬、病原体、遺伝子組換え動物等を用いる実験を行う場合は、安全のための適切な施設・設備を確保し、法律等及び関係学内規則に従わなければならない。
4
実験従事者は、実験実施に先立ち必要な実験手技等の習得に努めるものとする。
5
実験従事者は、侵襲性の高い大規模な存命手術に当たっては、経験等を有する者の指導下で行うものとする。
6
学長は、動物実験計画を実施した実験責任者に動物実験結果報告書(別紙様式第2)を提出させ、必要な場合は、委員会の助言を受けて適正な動物実験等の実施のための改善措置を講じるものとする。
(飼養保管施設)
第9条
管理者は、実験動物の飼養保管施設を設置し、又は変更する場合は、飼養保管施設設置申請書(別紙様式第3)を学長に提出し、承認を得なければならない。
2
学長は、申請された飼養保管施設を委員会に調査させ、その助言により、承認又は非承認を決定し、その結果を当該管理者に通知する。
3
飼養保管施設は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
一
適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造であること。
二
実験動物の種類、生理、生態、習性等及び飼養保管数等に応じた飼育設備を有すること。
三
床、内壁等の清掃、消毒等が容易な構造で、器材の洗浄、消毒等を行う衛生設備を有すること。
四
実験動物が逸走しない構造及び強度を有すること。
五
臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への影響を防止する措置が執られていること。
六
実験動物管理者が置かれていること。
4
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、学長の承認を得た飼養保管施設でなければ、実験動物の飼養若しくは保管又は動物実験等を行うことができない。
5
学長は、実験動物の飼養及び保管の状況について管理者及び実験動物管理者から報告させ、必要な場合は委員会の助言を受けて改善を指示するものとする。
(実験室)
第10条
管理者は、実験室を設置し、又は変更する場合は、動物実験室設置申請書(別紙様式第4)を学長に提出し、委員会で審議の上、承認を得なければならない。
2
学長は申請された実験室を委員会に調査させ、その助言により承認又は非承認を決定し、その結果を当該管理者に通知する。
3
実験室は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
一
実験動物が逸走しない構造及び強度を有するとともに、実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境が維持されていること。
二
排泄物、血液等による汚染に対して清掃及び消毒が容易な構造であること。
三
常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への影響を防止する措置が執られていること。
4
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、学長の承認を得た実験室でなければ、当該実験室での動物実験等(48時間以内の一時的保管を含む。)を行うことができない。
(施設等の維持管理及び改善)
第11条
管理者は、施設・設備の適切な維持管理に努めなければならない。
(施設等の廃止)
第12条
管理者は、飼養保管施設又は実験室を廃止する場合は、施設等廃止届(別紙様式第5)を学長に提出しなければならない。
2
学長は、管理者より届け出された施設等廃止届に基づき、委員会による施設等の調査を経て廃止を承認する。
3
管理者は、施設等を廃止するときは、必要に応じて、実験責任者と協力し、飼養又は保管中の実験動物を他の飼養保管施設に譲り渡すよう努めなければならない。
(実験動物の飼養、保管、健康管理等)
第13条
管理者は、実験動物の飼養及び保管の標準操作手順を定め、実験従事者及び飼養者に周知しなければならない。
2
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、実験動物の健康管理に当たっては、実験動物が動物実験等の目的と無関係に傷害を負い、又は疾病にかかることを予防するため、必要な健康管理を行うものとする。
3
実験従事者及び飼養者は、実験動物が前項の傷害を負い、又は疾病にかかった場合は、管理者と協議の上、他の動物及び人への感染等の防止、当該実験動物の苦痛の軽減等のために必要な措置を執るものとする。
4
管理者は、実験動物の導入に当たり、法律等に基づき適切に管理されている機関より導入するものとする。
5
実験動物管理者は、実験動物の導入に当たり、適切な検疫、隔離飼育等を行うものとする。
6
実験動物管理者は、実験動物の飼養環境への順化・順応を図るための措置を講ずるものとする。
7
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、実験動物の種類、生理、生態、習性等に応じて、適切に給餌・給水を行うものとする。
8
実験動物管理者は、飼養保管施設の日常的な管理及び保守点検並びに定期的な巡回等により、飼養又は保管をする実験動物の数及び状態の確認が行われるようにしなければならない。
9
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、実験動物に対し実験目的以外の傷害や疾病にかかった場合、適切な治療等を行うものとする。
10
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養又は保管する場合、その組合せを考慮した収容を行うものとする。
11
実験責任者は、実験動物の入手先、飼育履歴、病歴等に関する記録を整備及び保存するものとする。
また、これらの記録の保存期間については、別に定める。
12
管理者は、年度ごとに飼養及び保管した実験動物の種類、数量等について、実験動物飼養保管状況報告書(別紙様式第6)を学長に提出するものとする。
13
委員会は、前項の実験動物飼養保管状況報告書に基づき、飼養保管状況等の確認を行う。
14
実験責任者は、実験動物の譲渡に当たっては、その特性、飼養及び保管の方法、感染症疾病等に関する情報を提供するものとする。
15
実験責任者は、実験動物の輸送に当たっては、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保並びに人への危害防止に努めるものとする。
(危害防止)
第14条
管理者は、実験動物が逸走した場合の捕獲方法等をあらかじめ定めるものとする。
2
管理者は、人に危害を加える等のおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には、速やかに関係機関及び学長へ連絡しなければならない。
3
管理者は、実験動物管理者、実験従事者及び飼養者に対して、実験動物由来の感染症、アレルギー疾患等への罹患及び実験動物による咬傷等に対する予防並びに発生時に必要な措置を講じなければならない。
4
管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は、人への危害の発生の防止のため、飼養保管基準に基づき必要な事項を別途定めるものとする。
5
管理者等は、人に危害を加える等のおそれがある実験動物について、名札、脚環、マイクロチップ等の装着等の識別措置を技術的に可能な範囲で講じるように努めるものとする。
6
実験動物管理者、実験従事者及び飼養者は、相互に実験動物による危害の発生の防止に必要な情報の提供等を行うよう努めるものとする。
7
管理者は、実験動物の飼養及び保管並びに動物実験等に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じるものとする。
(緊急時の対応)
第15条
管理者は、地震、火災、人と動物の共通感染症の発生時等の緊急時に執るべき措置の計画(緊急時対応マニュアル等)をあらかじめ作成し、関係者に対して周知するものとする。
2
管理者は、緊急事態発生時における、実験動物の保護及び実験動物の逸走による人への危害、環境保全上の問題等の発生の防止に努めるものとする。
(教育訓練)
第16条
学長は、委員会に、実験動物管理者、実験従事者及び飼養者に、次に掲げる事項に関する所定の教育訓練を受講させるものとする。
一
法律等及び関係学内規則等
二
動物実験等の方法に関する基本的事項
三
実験動物の飼養及び保管に関する基本的事項
四
安全確保及び安全管理に関する事項
五
その他適切な動物実験等の実施に関する事項
2
委員会は、教育訓練を行ったときは、動物実験等教育訓練実施記録届(別紙様式第7)を学長に提出しなければならない。
また、学長は、動物実験等教育訓練実施記録届を保存しなければならない。
3
学長は、実験動物管理者、実験従事者及び飼養者の別に応じて必要な教育訓練が確保されるよう努めるものとする。
4
第2項の保存期間については、別に定める。
(自己点検・評価及び検証)
第17条
学長は、委員会に、基本指針への適合性並びに飼養保管基準の遵守状況に関し、毎年、自己点検・評価を行わせるものとする。
2
委員会は、動物実験等の実施状況等や飼養保管状況に関する自己点検・評価を行い、その報告書(別紙様式第8)を学長に提出しなければならない。
3
管理者及び実験責任者は、定期的に本学で行われる動物実験等の実施状況等の自己点検を行い、動物実験等自己点検票(別紙様式第9)を学長に提出しなければならない。
4
管理者及び実験動物管理者は、定期的に本学における飼養保管状況の自己点検を行い、実験動物飼養保管状況の自己点検票(別紙様式第10)を学長に提出しなければならない。
5
委員会は、管理者、実験責任者、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者に、自己点検・評価のための資料を提出させることができる。
6
学長は、前項の自己点検・評価の結果について、外部の専門家による検証を定期的に実施するものとする。
7
自己点検・評価の実施方法等に関し必要な事項は、委員会が別に定める。
(情報公開)
第18条
学長は、本学における動物実験等に関する情報(動物実験等に関する学内規則、実験動物の飼養保管状況、自己点検・評価、外部の専門家等による検証の結果、動物実験委員会の構成等の情報をいう。)を毎年1回程度公表するものとする。
(準用)
第19条
第2条第2号に定める実験動物以外の動物を動物実験等に供する場合においても、飼養保管基準の趣旨に沿って行うよう努めなければならない。
[
第2条第2号
]
(適用除外)
第20条
産業等の利用に供する動物の飼養及び保管並びに畜産における育種改良を目的とする教育若しくは試験研究又は生態の観察を行うことを目的とする動物の飼養及び保管については、この規程を適用しない。
(雑則)
第21条
この規程に定めるもののほか、動物実験等に関し必要な事項は、委員会の議を経て、学長が別に定める。
附 則
1
この規程は、平成20年9月1日から施行する。
2
この規程施行の際、改正前の国立大学法人長岡技術科学大学動物実験取扱規程の規定に基づき承認した動物実験等は、この規程に基づき承認したものとみなす。
附 則(平成27年3月26日規程第11号)
この規程は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月28日規程第31号)
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(令和2年12月28日規程第7号)
この規程は、令和2年12月28日から施行する。
附 則(令和4年1月12日規程第10号)
この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月31日規程第21号)
この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年3月31日規程第27号)
この規程は、令和5年4月1日から施行する。
別紙様式第1―1(第7条関係)
動物実験計画承認申請書
別紙様式第1―2(第7条関係)
動物実験計画変更承認申請書
別紙様式第2(第8条関係)
動物実験結果報告書
別紙様式第3(第9条関係)
飼養保管施設設置申請書
別紙様式第4(第10条関係)
動物実験室設置申請書
別紙様式第5(第12条関係)
施設等廃止届
別紙様式第6(第13条関係)
実験動物飼養保管状況報告書
別紙様式第7(第16条関係)
動物実験等教育訓練実施記録届
別紙様式第8(第17条関係)
動物実験に関する自己点検・評価報告書
別紙様式第9(第17条関係)
動物実験等自己点検票
別紙様式第10(第17条関係)
実験動物飼養保管状況の自己点検票