○琉球大学学生の懲戒手続に関する規程
(令和6年3月27日制定) |
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(趣旨)
第1条 この規程は、琉球大学学則第62条第5項及び琉球大学大学院学則第58条第5項の規定に基づき、学生の懲戒の手続に関し必要な事項を定める。
(調査の指示等)
第2条 学部長は、当該学部に所属する学生について懲戒処分に付すべき事由の有無に関する調査を行う必要があると思料するときは、速やかに学長及び教育・学生支援を担当する副学長(以下「担当副学長」という。)にその旨を報告するものとする。
2 学長は、前項の報告等により、学生について懲戒処分に付すべき事由の有無に関する調査を行う必要があると思料するときは、当該学生の所属する学部の学部長又はその他適当と認める副学長若しくは教職員に指示し、これを調査させることができる。なお、異なる学部に所属する複数の学生が関わる事案が発生し、複数の調査の指示があった場合には、調査の指示を受けた者は、互いに連携して対応するものとし、また、特別聴講学生及び特別研究学生については、所属大学等と連携して対応するものとする。
3 前項の調査の指示を受けた学部長は、その学部に所属する教職員の中から適当な者を選定し、これに調査の補助をさせることができる。
4 第2項の調査の指示を受けた副学長又は教職員は、他の教職員の中から適当な者を選定し、これに調査の補助をさせることができる。
5 懲戒処分に付すべき事由の学生の行為について、国立大学法人琉球大学ハラスメント防止対策に関する規則、琉球大学における研究活動上の不正行為の防止及び対応に関する規程その他の規則等に基づき設置された全学的な調査委員会等(以下「全学調査委員会等」という。)による調査が進行中であるとき、又は近い時期に全学調査委員会等が設置されることが予定されているときは、学長は、第2項の調査の指示をするに際し、担当副学長及び当該全学調査委員会等を所管する担当理事と十分に協議する。なお、調査の指示をした後に、全学調査委員会等による調査が進行中であることなどが判明したときも、同様とする。
6 第2項の調査の指示を受けた者は、調査を終えたときは、速やかにその結果を学長に書面で報告しなければならない。
7 第2項から前項の規定にかかわらず、学部長から、高度な職業倫理等が要求される人材の育成を目的としていることなどの理由により、懲戒処分を行うことの相当性及び適正な処分量定についても、懲戒処分の審査が開始される前に学部としての意見を述べたい旨の上申があり、学長がこれを相当と認めたときは、当該学部に関しては、学長は、第2項の調査の指示の際、これらの事項に関する調査も指示する。
8 前項の上申又はその取扱いの変更の上申は、前年度の2月末までに行うものとし、これが認められたときは、翌年度以降、前項による取り扱いを行うものとする。
9 同一事案で複数学部の学生が対象となる場合は、原則として第7項による取扱いは行わない。ただし、同項の上申が認められた学部の学部長から、当該事案においても同項による取扱いをされたい旨の上申があり、学長がこれを相当と認めるときは、この限りでない。
(懲戒処分の審査の付議)
第3条 学長は、次の各号に掲げる報告、申出又は通知があったことにより、あるいは、その他の契機により、学生について、懲戒処分に付すべき事由があると判断したときは、学生懲戒委員会を設置し、懲戒処分の審査について付議することができる。
(1) 前条による調査を行った者から、懲戒処分に付すべき事由があるとの報告を受けたとき。
(2) 国立大学法人琉球大学ハラスメント防止対策委員会が懲戒処分の検討が必要であると認め、同委員会委員長から学長へその旨の申出があったとき。
(3) 琉球大学における研究活動上の不正行為の防止及び対応に関する規程第18条に基づき、担当理事等から学長に対し、同規程第2条第2項に定める研究活動上の不正行為が行われた旨の通知があったとき。
(4) 国立大学法人琉球大学における公的研究費の不正に係る調査の手続等に関する取扱規程第12条に基づき、担当理事等から学長に対し、同規程第2条第4項に定める公的研究費の不正使用等が行われた旨の通知があったとき。
2 学生懲戒委員会の審査は、学長から付議があったときに開始する。
3 学長は、第1項の付議をするときは、あらかじめ当該学生の所属学部の学部長にその旨を通知する。
(学生懲戒委員会)
第4条 学生懲戒委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 担当副学長
(2) 当該学生が所属する学部の学部長又は学科長(コース長、プログラム長等の学科長に準ずる者を含む。) 1名
(3) 当該学生が所属する学部の教員(ただし、前号で委員となる者を除く。) 2名以内
(4) 当該学生が所属する学部以外の部局の教員 4名以内
(5) 学生部長
(6) その他学長が特に必要と認めた者(学外者を含む。) 若干名
2 学生懲戒委員会に委員長及び副委員長を置き、委員長には前項第1号の委員をもって充て、副委員長には委員長があらかじめ指名する委員をもって充てる。
3 第1項第2号から第4号及び第6号の委員は、学長が指名又は委嘱する。ただし、同項第2号及び第3号の委員を指名するにあたっては、当該学生が所属する学部の学部長と協議するものとする。
4 学長は、異なる学部に所属する複数の学生が関わる事案については、1つの学生懲戒委員会を設置することができる。この場合には、学長は、第1項第2号及び第3号に定める委員の人数を適宜増減させることができる。
5 委員の構成は、一つの性に片寄ることがないようにしなければならず、原則として一つの性が75パーセントを超えないようにするものとする。
6 学生懲戒委員会は、構成員の3分の2以上の出席がなければ議事を開き、議決することができない。
7 学生懲戒委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
8 前項の規定にかかわらず、この規程に係る審査の結果、学生懲戒委員会が懲戒処分を議決するためには、出席委員の3分の2以上の賛成を得なければならない。
9 学長は、委員の異動等により、学生懲戒委員会の構成を見直す必要があると認めたときは、適宜、委員を解任し、又は、新たに指名又は委嘱することができるものとする。
(調査委員会)
第5条 学生懲戒委員会は、懲戒処分の審査を開始するに当たり、調査委員会を設置するものとする。ただし、懲戒事由の存在及びその内容が明確で、かつ、学生懲戒委員会における審議のみで適正な懲戒処分を量定することができるときは、調査委員会を設置することを要しない。
2 調査委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 前条第1項第2号又は第3号の委員 2名
(2) 前条第1項第4号から第6号の委員 2名又は3名
(3) 学生懲戒委員会が特に必要と認めた者 若干名
3 調査委員会に委員長及び副委員長を置き、委員長には前項第1号の委員をもって充て、副委員長には委員長があらかじめ指名する委員をもって充てる。
4 第2項第3号の委員は、学生懲戒委員会の議決に基づき、学長が委嘱する。
5 異なる学部に所属する複数の学生が関わる事案について1つの学生懲戒委員会が設置されたときは、学生懲戒委員会は、第2項に定める委員の人数を適宜増減することができる。
6 委員の構成は、一つの性に片寄ることがないようにしなければならない。
7 調査委員会は、委員の3分の2以上の出席がなければ議事を開き、議決することができない。
8 調査委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
(調査委員会の任務)
第6条 調査委員会は、懲戒事由の有無に関する事実関係について調査・審理し、懲戒事由があると判断した場合には、さらに、これに対する適正な懲戒処分の内容についても検討した上で、その結果を書面(以下「調査報告書」(別紙様式第1号)という。)にまとめ、これを資料とともに、学生懲戒委員会に提出して、調査結果を報告しなければならない。なお、懲戒処分を要するとの調査結果を報告する場合には、第8条第1項に規定する懲戒処分書の原案も作成して提出するものとする。
[第8条第1項]
2 調査委員会は、必要があると認めたときは、当該学生又は参考人から事情を聴取し、資料の提出を求め、あるいは、意見を徴することができる。
3 調査委員会は、調査を行うに当たり、当該学生に十分な弁明の機会を与えるように配慮しなければならず、弁明等に必要となる情報は、これをできるだけ開示するように努めなければならない。
4 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する特別な事情がある場合には、調査委員会は、当該学生に弁明の機会を与えないことができるものとする。
(1) 当該学生が長期間にわたって身柄を拘束され、かつ、接見することができない場合
(2) 当該学生の所在が不明な場合
(3) 前各号に掲げるもののほか、当該学生に弁明の機会を与えることが不可能又は著しく困難な場合
5 第3項に規定する開示すべき情報の範囲及びその開示方法は、当該情報の重要性、これを開示することによる弊害の有無及び程度並びにその弊害を防止する措置の有無及びその実効性の程度等を総合的に考慮して、調査委員会が決定するものとする。
6 前各項に定めるもののほか、調査委員会に関する事項は、学生懲戒委員会において、適宜これを定めることができる。
(調査報告書提出後の審理と学長への報告)
第7条 調査報告書が提出されたときは、学生懲戒委員会は、同報告書に基づき、懲戒事由の有無及び懲戒処分の要否を審査・判断し、懲戒処分を要すると判断した場合には、これに対する適正な懲戒処分を量定する。
2 学生懲戒委員会は、前項の審査を行うに当たり必要があると認めるときは、当該学生又は参考人から事情を聴取し、資料の提出を求め、あるいは、意見を徴することができる。
3 学生懲戒委員会は、付議された事案についての審議を終えるに当たり必要があると認めるときは、当該学生が所属する学部の意見を求めることができる。
4 学生懲戒委員会は、付議された事案についての審議を終えたときは、速やかにその結果を別紙様式第2号により学長に報告しなければならない。
(懲戒処分)
第8条 学長は、前条第4項の報告を踏まえ、懲戒処分の要否及びその内容について判断し、懲戒処分を要すると判断したときは、当該学生に処分理由を記載した懲戒処分書(別紙様式第3号)を交付し、懲戒処分を行う。なお、懲戒処分を行わない場合には、当該学学生に対し、その旨を通知する。
2 前項の当該学生に対する懲戒処分書の交付又は通知は、原則として、当該学生が所属する学部の学部長を通じて行う。
3 当該学生の所在を知ることができないときは、民法(明治29年法律第89号)第98条による公示の方法により懲戒処分を行うものとする。この場合には、同条第3項により処分の意思表示が当該学生に到達したとみなされるときに、当該学生に懲戒処分書が交付されたものとみなす。
4 当該学生が、再三にわたって正当な理由なく懲戒処分書の受領を拒絶したときは、当該学生に対し、懲戒処分書を郵便法(昭和22年法律第165号)の定める内容証明及び配達証明の方式によって郵送することにより懲戒処分を行うものとする。この場合には、当該学生が懲戒処分書を受領したとき、又は当該学生が懲戒処分書を受領できる状態となったときから2週間が経過したときのうち、いずれか早いときに当該学生に懲戒処分書が交付されたものとみなす。
5 学長は、懲戒処分を行ったときは、当該学生の保護者等(保護者等連絡票に記載された者のことをいう。)にその旨を通知する。
(異議申立て)
第9条 懲戒処分に不服がある場合には、懲戒処分書の交付を受けた学生は、学長に対し、異議を申し立てることができる。
2 前項の異議申立ては、懲戒処分書の交付を受けた日から5日以内(末日が本学の休業日のときは、その後の直近の休業日でない日まで。以下、同じ。)に、異議申立書(別紙様式第4号)を提出して行わなければならない。
3 異議申立てをした学生は、異議申立ての日から14日以内に、不服の内容及び理由を具体的に記載した異議理由書(別紙様式第5号)を提出しなければならない。ただし、学長は、当該学生からの申出により、その期限を延長することができる。
4 前項の期限内に異議理由書の提出がなかったときは、異議申立ては期限の日に取り下げられたものとみなす。
(異議申立てに対する対応)
第10条 学長は、前条による適式な異議申立てがあったときは、当該事案について設置された学生懲戒委員会に対し、審議を依頼するものとする。なお、この場合において、必要があると認めるときは、学長は、学生懲戒委員会の委員を新たに追加して指名又は委嘱することができるものとする。
2 前項の依頼を受けた学生懲戒委員会は、異議申立ての適否について審議し、その結果を書面で学長に報告しなければならない。
3 学長は、前項の報告を踏まえ、異議申立ての適否について判断し、次の各号に掲げる区分に応じ、各号に記載された措置をとるものとする。
(1) 異議申立てに理由があり、懲戒処分を行う必要がないと判断した場合は、懲戒処分を行わない旨の通知
(2) 異議申立てに理由があり、より軽い懲戒処分を行うのが相当と判断した場合は、新たな懲戒処分書の交付
(3) 異議申立てに理由がないと判断した場合は、異議申立てを棄却する旨の通知
4 前項第2号により、新たに懲戒処分書が交付された場合、当該学生は、再度前条に定める異議を申し立てることができるものとする。この場合の手続については、前条及び本条の規定を準用する。
(懲戒処分の効力等)
第11条 懲戒処分の効力は、次の各号に掲げる区分に応じ、次の各号に記載されたときに発生する。
(1) 異議申立てがなく第9条の異議申立期間が経過したときは、期間の最終日の翌日
[第9条]
(2) 異議申立てがあったものの取り下げられたときは、取り下げの日の翌日
(3) 異議申立てが棄却されたときは、異議申立てが棄却された旨の通知を当該学生が受領した日の翌日
2 学長は、懲戒処分を行ったときは、その効力が生じた後、速やかに教育研究評議会に報告するものとする。
(懲戒処分の公示と被害者への通知)
第12条 懲戒処分(ただし、停学処分及び退学処分に限る。)は、原則として公示するものとし、懲戒処分の効力の発生日(以下「発効日」という。)から1週間、学生部及び各学部の掲示板に懲戒処分の公示書(別紙様式第6号)を掲示して行う。
2 公示に当たっては、被処分者が特定されないように配慮する。
3 第1項の規定にかかわらず、被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合は、公示内容の一部又は全部を公示しないことができる。
4 被害者(当該学生の行為により直接被害を受けた者のことをいう。)の存在する事案について懲戒手続が行われ、調査委員会による調査の過程等において被害者がその結果の通知を希望するときは、学長は、懲戒処分の実施の有無及びその種類並びに理由の要旨を被害者に通知するものとする。
5 学長は、適当と認めるときは、前項の通知を被害者と関係を有する親族等にも行うことができる。
(停学期間中の指導)
第13条 停学処分を受けた学生の所属する学部は、停学期間中の学生に対して、定期的に面談及び教育的指導を行うとともに、必要に応じて保健管理センター等と協力して、メンタルヘルス支援を行う。
2 停学処分を受けた学生が所属する学部の学部長が必要があると認める場合は、停学期間中であっても、当該学生に履修登録を行わせることができる。
(無期停学の解除)
第14条 学部長は、無期停学の懲戒処分を受けた学生について、発効日から6月を経過した後、その反省状況、学習意欲の程度等の事情を考慮し、停学の解除が妥当であると認めたときは、学長に停学の解除を上申することができる。
2 学長は、前項の上申があった場合は、当該懲戒処分について審査した学生懲戒委員会の議を経て、停学を解除することができる。
(再審査)
第15条 懲戒処分を受けた者は、事実誤認、新事実の発見その他の正当な理由があるときは、その証拠となる資料を添えて発効日から起算して90日以内に、文書により学長に再審査を請求することができる。
2 学長は、前項の請求があったときは、学生懲戒委員会に諮るものとする。
3 再審査の手続については、第4条から第8条までの規定を準用する。
(懲戒手続及び懲戒処分と学籍異動)
第16条 学部長は、懲戒手続中の学生から、懲戒処分の決定前に自主退学の申請があった場合には、原則としてその申請を受理しない。
2 学部長は、卒業を間近に控えた当該学部に所属する学生について懲戒手続が開始されている場合において、当該学生について退学処分が行われる蓋然性があり、そのまま卒業させるのが妥当でないと思料するときは、学長に対し、当該学生に関する卒業判定の留保又は既になされた卒業判定の取消し及び卒業判定の留保を上申することができる。
3 学部長は、卒業を間近に控えた当該学部に所属する学生について懲戒手続が開始されている場合において、当該学生について無期停学処分又は1月を超える停学処分が行われる蓋然性があり、そのまま卒業させるのが妥当でないと思料するときは、学長に対し、学長が定める一定の期限までに第8条に定める懲戒処分の手続が実施されないことを条件とする卒業判定を上申することができる。
[第8条]
4 学長は、前2項の上申があったときは、学生懲戒委員会の意見を聴いたうえで、上申を承認するか否かを決定し(前項の上申を承認する場合には、前項の期限もあわせて決定するものとする。)、上申をした学部長に通知する。
5 前項の承認があり、その旨の通知を受けた学部長は、当該学部の教授会に、当該学生に関する卒業判定の留保等について諮り、その議を経て、所要の措置をとるものとする。
6 第3項の上申が承認され、第4項で学長が定めた期限までに、無期停学処分又は1月を超える停学処分を内容とする第8条に定める懲戒処分の手続が実施されたときには、当該学生に対する卒業判定は取り消され、卒業判定は留保されたものとみなす。
[第8条]
7 停学期間中の学生が休学を申し出た場合は、これを認めない。
(読替え)
第17条 この規程の大学院学生への適用に当たっては、規程中「学部」とあるのは「研究科」と、「学部長」とあるのは「研究科長」と、「教授会」とあるのは「医学研究科以外の研究科にあっては研究科委員会」と読み替えるものとする。
(雑則)
第18条 この規程に定めるもののほか、学生の懲戒に関し必要な事項は別に定める。
(改廃)
第19条 この規程の改廃は、教育研究評議会の審議及び役員会の議を経て学長が行う。
附 則
1 この規程は、令和6年4月1日から施行する。
2 琉球大学学生の懲戒手続に関する規程(平成29年2月8日制定)は、廃止する。
3 この規程の施行前に付議された懲戒事案については、なお従前の例による。
4 第2条第8項の規定にかかわらず、この規程の施行開始年度の同条第7項の上申は、施行日から2か月以内に行うものとする。
附 則(令和6年5月31日)
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この規程は、令和6年5月31日から施行する。